理系公務員(技術職)にはどんな種類があるのか?

今回の記事は、理系公務員(技術職)の種類について、国家一般職大卒の技術系区分、および、地方公務員の技術職(大卒)を対象に、主に大卒程度の方に向けて説明します。

ここでは、国家一般職大卒、都道府県、政令指定都市、東京都特別区(東京23区)、市役所、町村役場における、技術系の職種・区分(技術職)を取り上げます。

理系公務員の職種・区分

理系公務員は、電子・電気・情報(デジタル)、機械、土木、建築、化学・環境・衛生、農業・農学、農業土木・農業工学、造園、林業・林学、水産、物理、薬学・薬剤、獣医などの職種・区分に分かれます。採用試験も職種・区分ごとに実施されます。

実際の職種・区分の分類・名称は、公務員試験によって異なります。全ての公務員試験で、あらゆる職種・区分があるわけではありません。また、採用試験が実施される職種・区分は、年度によって異なります。その年の採用予定が無い職種・区分は、採用試験が実施されないことがあります。

例えば、国家一般職大卒は、行政区分を除き、デジタル・電気・電子、機械、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学の9つの技術系区分があります。ただし、全ての区分で採用試験があるとは限らず、採用予定がある区分だけで実施されます。

理系公務員:国家と地方の公務員

理系公務員にも、国家公務員と地方公務員の違いがあります。

国家公務員の場合

国の業務に従事する国家公務員には、中央省庁の職員として、国の政策方針の策定に関わる国家総合職と、出先機関の職員として、国の政策に沿った実際の業務遂行に関わる国家一般職があります。

国家一般職は、出先機関の幹部候補を採用する大卒と、出先機関の係員を採用する高卒の採用試験に分かれます。このうち国家一般職大卒は、行政区分が地域ブロックごとの採用なのに対して、技術系区分はすべて全国採用であり、勤務地は全国が対象です。

国家一般職は、採用試験の合格=採用ではありません。官庁訪問という選考プロセスに臨み、自ら内定を手にする必要があります。国家一般職の合格者全員が、どこかの機関に採用される保証はありません。

国家一般職の採用は、地方の出先機関(例えば、地方整備局、税関、地方農政局など)が中心です。

なお、国家一般職大卒の場合、中央省庁の本庁採用の枠が無いわけではありませんが、出先の採用に比べると、非常に少ないといえます。また、本庁の幹部候補は国家総合職の採用者であり、国家一般職との間では、昇進や待遇面で差があります。

地方公務員の場合

地方公務員は、都道府県、政令指定都市、東京都特別区(東京23区)、市役所、町村役場の職員です。理系公務員(技術職)は、その地域に寄与する業務に、専門分野を活かします。地方公務員は、採用された自治体の範囲内で勤務するのが原則です。

地方公務員は、各自治体の職員であり、採用試験も自治体ごとに実施されます。採用後は、生活・環境、健康・福祉、雇用、産業振興、観光、再開発、防災、教育・文化、広報・統計など、さまざまな分野を対象に、技術的な観点から関わることになります。