国際法は、以下の公務員試験で出題されます。これ以外の公務員試験では勉強する必要の無い科目です。
- 国総・法律区分→択一3問、記述(ともに選択問題)
- 防衛省専門職・国際関係区分→択一30題中2問(必須解答)
- 外務専門職→記述式のみ(必須解答)
- 国立国会図書館・総合職/一般職大卒とも記述のみ(選択科目)
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国際法の参考書:入門書
初めて国際法を学ぶ方の入門書としては「松井芳郎ほか 国際法 有斐閣Sシリーズ」をおすすめします。この本が合わなかった方には、より公務員試験に重点を置いた「公務員試験対策1冊で合格シリーズ 国際法 伊藤塾 弘文堂
」に替えることをおすすめします。
このほか、実は当サイト経由では、「国際法 有斐閣アルマ」もよく売れています。複数の先生方による共著ですし、記述がやや簡潔で、各先生の癖の違いがあるものの、網羅性の高さと内容の新しさから、先に挙げた入門書が合わなかった方には、十分おすすめできる良書だと思います。
これらの入門書は、記述式対策の論点整理も進めやすくなります。もちろん、入門書はどれか1冊で構いません。「国際法」という科目の全体像を俯瞰的に理解したり、基本的な論点を知る上で、入門書はやっておいて損は無いと思います。
国際法の参考書:択一対策の過去問集
択一式試験がある方は、国際法はスー過去、「解きまくり」、DATA問とも出ておらず、過去問集として「国家総合職 専門試験 過去問500」を新年度版だけでなく、過去の年度版も中古で入手して取り組むことをおすすめします。
なお、「公務員試験 国家専門職大卒 教養・専門試験 過去問500」は、防衛省専門職員の専門試験は非対応です。また、防専国際法の択一対策も、やはり「国家総合職 専門試験 過去問500」で代用することをおすすめします。
国際法の択一対策としては、先述の入門書と過去問500を併用していけば十分だと思います。防専は過去問が公開されていないため、国家総合職の過去問を参考にしましょう。
国際法の基本書:記述対策
記述式試験が課される方は基本書として、杉原高嶺・水上千之など各氏の共著「杉原高嶺ほか 現代国際法講義 有斐閣」をおすすめします。公務員試験や各種資格試験、大学の教科書として幅広く使われる定番中の定番です。
これが合わなかった方には、「プラクティス国際法講義 信山社」をおすすめします。外専の試験委員・柳原正治氏が関わっており、司法試験改革や法科大学院の導入に伴って登場した人気参考書です。
先に挙げた2冊、「杉原高嶺ほか 現代国際法講義 有斐閣」や「プラクティス国際法講義 信山社
」は、ともに500ページ前後の基本書です。多くの大学で教科書として採用され、スタンダードな内容は押さえています。ただし、内容は若干古く、外務省専門職員や大学院受験を考えている方には、後述する2冊をおすすめします。
そこで、近年非常に高い人気を誇る基本書として、「岩沢雄司 国際法 東京大学出版会」または「杉原高嶺 国際法学講義 有斐閣」もおすすめできます。外務省専門職員や国家総合職で国際法の記述式対策なら、これらのどちらか1冊までやっておくと、試験範囲の漏れは無いと思います。
「岩沢雄司 国際法 東京大学出版会」の著者・岩沢氏は、国際司法裁判所裁判官の経歴をお持ちの東大名誉教授です。850ページの大著ですが、国際法の最新動向をふんだんに取り入れ、初学者から上級レベルまで、体系的にまとめた新たな定番テキストといえます。
「杉原高嶺 国際法学講義 有斐閣」も、北大/京大名誉教授の著者により、700ページを超えるボリュームで、同種の基本書の中では内容が新しく、やはり初歩から上級レベルまで達する体系書として十分おすすめできます。
ここまで挙げた4冊の基本書なら、基本~標準的な内容はしっかり押さえられますし、応用的な問題や上級レベルの課題まで考えるなら、「岩沢雄司 国際法 東京大学出版会」または「杉原高嶺 国際法学講義 有斐閣」をおすすめします。大事なことは、どれも中途半端になるのではなく、基本書は「これ」と決めた1冊をしっかりと何度も読み込んで理解することだと思います。
このほか、判例集として「国際法判例百選 有斐閣」は絶対こなすべき必須教材ですし、記述式試験の演習書として「演習プラクティス国際法 信山社
」をおすすめします。プラクティスは誤植が多いものの、国家公務員・法科大学院・司法試験の受験では高い人気を誇る定番教材です。