東京都3類

東京都3類は、東京都の高卒程度の採用試験です。最新の試験案内(募集要項)は、平成29年6月1日付で東京都の人事委員会から公開されました。

平成29年度受験の方はもちろんですが、平成30年度の受験を目指す方も、30年度の試験内容が公開されるまでは、29年度の試験内容に基づいて試験勉強に取り組み、30年度の試験内容が公開されたら、もしも変更点があれば、試験勉強に反映させると良いでしょう。

ここで、東京都3類の平成29年度の試験内容を取り上げていきます。

一次試験日は9月10日(日)。これは東京都特別区と同日実施で、道府県・政令指定都市の高卒程度試験(9/24(日))とは別日程でした。このため、東京都と特別区は併願できません。1次試験の合格発表は10月6日(金曜日)。

募集区分は事務、土木、建築、機械、電気でした。

1次試験は、教養試験(択一式/全ての区分で共通問題)が全ての受験者に課され、事務区分のみ作文試験、その他の区分は区分ごとに異なる専門試験が課されます。

東京都3類の教養試験

教養試験は45問全問必須解答で2時間。内訳は以下のように告知されています。

  • 知能分野(一般知能)28問:文章理解、英文理解(文章理解の英文のことです)、判断推理、数的処理(数的推理のことです)、資料解釈、空間概念(判断推理に含まれます)
  • 知識分野(一般知識)17問:生活常識(人文科学の国語、社会科学の社会と時事問題で対応出来ます)、人文科学系(歴史、地理)、社会科学系(政治、経済)、自然科学系(物理、化学、生物、地学)

実際の科目別出題数は以下の通り予想されます。

知能分野(一般知能)28問
数的推理、判断推理→判断推理7(空間概念を含む)、数的推理8の合計15問。
文章理解→英文4、現代文4、古文0の合計8問。
資料解釈→5問。
知識分野(一般知識)17問
生活常識→3問。
社会科学(時事含む)→政治2、経済2合計4問。
人文科学→日本史2、世界史2、地理2の合計6問。
自然科学→生物1、化学1、物理1、地学1の合計4問。

東京都3類の教養試験は、一般的な高卒程度の地方公務員試験に比べて知能分野のウェイトが高く、資料解釈も多めです。文学・芸術、倫理、数学が出ませんが、社会や国語は「生活常識」に含まれます。

生活常識は、ことわざ・慣用句の意味、敬語の使い方、わが国の選挙制度(選挙の原則、非拘束名簿式比例代表制、選挙運動等)、環境に配慮した生活(エコマーク、3つのR、環境家計簿等)の正しい説明を選ばせるなど、国語、社会、時事問題から出ています。

高卒程度の公務員試験では、教養試験(基礎能力試験)は区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(高卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に高卒公務員・教養試験(基礎能力試験)の参考書をおすすめします。

東京都3類の作文試験(事務)

作文試験は1時間20分。課題に対して記述する課題式作文で、600字以上1000字程度です(1題必須解答)。事務区分のみ課されます。平成28年度に出された課題は以下の通りでした。

東京の魅力を発信するために私がやってみたいこと

このほか、「私が都民のために努力したいこと」(平成26年度)、「東京都職員として生かしたい私の長所」(平成22年度)など、自分がいかに東京都に貢献できるかを問う課題が頻出です。

東京都3類の作文試験対策は、東京都/特別区/道府県庁の作文試験(高卒程度)が参考になります。

東京都3類の専門試験(事務以外)

専門試験は、事務区分以外の区分で課されます。区分ごとに異なる試験問題ですが、どの区分でも記述式・5問中3問選択解答で1時間30分です。区分ごとの出題範囲は以下の通り告知されています。

  • 土木:数学、工業技術基礎、情報技術基礎、土木基礎力学、測量、土木施工、土木構造設計、社会基盤工学
  • 建築:数学、工業技術基礎、情報技術基礎、建築構造、建築構造設計、建築計画、建築施工、建築法規
  • 機械:数学、物理、工業技術基礎、情報技術基礎、機械設計、機械工作、原動機、工業管理技術、生産システム技術
  • 電気:数学、物理、工業技術基礎、情報技術基礎、電気基礎、電気機器、電力技術、電子技術

東京都3類の専門試験は、どの区分も、図表を交えた文章題が多く、計算問題や語句の説明問題、適切な語句を選ばせる空欄補充問題などが中心です。高卒程度の問題であり、それぞれの専門分野における高校での学習内容をしっかり勉強すれば、独学でも十分解ける問題です。

東京都3類の一次試験後の日程

一次試験の合格者は、すべての試験の成績を合わせた総合成績で決定されます。ただし、1つでも一定基準に達しない科目があれば、他の科目の成績に関係なく不合格となります。また、教養試験の成績が一定基準に達しない場合も、作文試験や専門試験が採点されないと告知されています(つまり不合格)。

試験問題は、著作権の関係で公開できない部分を除けば、試験実施後3年間、東京都職員採用公式サイトで公開されます。その際、教養試験の正答も併せて公開されます。

2次試験は全区分共通で、10月18日(水曜日)から10月20日(金曜日)までの間で指定された1日です。口述試験(個別面接)が実施されます。2次試験の成績が一定基準に満たない方は、1次試験の成績が上位であっても不合格となります。

最終合格の発表は、11月7日(火曜日)です。

地方初級(道府県、政令指定都市)、東京都3類、東京都特別区3類、市役所高卒、国家一般職高卒を志望する方で、参考書を一通り知りたい方には、地方初級・市役所高卒・国家一般職高卒の参考書をおすすめします。