食品衛生監視員

理系区分(職種)の公務員試験は、今回取り上げた試験内容も含め、ほぼ同じ試験対策で対応できます。理系公務員の参考書を一通り知りたい方は、当サイトでは一括して取り上げています。→理系公務員の参考書をおすすめします。

今回は、食品衛生監視員(国家公務員である厚生労働省の食品衛生監視員)を取り上げます。

食品衛生監視員は、全国の主要な海・空港の検疫所において、輸入食品の安全監視及び指導(輸入食品監視業務)、輸入食品等に係る理化学的、微生物学的試験検査(試験検査業務)、検疫感染症の国内への侵入防止(検疫衛生業務)の業務に従事します。

食品衛生監視員の受験資格には、薬学、畜産学、水産学または農芸化学の課程の卒業(見込み)者であることが含まれています。

食品衛生監視員の試験日程・試験内容

食品衛生監視員は厚生労働省の職員ですが、専門性の高さから独立した採用試験が行われる国家公務員です。採用試験は人事院が関わっており、専門性の高い行政職員である国家専門職の1つです。

大卒程度の国家専門職の採用試験は例年、1次試験が同じ日に実施されます。このため、国税専門官、財務専門官、労働基準監督官など他の国家専門職とは併願ができません。

また、防衛省専門職員(防専)も1次試験が食品衛生監視員と重なるため、やはり併願ができません。

食品衛生監視員の試験内容および全体を4とした各試験種目の配点比率は以下の通りです。

  • 1次試験:基礎能力試験(択一式)1/4、専門試験(記述式)2/4
  • 2次試験:人物試験[個別面接※参考として性格検査を実施]1/4

基礎能力試験は40問必須解答の全問解答制で、以下のように告知されています。

  • 知能分野 27題:文章理11、判断推理8、数的推理5、資料解釈3
  • 知識分野 13題:自然・人文・社会で合わせて13(時事を含む)

なお、国家専門職(大卒)や防専の基礎能力試験は、同じ試験問題で共通の試験が課されます。

大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)は、区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(大卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)をおすすめします。

専門試験(記述式)は、次の6題から3題選択し、試験時間は1時間40分です。

  • 分析化学または食品化学のいずれか1題
  • 微生物学または毒性学のいずれか1題
  • 公衆衛生学または食品衛生学のいずれか1題

人物試験は、「人柄、対人能力などについての個別面接」と告知されています。

最終合格者は、採用候補者名簿(1年間有効)に得点順に記載されます。厚生労働省は、この名簿に記載された者の中から採用者を決定し、採用者は主に全国の主要な海・空港の検疫所で勤務することになります(最終合格者数は、辞退者数を考慮して決定されます)。

採用後は、全国各地に転勤することを原則としています。