国立大学法人等職員

今回は、国立大学法人等職員の採用試験を取り上げます。

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国立大学法人等職員は、「等」とある通り、国立大学法人(東京大学など)だけでなく、大学共同利用機関法人(国立極地研究所など)、独立行政法人(東京国立博物館など)、国立高等専門学校機構(東京工業高等専門学校など)、特殊な学校法人(放送大学学園など)の職員です。

国立大学法人等は、税金による運営で公共的な役割を果たす公務員の長所と、独立した法人格を持ち、各法人が独自に柔軟な経営を行う民間企業の長所を併せ持った独自の制度です。

国立大学法人等職員は、公務員では無く、法人格を持つ各機関の職員となります。しかし、健康保険や年金保険は文部科学省共済組合に加入し、産休・育休、育児短時間勤務制度、各種休暇・休業などの福利厚生の面では、国家公務員に準じた待遇が受けられます。

国立大学法人等職員の試験区分・採用地区

国立大学法人等職員の採用試験における試験区分(職種)は以下の通りです。実際に募集される職種は、採用の必要に応じて決定されます。

  • 事務系:事務、図書
  • 技術系:電気、機械、土木、建築、化学、物理、電子・情報、資源工学、農学、林学、生物・生命科学

国立大学法人等職員の採用試験は、北海道、東北、関東甲信越、東海・北陸、近畿、中国・四国、九州の各地区に設置された採用試験実施委員会が実施します。

国立大学法人等職員の採用試験は、採用を希望する法人が所在する地区で受験する必要があります。ある地区の採用試験に合格しても、他の地区で採用されることが無い点に注意しましょう。

ただし、図書および技術系については、他地区の欠員状況により採用になる場合もあります。

国立大学法人等職員の試験内容

国立大学法人等職員の1次試験は全国共通の教養試験です。先述通り、自分が採用を希望する法人がある地区で受験しなければなりません。

大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)は、区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(大卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)をおすすめします。

1次試験の合格発表の前後に、各地区ごとに、採用予定がある機関の合同業務説明会や、機関(職場)訪問などが実施されます。これらは積極的に参加し、各機関の情報を得るようにしてください。

2次試験は各法人ごとに実施されます。面接試験が中心で、法人によってさまざまな形式が実施されます(個別面接、集団面接、集団討論など)。また、論文試験を課す機関もあります。

なお、事務系の図書区分や、技術系の各区分では、2次試験において、専門性や専門的知識についての考査が行われます。

2次試験は日程が重ならない限り、複数受験が可能です。ただし、採用の内定に応諾できる機関は1つだけです。複数の機関の内定を応諾することは、すべての内定が取り消される可能性もあるため注意しましょう。

国立大学法人等職員採用試験攻略ブック

国立大学法人等職員の参考書といえば、「国立大学法人等職員採用試験攻略ブック 実務教育出版」が定番中の定番です。本書は、実務教育出版「受験ジャーナル」の別冊版の1つとして、毎年12月初めに新年度版が出版されます。国立大学法人等職員に特化した教材の中で、最も信頼できる良書といえます。

国立大学法人等職員採用試験攻略ブック 実務教育出版」は毎年新年度版が出ますが、概ね300ページを超えるボリュームの中で、実際の全国各地の様々な部署の現役職員へのインタビュー、申込から採用までの流れ、一次試験(統一試験)の試験内容や二次試験(機関別)の情報、教養試験の過去問、予想問題で構成されています。

国立大学法人等職員を目指すなら本書だけでは十分では無く、教養試験の目安としては、地上・国一・市役所大卒程度の試験勉強が必要です。また、予想問題は問題ごとにバラツキがあるかもしれません。

しかし、「国立大学法人等職員採用試験攻略ブック 実務教育出版」は、国立大学法人等職員の現役職員の仕事内容や過去問、試験の流れ、機関別に課される二次試験の情報は、他書では得られない非常に貴重な情報です。国立大学法人等職員に特化した参考書として、どんな試験でどれだけ出るかを知りたい方にとっては、絶対必須の定番教材といえます。