教採の勉強は何から始めるべき?受験先・併願先を決めよう!

今回は、「教員採用試験の勉強は、何から始めるべきか?」を取り上げます。

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教採の受験先・併願先を決めよう

教員採用試験を目指すなら、まず、受験先および併願先の自治体を決めましょう。

教員採用試験(教採)は、都道府県および政令指定都市(政令市)に実施する権限があります。その試験内容(試験種目、試験形式、出題科目、科目別出題数・出題比率、配点、試験時間など)は、自治体によって違います。

(【参考】政令市は、全ての自治体が単独で教採を実施するとは限らず、都道府県と政令市が、合同で一括して行うところもあります。「どこに出願すべきか」という、確認の意味も含めて、受験先・併願先を決めましょう)

一般的に、教採は、自治体によって、試験内容が大きく異なります。例えば、出題形式1つとっても、択一式か記述式か、あるいは、択一式でも、5肢択一か4肢択一か、などの違いがあります。

また、出題される試験範囲も、自治体によって違います。例えば、一般教養の出題が無い自治体があります。また、小学校全科でも、全教科を課す自治体は、全国の半数も満たず、5教科しか課さない自治体も、いくつかあります。

こうした違いは、筆記試験だけとは限らず、個別面接を行わず集団面接を行う自治体があるなど、採用試験全体の違いを見ていく必要があります。課されない内容の対策を行うことなく、志望先に合った内容に絞り込んだ、効率的な試験対策が必要です。

もちろん、年度によって、試験内容を変更する自治体もあります。新たに課される内容に沿った試験対策が、必要な場合もあります。その一方、受験年度の受験案内(募集要項)の発表までは、直近の試験内容を踏まえた、効率的な試験対策が必要です。

どの自治体の教採でも、必要な試験対策はしっかり行う一方、課されない内容は無駄に取り組むことが無いよう、受験先・併願先の自治体を決めておきましょう。

試験内容を確認するには

教員採用試験で、受験先・併願先の決定が最重要だと分かったところで、それぞれの試験日程や試験内容を確認するには、各自治体や教育委員会の公式サイトで確認しましょう。

(【参考】教育委員会は、教育に関する事務を執行するため、自治体ごとに設置された行政委員会です。各自治体における、教員採用試験の実施機関でもあります)

なお、ご自身が受験する年度の受験案内(募集要項)の発表を待っているのは、十分な試験勉強に対して、時期的に遅すぎます。教員を目指そうと思ったら、まずは公式サイトで、直近の実施内容(試験日程、試験内容)を参考にしましょう。

教員を目指すなら、まずは直近の試験情報を参考に、試験勉強を早めに先行させておき、受験年度の受験案内が告知されたら、即座にしっかり確認して、試験内容の変更点などあれば、必ず試験勉強に反映させましょう。

併願で試験勉強の負担を増やさないように

教員採用試験は、日程さえ被らないなら、いくつでも併願できます。ここでは、1次試験だけでなく、2次試験以降の日程も踏まえて、なるべく被らない自治体同士の併願が望ましいといえます。

教採の場合は、1次試験から2次試験までの間隔が、あまり無い自治体があります。早めに2次対策を行うという意味でも、2次試験以降の日程もしっかり確認しておきましょう。

さらに注意したいのは、試験内容が違いすぎる併願は、試験勉強の負担が増える点です。第一志望の試験内容を軸にしつつ、併願先は試験内容ができるだけ重なる(試験勉強の負担が増えない)自治体を選ぶようにしましょう。

教採の過去問分析をしよう

教採で受験先・併願先をいくつか決めたら、過去問を分析します。実際に解くことで、自治体別に、科目別出題数、各科目の頻出項目、問題の形式や傾向、どういう問い方をしているかといった、出題の癖をつかみます。

この過去問分析は、教採対策の前段階であり、自治体ごとの傾向を掴む分析作業です。現時点では、問題が解けた・解けなかったは、気にする必要はありません。もちろん、試験勉強に入ったら、本格的な過去問演習を、別途しっかり行います。

過去問分析は、自治体ごとに3~5年程度を目安に解いてみると、試験問題の違いや、それぞれに固有の癖が実感できると思います。もちろん、試験時間、問題数・問題量、志願書に書くべき内容なども、自治体別に確認しておくと、有利に対策できます。

また、過去問を本格的な試験勉強の前に解いてみることで、スタートライン時点での理解度を測り、どの科目の何が足りていないか、何を重点的に取り組むべきかといった、現時点での実力に見合った、自分だけの学習計画を作成することができます。

教採において過去問は、本格的な試験勉強に入ったら、最終的には10年分はこなすべきです。その前に、過去問分析の現段階でも、10年分を見ておいて良いと思いますが、時間的な余裕が無ければ、3~5年分でもかまわないと思います。

全国的な頻出傾向も確認を

同じ自治体で、設問の仕方が違っていても、毎年のように同じ項目から出ている問題はありませんか?あるいは、志望先の自治体で頻出項目の問題が、数年後に別の自治体で同じ項目から出ていませんか?こうした頻出項目を見逃さず、必ず重点的に勉強しましょう。

過去問分析の後で、本格的な試験勉強を始めたとき、志望先の自治体の過去問演習はもちろんですが、受験予定の自治体の頻出項目について、受験しない自治体の過去問からも、なるべく幅広く取り組んでおくと、頻繁に出題される問題の対策に有効です。

これとは逆に、過去問分析においては、まるで見かけなかった項目はありませんか?「よく出る」頻出分野と同時に、「ほとんど出ない」分野についても確認しましょう。そして、何を優先すべきかだけでなく、後回しでよい分野・項目も検討しましょう。

教採の過去問分析に役立つ教材は

教採の過去問分析に役立つといえば、協同出版の教員採用試験「過去問」シリーズが、市販の教材で唯一、自治体別に過去問を網羅して収録した教材です。自治体別に、「一般教養」「教職教養」「専門教養」「論作文・面接」に分かれて発売されます。

この「協同出版 教員採用試験「過去問」シリーズ」は、直近数年分の試験問題全問と解答・解説を掲載した過去問題集です。過去問分析や本格的な過去問演習に至るまで、全ての受験生に必須の教材として、必ず入手することをおすすめします。

その一方、協同出版の「全国まるごと過去問題集」は、「一般教養」「教職教養」「専門教養」「論作文・面接」に分かれて、直近年度(1年分)の全国の過去問を網羅した過去問演習書です。

この「協同出版 全国まるごと過去問題集」は、志望先の頻出分野・項目について、全国的に幅広く攻略するのに最適な教材です。先ほどの「協同出版 教員採用試験「過去問」シリーズ」と同じく、ぜひとも入手してこなしておきたい過去問演習書です。

(どちらの問題集も、専門教養については、小学校教諭、中高の国語、社会、英語、数学、理科、音楽、美術、家庭、保健体育、養護教諭、特別支援学校というラインナップが揃っています)

教採の過去問分析や過去問演習にあたっては、これら市販の定番教材を活用して、志望自治体別、および、頻出分野別の徹底攻略をおすすめします。