今回は、教養試験(基礎能力試験)の対策を取り上げます。
(そもそも「教養試験(基礎能力試験)って何?」という方は、教養試験(基礎能力試験)とは?を参考になさってください)
教養試験(基礎能力試験)は、職種や区分を問わず、同じ試験内容が課される試験種目です。択一式で課されることが一般的で、一般知能(知能分野)と一般知識(知識分野)に分かれます。
教養試験は、勉強というより演習とかトレーニングといった方がよいかもしれません。確かに暗記科目も多いのですが、限られた時間の中で、次々と解いていかないと解き終わらないこともあります。演習を通じて、解法パターンを習得していきましょう。
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一般知能(知能分野)
教養試験は、特に一般知能を甘く見てはいけません。教養試験をSPIのようだという方もおり、一見そのように見えなくも無いですが、問題を解いてみると、全然別物で、明らかにこっちのほうがやっかいで難しいことに気づくと思います。
実際に勉強すると、一般知能、とりわけ数的処理(判断推理、数的推理)や文章理解が、存外に手間がかかると実感するでしょう。特に、合格者の中でも、数的処理は5割も取れなかったという方がおられます。
とはいえ、一般知能も採用試験の一環ですから、必要とされる論理的思考や数学的な解き方は、一定の範囲に収まっています。過去問を中心に、類型化された解法パターンを一通り習得すれば、どなたでも解ける問題がほとんどです。
数的処理は、難問も混じりますが、その割合はわずかです。過去問演習でパターンさえ習得すれば、これは難問だと見抜いてスルーする一方、大部分を占める基礎~標準問題を解き続けることで、合格ラインに十分に届くことが可能です。
一般知能の対策は、問題を見たらすぐにどんな解法で解けるかが浮かぶくらいまで、早く正確に解く練習を、何度でも繰り返し行うことが合格への近道だといえます。
一般知識(知識分野)
一般知識は、単純に暗記だけで通用する問題が多いのですが、社会科学(政治、経済、法律、社会など)、人文科学(日本史、世界史、地理など)、自然科学(物理、化学、生物、地学など)と、やたら科目数が多い分野でもあります。
ただし、一般知識は、高校の教科書~共通テストレベルの問題が多く、自然科学であっても、典型的な法則や公式、原理などをそのまま当てはめれば解ける問題がほとんどです。どの科目も、単純に暗記だけで解ける問題が多いのが一般知識です。
知識科目は科目数が多い一方、1科目当たりの問題数が少なく、大半が純粋な暗記で通用する基礎~標準問題です。このため、なるべく捨て科目は作らないことや、各科目の基本かつ頻出テーマだけ抽出して、効率的に勉強することが、最良の対策です。
(主な大卒程度公務員試験の教養試験の科目別出題数は、教養試験の科目別出題数(大卒)にまとめています)
もちろん、やみくもに全科目を勉強しようと言うわけではありません。出題数の多い科目や、ちょっと勉強して出来そうな科目は絶対に攻略する一方で、出題数が少なく、時間を掛けた割に全然取れない科目は、1~3科目程度なら捨てても良いと思います。
ただし、一般知能はなるべく点数を稼ぐ我慢の勉強ですが、一般知識はみんなが点を取る傾向があります。一般知能で足りない点数を、少しでも多くの知識科目で稼ぐ必要があります。理想的な対策を言えば、食わず嫌いをせず、出来るだけ全科目に取り組むことだと思います。
捨て科目は無いほうが良い
教養試験では、学習経験の無い科目で、捨て科目を作る傾向があります。しかし、物理でも化学でも、過去問を解いてみると、高校教科書レベルの初歩的な公式や原理をあてはめるだけの、ごく単純な問題が多いことに気づくと思います。
教養試験で要求される算数や数学の計算能力は、中学~高校の教科書レベルがほとんどです。こうした点からも、捨て科目を作るのは実にもったいないですし、みんながやらないぶんだけ、他の受験生に差をつけやすいチャンスでもあります。
やはり公務員試験は採用試験ですから、毎年出てくる必要な法則や公式というのも、一定の範囲に収まっています。一般知識は、なるべく広く浅く、数多くの科目を過去問をベースに頻出項目をさらっていくことで、独学でも十分に対応できます。
教養試験(基礎能力試験)を独学でやるなら
教養試験(基礎能力試験)は、行政系・事務系、理系公務員(技術職)、福祉系・心理系など、どの区分の方も、同じ試験勉強で対応できます。
大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)は、区分(職種)を問わず、共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(大卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)をおすすめします。