理系公務員の勉強時間はどれだけ必要か?

今回は、理系公務員(技術職)の勉強時間はどれくらい必要なのかという点を取り上げます。大卒程度の公務員試験で教養・専門とも課される方なら、800から1000時間が必要と思いますが、これは一般的な公務員試験の目安といえます。

ここでは、大卒程度の理系公務員に特化して、合格に必要な勉強時間のおおよその目安を考えていきます。実際には、受験生の方々それぞれが持っている、学習経験の経験値によって、大きく左右されるかと思います。

理系公務員の勉強時間と試験科目

理系公務員の場合、勉強時間が行政系・事務系に比べて少なくて済むという方もおられます。理系(技術系)区分なら、大学などで学んだ分野が、そのまま専門試験で活かせるため、学習の負担が行政系・事務系より比較的軽い傾向があるといえます。

とはいえ、公務員試験の専門試験は、例えば建築なら建築、土木なら土木など、各区分に属する領域の科目が一通り出題されます。これら全ての科目を、大学などで学んだとは限りません。また、工学系区分を中心に、「工学の基礎」(数学、物理)という科目も出題されます。

(この点に関しては、理系公務員(技術職)の試験科目でも触れています)

その一方、教養試験(基礎能力試験)に関しても、社会科学、人文科学、自然科学は、頻出項目がハッキリしているとはいえ、やたら科目数が多いぶん、それなりに学習の負担があります。

判断推理、数的推理、文章理解、資料解釈は、解法パターンを習得したり、公務員試験特有の癖に慣れることができれば、よほどの難問は捨てても、十分に合格できます。ただし、これら知能系科目も、自力で解けるには、それなりの勉強時間が必要です。

理系公務員の場合は、教養・専門とも、相当な難問・奇問は割り切って捨てる一方、基礎から標準レベルの頻出問題をそつなくこなせば、独学でも十分受かります。ただし、科目数が多いため、それぞれに勉強する時間を割いていくことが必要です。

一般的な公務員試験の勉強時間は?

一般的には、専門試験が課されない(教養試験のみ)という公務員試験なら、300~500時間の勉強で合格できる方が多く、教養・専門とも課される公務員試験なら800~1000時間の勉強を行った方が多いと思います。

1日あたりの勉強時間に関しても、平均して2~4時間、だいたい3時間勉強することを目標にすべきです。直前期になると、既習範囲の見直しや過去問演習などが中心となり、6~8時間勉強した方も多いと思います。

試験勉強を行った期間に関しては、一般的な大卒程度の公務員試験なら、半年前後という方が多く、3か月程度、あるいは、1年以上という方も少なくありません。最も多いのは、半年~1年というあたりだと思います。

理系公務員なら、勉強する時間を短縮しやすい

ただし、理系公務員の場合は、勉強時間にしろ、試験勉強の期間にしろ、これよりも少なくて済んだ、あるいは、これ以上に勉強時間がかかった、という方も少なくありません。こればかりは、個人差が大きいところだと思います。

教養試験のうち、一般知識(知識分野)は暗記がメインですし、逆に一般知能(知能分野)は単純な暗記が通用しません。専門試験に関しては、深入りする必要は無いものの、たくさんの科目から頻出項目を効率よくさらっていく勉強が必要です。

当サイトでも、独学で通用する理系公務員向けの教材は、理系公務員の参考書で一括して紹介しています。基本的に公務員試験は、過去問攻略が定石です。

公務員試験は一定の人材を安定的に確保することが目的ですから、毎年のように似たような傾向を示します。とにかく過去問を軸に、頻出項目さえ押さえておけば、全ての科目をこなすといっても、そうそう負担にはなりません。

国家一般職大卒や、地方上級(都道府県、政令市、東京都特別区)、市役所といった、一般的な大卒程度の技術系区分であれば、絶対に半年は勉強しないといけないとは限りません。技術系なら、数か月も無い、超短期間でも合格する方が少なくありません。