今回は、横浜市の福祉職公務員を取り上げます。横浜市の場合、福祉職に相当する職種は、「社会福祉職」です。
この記事(ページ)の目次です。
横浜市社会福祉職の配属先
横浜市の社会福祉職の配属先には、横浜市全体の施策を担う「局」と、地域ごとの「区役所」の両方があります。
「局」の配属先と仕事内容
横浜市の社会福祉職が配属される「局」は、主に「健康福祉局」と「こども青少年局」です。
健康福祉局は、福祉分野を幅広く担当します(高齢者、障害者、生活保護、地域福祉など)。その一方、障害児支援、児童虐待、DV対策などは、こども青少年局が担当します。
横浜市で「局」に配属された社会福祉職は、福祉に関わる制度や施策の企画立案・運営・調整・推進、予算管理、および、福祉事業所(横浜市の場合、区役所に置かれる福祉保健センター)の運営支援などを行います。
局に属する専門部署
横浜市では、局に属する、専門分野に特化した部署があります。それぞれの専門領域における支援や、関係機関との調整、福祉制度の啓発・広報活動を行います。
- 健康福祉局に属する専門部署
- 障害者更生相談所
- こころの健康相談センター
- こども青少年局に属する専門部署
- 青少年相談センター(ひきこもり地域支援センター)
- 児童相談所(市内4か所)
当サイトでは、児童相談所について、児童相談所とはにまとめています。興味のある方は、参考になさってください。
横浜市が運営する福祉施設
横浜市には、市が運営する公立の福祉施設があります。そこでは、相談員や、入所者を支える職員が配属され、対象者の自立に向けた支援を行います。
- 健康福祉局に属する施設
- 松風学園(障害者支援施設)
- こども青少年局に属する施設
- 向陽学園(児童自立支援施設)
- 三春学園(児童養護施設)
- みどりハイム(母子生活支援施設)
当サイトでは、児童自立支援施設に関しては、児童自立支援施設とはにまとめています。
「区役所」の配属先
横浜市では、各地域の区役所ごとに、「福祉保健センター」を設置しています。福祉保健センターは、福祉事務所(→福祉事務所とは)と保健所を法定行政機関として統合したものです。
福祉保健センターは、福祉と保健の業務を一体的に取り扱う機関(部署)であり、社会福祉職と保健医療職(主に保健師)が配属されます。
社会福祉職の場合、福祉に関するあらゆる相談業務や、必要に応じた訪問、関係機関との連絡調整、法令に基づく福祉に関する支援等の決定業務などを行います。
区役所(福祉保健センター)の主な課(社会福祉職)
社会福祉職で区役所(福祉保健センター)に配属される場合、以下の課に配置されることが一般的です。
(横浜市では、地域の特性を踏まえて、区によっては、区役所の組織機構を一部組み換えています。以下の組織は、横浜市が示した、標準的な機構です)
- 福祉保健課
- 地域福祉保健計画の策定、地域ケアプラザなどの運営管理、民生委員・児童委員などを担います。
- 高齢・障害支援課
- 高齢者の福祉保健サービス、敬老特別乗車証、老人クラブ、障害者福祉サービス、各種障害者手当や、高齢者・障害者に関する虐待防止や権利擁護などを担います。
- こども家庭支援課
- 子育て支援業務、障害児福祉サービス、母子手帳、児童手当、乳幼児健診、母子・父子寡婦福祉、児童虐待防止の取組等を担います。
- 生活支援課
- 生活保護の相談・決定、生活困窮者自立支援事業などを担います。
横浜市の社会福祉職:仕事内容の参考例
横浜市では、同じ社会福祉職でも、ソーシャルワーカーととして働いたり、福祉行政をつかさどる公務員として事務に従事したり、施設の現場で直接支援するなど、配属先によって、さまざまな仕事内容に取り組みます。
区役所(福祉保健センター)の場合
例えば、区役所の生活支援課で生活保護の担当になると、保護費の算定から、生活にかかわる相談支援などに従事します。
区役所の高齢・障害支援課で、障害支援担当になると、障害福祉サービスの決定や、精神保健福祉相談として受療支援などを行います。横浜市の場合は、福祉と保健が一体となって支援を行います。
区役所のこども家庭支援課に配属されると、担当ごとに、愛の手帳(療育手帳)の交付、児童扶養手当の相談、放課後等デイサービス(障害児通所支援事業)の利用相談などを、電話や窓口で受け付けます。
また、必要に応じて、他機関との要保護児童に関するカンファレンス、重度心身障害児のご家庭への訪問、要保護児童とその保護者の方との面談なども実施します。
児童相談所の職員や各施設の支援員の場合
横浜市の児童相談所に配属された社会福祉職は、事務職・心理職・医療職など他職種の職員と、それぞれの視点から意見を出し合い、チームで仕事に取り組むことが少なくありません。
また、横浜市が運営する公立の施設に、支援員として配属された場合、入所者への直接支援を行います。
ここまで説明してきた、横浜市の社会福祉職に関して、独学で目指す参考書については、地方公務員福祉職の参考書を参考になさってください。