衆議院事務局・大卒

ここでは、衆議院事務局職員の総合職/一般職(ともに大卒)の試験内容を取り上げます。1次試験は総合職、一般職大卒とも以下の通りです。試験問題自体は総合職/一般職で同じではありません。

  • 基礎能力試験・多肢選択式(120分)
  • 専門試験・多肢選択式(120分)

専門試験(多肢選択式)の出題科目は、総合職・一般職とも憲法、行政法、民法、刑法、政治学、行政学、経済学、財政学、社会政策、国際関係、英語だと告知されています。

専門試験(多肢選択式)は40問で、法律科目15(憲法5、行政法5、民法3、刑法2)、経済科目12(経済学6、財政学6)、行政科目10(政治学3、行政学2、社会政策3、国際関係2)、英語3です。

2次試験は以下の通りです。総合職/一般職とも「論文/記述式」試験とは、専門試験の記述式試験(専門記述試験)のことです。総合職は、2次試験を2回に分けて実施します。

  • 総合職→第1回:論文/記述式 3題(180分)、第2回:個別面接試験
  • 一般職大卒→論文/記述式 2題(120分)

この専門記述の出題内容は、以下の通り告知されています。総合職/一般職大卒では試験問題は異なります。

衆議院事務局職員(大卒)では3次試験まであります。3次試験は、以下の通りです。

  • 総合職→口述試験
  • 一般職大卒→個別面接試験

衆議院事務局職員は、行政権から独立した国家公務員(国家特別職)ですが、立法権に関わる事務の権限を持った事務系公務員です。

衆議院事務局・大卒の試験対策

衆議院総合職は、択一式は「国家総合職と同等かそれより易しく、国家総合職を超える難易度の問題は無い」という受験生が多いと思います。記述式は「国家総合職と同程度で、なかには細かい知識を問う」出題も見られます。

衆議院一般職は、択一式は「地方上級・国家一般職と同等」で、記述式は「東京都・国税等よりは明らかに難しく、国総ほどではない」という難易度だと思います。

記述式対策は、総合職・一般職どちらの場合も、公務員試験向けの論点集などでは不足だと思います。専門書や司法試験・法科大学院向けの基本書・判例集から基礎~標準程度の論点を整理することが必要なレベルといえます。

衆議院事務局の基礎能力試験は、基礎能力試験は40問で13問知識、27問知能です。

  • 数的処理(判断推理、数的推理、図形、空間)→数的推理10、判断推理4出ます。基礎能力試験の出題数の3割を超える最重要科目ですし、試験勉強の初めから勉強すべき科目です。
  • 文章理解→英文5、現代文5、古文1が出ます。衆議院ではやや難しいのですが、出題数が多く、しっかり勉強して取りこぼしの無いようにしたい重要科目です。
  • 資料解釈→2問出ます。コツコツ勉強すれば学習効果の高い科目ですし、ここで苦手科目のカバーを行いたいものです。
  • 社会科学(時事対策)→時事3、法律、政治、経済から1づつ出ます。衆議院でここを落とす受験生は致命傷になりかねない重要科目です。
  • 人文科学→日本史、世界史、地理、思想が1問づつ出ます。やはり文系の受験生が多いこともあって、衆議院では必ず勉強すべき分野でしょう。
  • 自然科学→生物、化学、物理から1問づつ出ます。衆議院では難問が多めですが、最低限の基礎問題は絶対取りこぼさない勉強が必要です。

基礎能力試験の目安としては、総合職は地方上級・国家一般職大卒から国家総合職の問題までしっかり取り組み、一般職は地上・国一を中心にしつつ国総の標準的な問題まで挑戦することが望ましいといえます。また、知識分野(特に自然科学)や文章理解がやや難しく、数的処理は標準的といったところだと思います。

大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)は、区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(大卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)をおすすめします。

経済学(経済原論、経済理論)は経済政策や経済成長論、国際経済(国際貿易、国際為替)からの基礎的な出題もありますが、マクロ・ミクロ経済学と経済政策をきっちりと勉強すれば対応できる内容です。なお、経済科目の3分の1程度や行政系科目の半分程度は時事的な問題が出ています。

もちろん、衆議院事務局は総合職と一般職では問題は異なります。ただし、どちらの試験も、出題科目と科目別出題数はほぼ毎年上記のような傾向で推移しています。

専門試験(択一式)においても地上/国家専門職の問題にとどまらず、総合職は国総の問題に必ず取り組み、一般職も出来れば国総まで踏み込んだほうが望ましいといえます。

専門記述試験は、総合職は明らかに高度な論述が問われる事例問題ですし、一般職も論点自体は標準的ですが公務員試験向けの教材で対応できる単純な一行問題ではありません。

専門記述試験は、総合職・一般職で試験問題や難易度は異なりますが、どちらも国家総合職レベルの記述対策に取り組むことが必要といえます。

個別面接試験は、面接試験、官庁訪問の参考書(大卒程度公務員)に取り組みます。

衆議院事務局・大卒で公開されてきた試験問題は以下の通りです。

なお、総合職では口述試験が課されます。