教養試験の科目別出題数(大卒)

今回は、教養試験(基礎能力試験ともいいます)の科目別出題数を取り上げます。ここでは、国家一般職大卒、地方上級(都道府県、政令指定都市、東京都特別区)、市役所(大卒)の教養試験(基礎能力試験)の科目別出題数を取り上げます。

ここで取り上げる科目別出題数は、あくまでも過年度の実施実績です。一部の公務員試験では、これと異なる傾向を示しますが、一般的に最も多くみられる出題パターンを、参考情報として取り上げています。

教養試験は、区分(職種)を問わず、共通の試験内容を課すことが一般的です。また、一部を除くと、どの区分でも、共通の問題や科目別出題数を課す公務員試験が多いといえます。

このため、行政系・事務系、理系公務員(技術職)、福祉系・心理系など、どの区分の方でも、教養試験に関しては、同じ大卒程度公務員試験の標準的な試験勉強で、十分に対応できます。

教養試験(大卒)の参考書を一通り知りたい方は、まず先に大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)をおすすめします。

国家一般職大卒の基礎能力試験の科目別出題数

国家一般職大卒(技術系区分は国家一般職大卒の技術系区分)の基礎能力試験では、どの区分でも、同じ試験が課されます。例年通りなら、以下の科目別出題数となっています。

文章理解11(現代文6、英文5)、判断推理8、数的推理5、資料解釈3、社会科学6(時事3、政治1、経済1、法律1)、自然科学3(物理1、化学1、生物1)、人文科学4(日本史1、世界史1、地理1、思想1)で、全40問必須解答です。

地方上級の教養試験の科目別出題数

地方上級(技術職は地方公務員の技術職(大卒))の教養試験の科目別出題数は、以下の通りです。地方上級の教養試験は、全国型、関東型、中部北陸型、変形型(その他型)、独自型に分類できます。

※地方上級のタイプの分類は、行政系・事務系区分に基づくものですが、教養試験に関しては、理系公務員(技術職)や福祉系・心理系の方も、これに準じた傾向が見られるため、同じく参考になります。

※志望する自治体がどのタイプか知りたい方は、地方上級の出題タイプ自治体別一覧が参考になります。

全国型は、50問全問解答です。社会科学12(政治・法律4、経済3、社会・社会事情5)、人文科学6(日本史2、世界史2、地理2)、自然科学7(化学2、生物2、数学1、物理1、地学1)、文章理解8(英文5、現代文3)、判断推理10、数的推理6、資料解釈1です。

関東型は、50問中40問の選択解答で、知能分野(一般知能)は20問必須解答ですが、知識分野(一般知識)が30問中20問選択解答制という自治体が一般的です。社会科学14(政治・法律4、経済4、社会・社会事情6)、人文科学9(日本史3、世界史3、地理3)、自然科学7(化学2、生物2、数学1、物理1、地学1)、文章理解8(英文5、現代文3)、判断推理7、数的推理4、資料解釈1です。

中部北陸型は、50問全問解答です。社会科学10(政治・法律3、経済3、社会・社会事情4)、人文科学8(日本史2、世界史3、地理3)、自然科学7(化学2、生物2、数学1、物理1、地学1)、文章理解8(英文5、現代文3)、判断推理10、数的推理6、資料解釈1です。

東京都1類B(一般方式)は40問必須解答で、独自型です。社会科学3(法律1、政治1、経済1)、社会事情5、人文科学4(歴史2、地理1、文化1)、自然科学4(化学1、生物1、物理1、地学1)、文章理解8(英文4、現代文4)、判断推理6、数的推理6、資料解釈4となっています。

(東京都1類B・一般方式の空間概念は、判断推理に含みます)

東京都特別区1類は、48問中40問の選択解答で独自型です。知能分野(一般知能)は28問必須解答で、知識分野(一般知識)が20問中12問選択解答です。社会科学4(法律2、政治1、経済1)、社会事情4、人文科学4(倫理・哲学1、歴史2、地理1)、自然科学8(化学2、生物2、物理2、地学2)、文章理解9(英文4、現代文5)、判断推理10、数的推理5、資料解釈4となっています。

(東京都特別区1類の空間把握は、判断推理に含みます)

地方上級の場合、タイプが同じ自治体どうしでは、共通の問題が全国的に幅広く見られます。その一方、一部の自治体で、科目別出題数が違っていたり、区分によって若干の違いを加えるところもあります。

ただし、どの場合でも、区分を問わず、教養試験は、大卒程度の標準的な試験勉強で対応できます。

市役所(大卒)の教養試験の科目別出題数

市役所(大卒)(技術職は地方公務員の技術職(大卒))の教養試験の科目別出題数は以下の通りです。これは、最も一般的なパターンです。

社会科学8~9(法律・政治2、経済1~2、社会・社会事情・時事5)、人文科学5~6(日本史1~2、世界史1~2、地理1~2)、自然科学6(数学1、物理1、化学1、生物2、地学1)、文章理解6(現代文3、英文3)、判断推理8、数的推理4、資料解釈2で、40問・全問解答制です。

ただし、B~C日程の市役所の中には、自然科学を課さない市役所があります(ロジカル型と呼ばれることもあります)。全国の市役所の中ではごく一部(全国の自治体の1割弱)ですが、その場合は、以下の科目別出題数になる傾向があります。

社会科学8~9(政治2、法律2、経済3、社会・社会事情・時事1~2)、人文科学4~5(日本史1~2、世界史2、地理1~2)、文章理解9(現代文5、英文4)、判断推理10~12、数的推理3~5、資料解釈3で、40問・全問解答制です。

志望先の市役所がどちらの出題パターンかは、自然科学が課されるか課されないかが、一応の参考となる目安といえます。志望先の募集要項などで要確認ですが、わからない場合は、なるべく幅広く試験勉強を行うことをおすすめします。

市役所の場合も、同日実施の場合は、全国的に幅広く共通の試験問題が見られます。また、どの区分の方でも、同じ試験勉強で対応できるのが一般的です。