航空管制官

※航空管制官の参考書については、航空管制官の参考書で一括して更新しています。

航空管制官は平成27年度から採用試験を改正し、以下の点を変更しています。市販の教材や過去問を利用する際は、旧制度の内容も試験対策用に有用に使えるものですが、変更点があることには留意しましょう。

  • 適性試験を二部構成に分ける
  • 人物試験の試験時間をより多く取り、面接カードの様式を変更する
  • 3次試験を実施する

この記事(ページ)の目次です。

航空管制官の試験内容

航空管制官においても、試験内容および全体を12とした配点比率が以下の通り告知されています。国土交通省航空局の公式サイトでは、航空管制官の試験のレベルは国家一般職・大卒程度だと告知されています。

1次試験は以下の通りです。

基礎能力試験(多肢選択式) 40題 2時間20分 2/12
知能分野 27題→文章理解 11題、判断推理 8題、数的推理(一部の国家専門職や防専では「数的処理」)5題、資料解釈 3題
知識分野 13題→自然・人文・社会(時事を含む) 13題
適性試験1部(多肢選択式) 60題 45分(記憶20分、空間25分)2/12
記憶についての検査→示された図や記号、数値などを記憶するもの(15題)20分
空間関係についての検査→空間的な方向や移動などの状態を判断するもの(45題)25分
外国語試験(聞き取り)1/12
英語のヒアリング
外国語試験(多肢選択式)30題 2時間 3/12
英文解釈、和文英訳、英文法などについて

また、1次試験の合否は、基礎能力試験、適性試験1部、外国語試験(多肢選択式)だけで判断します。外国語試験(聞き取り)は、2次試験の合否決定に使われます。

2次試験は以下の通りです。

外国語試験(面接)1/12
英会話
人物試験(参考に性格検査実施) 3/12
個別面接

3次試験は以下の通りです。

  • 適性試験2部(航空管制官として必要な記憶力、空間把握力についての航空管制業務シミュレーションによる試験)
  • 身体検査
  • 身体測定

3次試験は配点比率が無く、それぞれの試験種目で合否の判定を行います。

航空管制官の傾向と対策

航空管制官では、基礎能力試験、適性試験、英語試験に並行して取り組みましょう。合格者の多くは半年~1年程度の試験勉強だと思います。もちろん、語学や高校レベルの学力に自信のある方は、問題演習を中心にした効率学習で、数ヶ月未満で合格する方も見られます。

基礎能力試験は以下の通り、航空管制官を含む国家専門職では共通問題が導入されています。

基礎能力試験(合計40問)は、同日実施の国家専門職(大卒)(国税専門官、財務専門官、労働基準監督官など)の間では、全く同じ共通問題です。国家一般職大卒・地方上級レベルの標準的な大卒公務員の試験勉強で対応できます。

  • 知能分野 27題→文章理解 11題、判断推理 8題、数的推理(一部の国家専門職や防専では「数的処理」)5題、資料解釈 3題
  • 知識分野 13題→自然・人文・社会(時事を含む) 13題
  • 数的処理(判断推理、数的推理、図形、空間)→判断推理8、数的推理5出ます。この2科目だけで基礎能力試験の3割以上を占め、真っ先に取り組むべき最重要科目です。
  • なお、国家専門職の一部や防専では、数的推理を「数的処理」と呼びます。
  • 文章理解→現代文6、英文5で古文は出ません。やはり出題数が多く、必ず勉強すべき科目です。
  • 資料解釈→3問出ます。コツコツとしっかり取り組むことで学習効果の高い科目です。
  • 社会科学(時事対策を含む)→時事が3問、法律、政治、経済が各1問出ます。一般知識(知識分野)では最もウェイトの高い重要分野です。
  • 人文科学→日本史、世界史、地理、倫理思想が各1問出ます。ここを落とす受験生は少なく、やはり勉強すべき分野といえます。
  • 自然科学→生物(または地学)、物理、化学が各1問出ます。優先度は低いものの、典型問題・基礎問題だけでも勉強すると点が取りやすい分野です。

大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)は、区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(大卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)をおすすめします。

航空管制官に特化した参考書は、適性試験や外国語試験(英語試験)では市販されていません。これらの試験対策に、人事院への過去問の請求をおすすめします。まずは過去問を徹底攻略することで、適性試験も英語試験も十分乗り切れます。

また、アビエィション社は2015年に営業終了を発表し、市販の教材で航空管制官に特化した過去問集などを手がけるのはイカロス出版のみとなっています。イカロス出版は「航空管制官 採用試験問題集」を市販しており、非常に高額な本ですが航空管制官の過去問を入手できる貴重な必須教材としておすすめします(→航空管制官の過去問の請求方法)。

航空管制官の適性試験は、公務員試験の世界では非常に珍しい独特の試験です。当サイトでは航空管制官:適性試験1部航空管制官の適性試験2部(航空管制業務シミュレーション)で対応しています。

英語試験に関しては、航空管制官の外国語試験(英語試験)で対応しています。過去問を徹底して研究するとともに、文法と語彙を参考書・問題集で補充していきましょう。

人物試験は個別面接です。ここで落とされることの無いようにきっちりと用意しましょう。面接試験、官庁訪問の参考書(大卒程度公務員)で参考書を読み、想定問答やシミュレーションなど準備をしっかり行います。

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