認知心理学とは、人間の認知活動を研究する領域です。公務員試験においても、心理学のなかで代表的かつ基本的な頻出分野といえます。
認知活動には見る、聞く、理解する、覚える、考える、コミュニケーションといった内容が含まれています。知覚、理解、記憶、思考、学習、推論、問題解決なども認知心理学で学ぶべき内容ですし、心理学の諸領域(感覚・知覚、学習など)と深い結び付きがある学問といえます。
認知心理学は、国家総合職や法務省専門職員・人間科学区分(矯正心理専門職/法務教官/保護観察官)では毎年幅広く出ていますし、家裁や地方公務員でも非常に重要な頻出分野といえます。
認知とは、外界にある対象を知覚し、解釈や判断を行う過程のことです。認知心理学は、この一連の過程を、情報処理という側面から研究する分野です。このため、認知科学と密接な学問といえます。
公務員試験においても認知心理学では、記憶、情報処理に関するさまざまな性質・特徴、意思決定、ヒューリスティックス、問題解決が特に出題頻度の高い項目です。もちろん、認知心理学は各項目が有機的に結びついた科目であり、標準的な事柄はまんべんなくおさえておきましょう。
認知心理学は、心理学のなかでも基本的な領域です。公務員試験においても、感覚・知覚や学習などとともに、まずはここから学ぶべき重要分野といえます。
ここで、公務員試験に見合った認知心理学の参考書を取り上げます。認知心理学では、以下の参考書をおすすめします(以下のリンクは、それぞれの名称によるアマゾン(Amazon.co.jp)の検索結果ページを含みます)。
「認知心理学―知のアーキテクチャを探る 有斐閣アルマ」はスマートにまとまった参考書です。簡潔に凝縮した構成であり、初めての参考書としてはキツイかもしれません。
しかし「認知心理学―知のアーキテクチャを探る 有斐閣アルマ」は網羅性は高く、出題範囲の漏れはほぼ無いといえます。試験勉強を通じて必要な知識の確認や記憶の定着に使える良書としておすすめできます。
もうひとつの「認知心理学キーワード 有斐閣双書」は、1つの項目ごとにページが構成されたコンパクトな参考書です。メインの学習で漏れた部分の補充、問題演習で分からなかった部分の参照、記述式試験の論点集として使える、非常にユーティリティに優れた参考書です。
公務員受験で認知心理学に取り組む場合、結局のところ、「認知心理学―知のアーキテクチャを探る 有斐閣アルマ」が網羅性の高い良書ですし、これだけで理解できるなら1冊で済ませることが良いと思います。
ただ、「認知心理学―知のアーキテクチャを探る 有斐閣アルマ」は記述が簡潔ですので、なかにはわかりにくという方も出てくると思います。こうした方には、「認知心理学キーワード 有斐閣双書」を補助的に併用してしっかりと理解することをおすすめしますし、記述式対策や演習不足の解消には、調べ物的な参照用参考書としても使えます。