教員採用試験の試験種目別の勉強法

今回は、教員採用試験の勉強法について、試験種目別(筆記試験、論作文試験、人物試験、実技試験)に取り上げていきます。

教採の筆記試験の勉強法

教採の筆記試験の勉強を、何から始めたらよいかと言われれば、やはり専門教養(専門試験)から勉強すべきかと思います。多くの自治体では、専門教養の配点が高く、問題の難易度が高いことから、まとまった時間があるうちに、早期から着手すべきです。

専門と教職教養をしっかりと

その一方、教職教養も、教採に特有の試験内容ですが、校種や教科を問わず、共通して課されることが一般的です。出題範囲が広い割には、自治体ごとに頻出分野の違いがハッキリしていて、過去問研究をしっかり行うべきです。

教職教養は、教育原理、教育法規、学習指導要領など、とっつきにくい内容で、暗記すべき事柄が多い一方、ここでの知識が、論作文試験や人物試験にも使える内容になっています。これも、早めに着手して、理解度を高めていきましょう。

一般教養は効率よく

一般教養は、膨大な出題範囲に対して、出題数が少ない自治体や、そもそも一般教養を課さない自治体があります。また、自治体ごとに、頻出項目や出題の癖など、偏りが大きな分野でもあります。

このため、一般教養は、試験範囲を漏れなく完璧にやるのは、非効率すぎますし、時間的にも現実的ではありません。まずは過去問を分析し、各教科の頻出事項を抽出して、ピンポイントで効率よく、攻略することを意識しましょう。

当サイト「公務員試験ガイド」では、教員採用試験の試験対策に役立つ過去問、参考書、問題集などについては、教員採用試験の参考書で一括して取り上げています。ぜひ参考になさってください。

論作文・人物・実技試験

教員採用試験は、論作文試験や人物試験も重要です。筆記試験で8割取ろうが9割取ろうが、論作文や人物試験で失敗すると落ちてしまうのが、教採です。

論作文や人物試験が2次試験であっても、1次試験の前に着手しておくべきでしょう。早ければ年明け以降、遅くとも春先には対策を始めるべきです。教育実習がある方は、実習が始めるとほぼ何も出来なくなると考え、その前には始めておくべきです。

論作文なら、添削指導を受け、何度も手直ししてみる。人物試験なら、模擬面接や予行演習などを受ける。どちらも、第三者の指導を受ける練習の機会を、必ず設けるべきだと思います。

こうした、教採に特化した添削指導、面接対策講座、模擬授業や場面指導などの練習は、受験予備校で受けることができます。また、大学によっては、教員採用試験に特化した講座を開設していますので、こうした機会を見逃さず、有効に活用しましょう。

論作文や人物試験の対策に入るまでに、筆記試験の対策を通じて、教育観、教師観、教育課題、教育時事などへの理解を深めておくと、適切な問題意識や回答プロセスなど、論作文・人物対策が、円滑に進めやすくなります。

論作文の対策

教員採用試験の論作文試験は、きちんとした読みやすい文字で書くことや、辻褄が合わなかったり矛盾した点の無い、論理的な文章力、および、教員として適切な表現力が問われます。

もちろん、制限時間と制限字数の中で、特定の課題に答えるのですから、受験対策としての、テクニカルな能力も要求されます。また、教育関係の法令や時事問題など、豊富な知識を持っておくことも重要です。

その一方、特に教採の論作文では、教育観や教師像、教職への意欲や熱意、教育課題に対する問題意識といった、教師としてふさわしい人間性が問われます。

人物試験と実技試験

教員採用試験の人物試験は、面接試験(個別面接、集団面接)、集団討論(集団討議)、模擬授業、場面指導などが挙げられます。筆記試験の成績に関係なく、人物試験で最終合否を決める自治体もあるため、早期から十分に対策を行う必要があります。

実技試験に関しては、小学校なら、「子供たちのお手本といえるレベル」、あるいは、「先生のようになりたいと思われるレベル」、中高なら、それよりも上手ければ上手いほど良い、というのが合否の分かれ目では無いかと思います。

教採の実技試験では、個性的な癖だとか、奇抜なことは不要です。中高では、小学校よりも、専門性が求められますが、その場合でも、学校教育にふさわしい、誰からも目指してもらえるような、教科書的なお手本が望ましいといえます。