東京消防庁3類

東京消防庁3類は、東京消防庁の高卒程度の消防官採用試験です。東京消防庁の採用試験は、大卒程度の1類は年2回実施ですが、高卒程度の3類は1回のみです。

東京消防庁3類の採用試験は以下の通りです。

  • 1次試験:教養試験(択一式)、作文試験、適性検査
  • 2次試験:身体検査・体力検査、口述試験(個人面接)

なお、教養試験が一定点に達しない方は、作文試験が採点されないと告知されています。これは、事実上の不合格の基準点(いわゆる足切り点)といえます。

教養試験は45題・全問解答制で、出題分野は以下の通り告知されています。ただし試験案内(募集要項)では「おおむね次の通り」とあり、これ以外の科目も毎年出ています。

知能分野(一般知能)
文章理解、英文理解、判断推理、空間概念、数的処理、資料解釈
知識分野(一般知識)
人文科学(国語、歴史、地理)
社会科学(法学、政治、経済、社会事情)
自然科学(数学、物理、化学、生物)

英文理解とは文章理解の英文問題、数的処理とは数的推理のことです。また、東京消防庁では判断推理・数的推理の空間分野を独立した科目「空間概念」として扱っています。これらは、一般的な高卒公務員の文章理解、数的処理(判断推理、数的推理、図形、空間)の試験勉強で対応できます。

教養試験の科目別出題数の傾向は、概ね以下の通りです。知能分野(一般知能)24題、知識分野(一般知識)21題となっています。

  • 数的推理、判断推理13:判断推理10、数的推理3
  • 文章理解7(現代文4、英文3、古文0)
  • 資料解釈4
  • 人文科学7(日本史1、世界史1、地理1、文学・芸術1、国語2、英語1)
  • 社会科学4(法学・政治1、経済1、社会事情2)
  • 自然科学10(数学3、物理2、化学2、生物3)

東京消防庁3類は、自然科学の割合が高く、資料解釈も多めである傾向があります。独自問題とはいえ、出題範囲や難易度は一般的な高卒公務員と同等といえます。

東京消防庁3類の教養試験(基礎能力試験)についても、高卒程度公務員の試験勉強で対応できます。一般的な高卒公務員の教材を使えば十分通用します。

高卒程度の公務員試験では、教養試験(基礎能力試験)は区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(高卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に高卒公務員・教養試験(基礎能力試験)の参考書をおすすめします。

作文試験は1題・1時間30分で800~1200文字程度と告知されています。適性検査は事務系公務員で課す適性試験ではなく、クレぺリン検査と性格検査が課されています。

高卒程度の消防官採用試験の作文対策については、消防官の作文試験(高卒程度)で実際の試験問題を掲載しつつ、傾向と対策を取り上げています。

教養試験が一定点に達しなかった方は、作文試験を採点しないと告知しており、事実上の足切り基準点が設定されています。

2次試験の身体・体力検査は、「消防官として職務遂行に必要な身体(四肢間接機能を含む)、体力及び健康度(尿検査、胸部X線検査、心電図、血液検査を含む)を検査します。」と告知されています。

ここでは、身長・体重・胸囲・視力・聴力・肺活量などに関する身体検査と、1km走、反復横とび、上体起こし、立ち幅とび、長座体前屈、握力、腕立て伏せによる体力検査が実施されます。主な基準や内容は男女別に試験案内で告知されています。

口述試験は個人面接試験だと告知されています。個別面接といえます。

また、試験案内(募集要項)では、試験内容や合否の基準が詳しく明示されています。これらは必ずしっかりと確認しましょう。