福祉事務所とは

福祉事務所とは、社会福祉法第14条に規定されている、「福祉に関する事務所」をいいます。福祉事務所は、地方公共団体(地方自治体)において、福祉に関する業務を取り扱う、専門的な行政機関です。

福祉事務所の概要

福祉事務所は、すべての都道府県および市(東京都特別区を含みます)に、設置が義務づけられています。

その一方、町村の場合、福祉事務所の設置は義務ではありませんが、任意で設置することができます(任意設置)。実際に、福祉事務所を設置している町村は、45町村です(2021年4月現在)。

また、複数の地方公共団体が、一部事務組合又は広域連合を設けて、そこに福祉事務所を設けることもできます。

市区町村が単独で福祉事務所を設置する場合、その地方公共団体の「福祉部」「福祉課」など、福祉専門の部署を福祉事務所とすることが多いです。その一方、「福祉事務所」という名称で、福祉事務所を設置する自治体もあります。

市区町村の福祉事務所は、各自治体の区域を所管します。都道府県の福祉事務所は、福祉事務所を設置している市区町村を除いた区域を所管します。

福祉事務所の業務・職務

福祉事務所は、福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法)、DV防止法、生活困窮者自立支援法に定める相談、援護、育成、更生の措置に関する事務をつかさどる、社会福祉行政機関です。

なお、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に関する事務は、市町村の所管となっています。このため、都道府県の福祉事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法を所管します。

実際に、家庭を訪問し、面接によって本人の状況を調査し、さまざまな措置の必要の有無を判断したり、生活指導などを行います。また、生活保護費の支出、生活保護受給者などを狙った貧困ビジネスの実態調査・指導に関する事務などを所管します。

他の社会福祉又は保健医療に関する業務

福祉事務所は、職務の遂行に支障がない場合は、他の社会福祉又は保健医療に関する業務を行うことができます。実際に、民生委員・児童委員に関する事務、児童扶養手当に関する事務などを行う福祉事務所が多いといえます。

福祉事務所の組織

社会福祉法は、福祉事務所に対して、所長及び少なくとも次の所員を置くことを義務付けています。ただし、所長が、その職務の遂行に支障がなく、自ら現業事務の指揮監督を行うときは、指導監督を行う所員を置かなくてもよいと定めています。

福祉事務所長
都道府県知事又は市町村長(特別区の区長を含む)の指揮監督を受けて、所務を掌理します(取りまとめます)。
指導監督を行う所員(査察指導員=スーパーバイザー)
所長の指揮監督を受けて、現業事務(実務に伴う事務)の指導監督を行います。
現業(実務)を行う所員(現業員=ケースワーカー)
所の長の指揮監督を受けて、援護、育成又は更生の措置を要する者等の家庭を訪問したり、これらの方と面接し、本人の資産、環境等を調査し、保護その他の措置の必要性の有無及びその種類を判断し、本人に対し生活指導を行う等の事務を行います。
事務を行う所員(事務員)
所長の指揮監督を受けて、福祉事務所の庶務を行います。

なお、スーパーバイザーとケースワーカーは、社会福祉主事であることが必要です。

(社会福祉主事になるには、社会福祉主事任用資格とは?を参考になさってください)

このほか、老人福祉指導主事(老人福祉の業務に従事する社会福祉主事)、身体障害者福祉司、知的障害者福祉司、家庭相談員、婦人相談員、嘱託医などを配置する福祉事務所があります。

福祉事務所の定数(ケースワーカー)

福祉事務所は、ケースワーカー(現業員)の定数が、社会福祉法に定められています。

都道府県
現業員標準定数:被保護世帯が390以下の場合 6
標準定数に追加すべき定数:被保護世帯が65を増すごとに 1
市(東京都特別区を含む)
現業員標準定数:被保護世帯が240以下の場合 3
標準定数に追加すべき定数:被保護世帯が80を増すごとに 1
町村
現業員標準定数:被保護世帯が160以下の場合 2
標準定数に追加すべき定数:被保護世帯が80を増すごとに 1

福祉事務所の採用

福祉事務所の採用ですが、(福祉事務所を設置・運営する)地方公共団体の職員採用試験に合格する必要があります。福祉事務所も、地方公共団体(地方自治体)の中の1つの機関・部署であり、ほかの機関・部署などと同様に、異動があります。

当サイトでは、一般的な地方公務員の福祉職を目指す方向けに、地方公務員福祉職の参考書を公開しています。是非参考になさってください。