ここでは、東京都や国税専門官における社会学の専門記述対策を取り上げます(福祉系・心理系公務員の方は、社会学(福祉系・心理系向け)をご覧ください)。
社会学は、東京都、国税専門官で記述式の選択科目となっています。基本的な一行問題や説明問題が多く、メインテキストを定めて重要な論点の整理に取り組めば十分対応できます。
こうしたテキストとして、最もおすすめなのが「公務員Vテキスト 社会学」です。200ページを切るボリュームでスマートにまとまっており、バランスの取れた標準的な記述は公務員試験向けだといえます。
これが合わなかった方には、「よくわかる社会学 ミネルヴァ書房」をおすすめします。章ごとにわかりやすさのバラつきがあるのが難点ですが、抽象的な社会学を図表を交えて具体的に理解できる良書といえます。
このほか、大学の指定教科書で「Do! ソシオロジー 有斐閣アルマ」または「社会学のエッセンス 有斐閣アルマ
」を使った方は、そのままこれらがメインテキストにおすすめできます。どちらも社会学の入門書として適度な分量ですし、東京都・国税の社会学ならこのレベルで十分だと思います。
なお、Vテキスト以外の3冊は、社会調査が含まれていないことに留意してください。簡潔な記述のVテキストをメインにしつつ、これだけでは分からない部分が多く出てきた場合は、他のテキストを併用するといった学習法が好ましいと思います。
また、択一でも記述でも、問題演習で聞いたことが無い学者に遭遇し、その学説の要点をチェックしたいと思った方には、「社会学(New Liberal arts Selection) 有斐閣」をおすすめします。本書は約600ページという大著で、行政系・事務系の公務員試験には不要なところも多いため、メイン教材には不向きです。
しかし、過去に出題された学説のうち、一般的な公務員試験の教材ではあまり解説されていない学者と学説についても言及があるため、調べ物的な辞書代わりの参考書としては最適です。
例えば、ギデンズ、ベック、オルソン、ルーマン、リッツァ、ローレンスとロルシュ、パットナム、マクルーハン、ハーバマス、バーンスティン、カステル、ホックシールド、アンダーソン、トゥレーヌあたりの説明が、おおいに参考になるといえます。
この参考書を用意しておけば、メインテキストで分からない記述が出てきた時など、一般的な社会学のあらゆる疑問点を解消することができますし、各論点を掘り下げて補強することができます。