公務員試験は「早く」「正確に」書き出し、「手数」を増やそう

前回の記事(公務員試験の勉強は「繰り返し」「解く力」を身につける)では、問題が解けなかったときに、その解説を目で追うだけではなく、解説を一通り読み込んで理解したら、暗唱するなり、計算や解き方のプロセスを紙に書き出して、自分で再現すべきだと書きました。

紙に書き出す目的は、「解き方」の習得

その際、使う紙は綺麗なものである必要はありません。特に綺麗な用紙やノートがダメというわけでは無いのですが、書き出したらとっておく必要は無く、使い捨てることを前提としています。使い捨ての紙なら、チラシの裏でも良いのです。

ここでの目的は、「早く」「正確に」解く力の習得です。「きれいに」「丁寧に」行う必要はありません。自分が読めさえすれば、どんなに走り書きで汚い文字でも構いません。あらゆる意味で、本試験でその問題にあたったときに、自分ならどう解くかを再現するのです。

問題を見て、自力で解けなかった問題は、すぐに解説・解答を見ましょう。必要なら、その説明でポイント(自分は「ここ」がわからなかったから解けなかった箇所)にマーキングしておきます。解説を、十分頭に入るまで読み込みます。

そして、その場ですぐに解説・解答を閉じ、いま自分が読み込んだ解説どおりに、暗記が必要な問題の場合は先ほどのポイントを暗唱をすべきですし、計算や解法が必要な問題なら、途中のプロセスを省くこと無く、計算や解き方を紙に書き出します。

こうして、自分が本試験でどう解くか、どう書き出すかを常に意識して、「解き方」の習得をはかります。公務員試験は、1問あたり数分で解く必要がある試験です。実際の試験問題の余白に、早く書き殴って解答に至る練習が必須だといえます。

自力で解くことを徹底し、手数を増やす

問題を読んで解法が浮かばない問題は、何分経っても解けないと思います。それは、その問題に対する解法の「引き出し」が、頭の中に無いからです。公務員試験では、問題を読んで解法が浮かばなければ、サッと次の問題に臨むことも肝要です。

日常の試験勉強では、あらゆる問題に対する解法、つまり、解き方のプロセスの「引き出し」あるいは「手数(てかず)」を1つでも多く増やすことが目的です。

本試験なら、いったん諦めて解けそうな問題を一通り終えた後、視点を変えて、もう一度考え直すことも必要です。それまでの普段の試験勉強では、解法が浮かばない問題は、長くて3分考えても浮かばないようなら、サッと解説・解答を読みましょう。

ここで解説・解答は先述通り、自分の頭に入るまで、十分にじっくりと読み込みます。必要ならマーキングも行います。そのうえで、いったんこれを閉じて、自力で解答を導けるまで、何度でも書き出します。

自力で解く練習の途中で解法を忘れた場合は、解説の読み込み不足が原因です。この場合は、いったん解説・解答に戻って再度しっかり頭に叩き入れ、やはりこれを閉じた上で、自力で解く練習を最初からやり直します。

こうして、最後まで自分の力だけで解答を算出できるまで、とことん繰り返します。1冊の教材でこれを1回通してやりきったら、2回め、3回め、、、と繰り返します。最初は非常にしんどいはずですが、繰り返すうちに、自分の手数が増えてる=出来るようになったという手応えが実感できるはずです。

毎年一定の人材を安定的に確保することが目的の公務員試験では、試験範囲が明確な専門試験や知識分野(一般知識)はもちろん、判断推理や数的推理のような科目であっても、要求される解き方(解法)は、一定の範囲から出ることがわかっています。

このため、本試験までの限られた時間の中で、少しでもたくさんの解き方の手数を増やすことが、公務員試験を合格するために欠かせない試験勉強だといえます。