今回は国家総合職レベルの専門記述試験対策のうち、民法を取り上げます。今回の記事は、裁事、家裁、衆参事務局、外専、防専も該当します。
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1.川井「川井健 民法入門 有斐閣」は、民法の標準的な内容を1冊にまとめた入門書です。専門書にしては比較的読みやすい本で、独学にも向いています。初めてのテキストとして民法の全体像を知るのに最適で、これを読みながら択一対策も進められます。
2.「公務員試験対策1冊で合格シリーズ 民法 伊藤塾 弘文堂」は、公務員試験に特化したテキストです。他書よりレベル的には物足りないものの、内容に無駄がなく、初めての入門書、択一対策のインプット、典型的な基礎論点の整理におすすめできます。入門書として1が合わなかった方には、本書に替えることをおすすめします。
3.「内田貴 民法 東京大学出版会」は、司法試験の定番参考書としても知られている専門書です。特に公務員試験では、1=総則・物権総論が幅広く使われています。本格的なメイン用途の基本書としては、4分冊ともおすすめできる良書といえます。国総・裁事・家裁では本書がひとつの目安といえます。
4.「平野裕之 基礎コース民法 新世社」も、公務員試験に必要な分量を適度に押さえており、とても網羅性の高い基本書です。やや独特な記述が難点ですが、他書が合わなかった方にはメインの参考書としておすすめできます。
5.「伊藤真試験対策講座 民法 伊藤塾 弘文堂」(シケタイ)は、2.「公務員試験対策1冊で合格シリーズ」と同じく伊藤塾が編集して弘文堂が出している参考書です。司法試験の教材だけに公務員試験には不要な部分もあるものの、学説的な偏りがなく、とても読みやすい基本書です。他の専門書が合わなかった方におすすめできるメイン用途の参考書です。
6.「C-book 民法 LEC」も大手予備校LECが出している司法試験向けのテキストです。やはり受験予備校のテキストとして標準的な内容に徹しており、公務員試験にはオーバーワークとはいえ、択一・記述ともに使えるメインの参考書としておすすめできる良書です。
7.「民法判例百選」(2分冊)は判例集の定番です。重要判例は徹底的に理解しましょう。
民法の参考書としては、以上のものが挙げられます。1.または2.は民法の全体像をつかむ入門書や択一対策に使える導入本としておすすめできます。3~6はメインの参考書に使えるテキストであり、どれか1シリーズ使うことをおすすめします。7は判例集として必ず用意すべきです。
- 川井健 民法入門 有斐閣
- 公務員試験対策1冊で合格シリーズ 民法 伊藤塾 弘文堂
(1=総則・物権、2=債権・親族・相続)
- 内田貴 民法 東京大学出版会
(1=総則・物権総論、2=債権各論、3=債権総論・担保物権、4=親族・相続)
- 平野裕之 基礎コース民法 新世社
(1=総則・物権、2=債権法)
- 伊藤真試験対策講座 民法 伊藤塾 弘文堂
(民法総則、物権法、債権総論、債権各論、親族・相続)
- C-book 民法 LEC
(1=総則、2=物権、3=債権総論、4=債権各論、5=親族・相続)
- 民法判例百選
(1、2の2分冊)