国家総合職・国会職員の政治学
国家総合職や国会職員(衆議院事務局、国立国会図書館)の方には、「久米郁男ほか 政治学 (New Liberal Arts Selection) 有斐閣」をメインテキストとしておすすめできます。分厚い本ですが、それだけに必要事項を網羅しており、受験者に幅広く使われている定番教材です。
本書を使う場合、特に第4部はデモクラシー、投票行動、世論とメディア、選挙と政治参加、利益団体、政党など、どの章も頻出テーマを取り扱っており、重点的に読み込みましょう。また、第2部の議会、官僚制、地方中央関係も重要です。
その一方、「佐々木毅 政治学講義 東京大学出版会」をメインテキストに使う方もおられます。こちらは「久米郁男ほか 政治学 (New Liberal Arts Selection) 有斐閣
」が合わなかった方にはおすすめできますが、網羅性で若干劣ると思います。
また、「岡沢憲芙 演習ノート政治学 法学書院」は、政治学の演習書として過不足無く適度な分量の良書です。テキストをクリアした時点で、本書と過去問を使って実践的な論点整理や答案練習を行っていきましょう。
なお、政党と選挙が苦手な方には「川人貞史ほか 現代の政党と選挙 有斐閣マルマ」、政治過程論(政策決定過程、世論と投票行動、利益団体と政党、利益団体)を補強したい方には「政治過程論 有斐閣アルマ 伊藤光利
」の追加もおすすめできます。特に後者は国家総合職での出題も見られますし、政治の動態に着目した政治過程論で事実上唯一といってもいい、体系的テキストです。
ここまで、国家総合職や国会職員の政治学(記述式)対策には、メインテキストでインプットを行って演習書や過去問で論点整理・答案練習を行うことが必須といえます。あとの参考書は、頻出事項の弱点補強が必要と感じたら追加すればよいでしょう。