地方公務員福祉職の専門科目

今回は、地方公務員福祉職の専門科目を取り上げます。

ここで取り上げるのは、地方上級(都道府県、政令指定都市、東京都特別区)、および、市役所や町村役場における、福祉職(大卒程度)の専門科目です。

また、今回の記事では、全国的に最も多くみられる、一般的な出題パターンを説明します。自治体の中には、これと異なる所もあるため、志望先の受験案内(募集要項)を確認しましょう。

地方公務員福祉職の専門科目

地方公務員福祉職の専門試験は、択一式で40問・全問解答制が一般的です。専門科目・科目別出題数は、以下の傾向が多いといえます。

  • 社会福祉概論または社会福祉学(社会保障を含む)22~24
  • 社会学概論または社会学6~8
  • 心理学概論(社会心理学を含む)(「一般心理学・社会心理学」と告知する自治体もあります)6~8
  • 社会調査3~4

社会福祉概論は、福祉の考え方、地域福祉、福祉法令・政策・行政計画・財政、社会保障、生活保護、障害者/高齢者/子ども家庭の各福祉論など、社会福祉を総合的に含んだ科目です。

ざっくり言えば、地方公務員福祉職の専門科目は、福祉関係の科目(社会保障を含む)が約2分の1、社会学と心理学(社会心理学を含む)が約4分の1づつ、社会調査が若干出るのが、一般的なパターンだといえます。

なお、過去の出題例を見る限り、社会福祉概論のうち社会保障は2~5問で、心理学概論の内訳は一般心理学が5~6問、社会心理学が2~3問出ています。

頻出科目は必ず勉強しよう

一般的に、公務員福祉職の専門科目は、社会福祉士国家試験(国試)の範囲で対応できる科目ばかりであり、社会福祉士国試向けの教材が、そのまま使えます。

具体的には、地方公務員福祉職の専門科目は、社会福祉士国試における、以下の科目を押さえることで、十分に対応できます。

  • 「現代社会と福祉」(社会福祉原論)
  • 「地域福祉の理論と方法」(地域福祉論)
  • 「福祉行財政と福祉計画」
  • 「社会保障」(社会保障論)
  • 「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」(障害者福祉論)
  • 「低所得者に対する支援と生活保護制度」(公的扶助論。生活保護)
  • 「高齢者に対する支援と介護保険制度」(高齢者福祉論。旧科目名:老人福祉論)
  • 「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」(児童福祉論、子ども家庭福祉論)
  • 「心理学理論と心理的支援」(心理学)
  • 「社会理論と社会システム」(社会学)

ただし、公務員福祉職の専門科目と社会福祉士国試において、頻出項目が全く同じというわけではありません。やはり公務員試験では、公務員の職務に近い、行政の役割や法制度の仕組みを中心に、しっかり勉強すべきです。

具体的には、福祉事務所、福祉六法、健康保険、年金、雇用保険、労災、生活保護など、福祉の考え方、地域福祉、福祉関連の法令や制度、行財政計画や福祉行政の役割、社会保障、生活保護は、必ず押さえましょう。

それとともに、障害者、高齢者、子ども家庭の各福祉論や、社会学、心理学も、必ず押さえるべき科目です。ここまでは、絶対に勉強すべき科目といえます。

これらの科目以外には、社会調査が課されますが、出題数は多くありません。もちろん、余裕があれば、「社会調査の基礎」(社会調査)も押さえましょう。

ここまで、地方公務員福祉職で、勉強すべき科目が分かったところで、実際に役立つ参考書や過去問題集について、地方公務員福祉職の参考書で取り上げています。