航空保安大学校は、大阪府泉佐野市に本校がある国土交通省の省庁大学校です。高卒程度の本科(航空情報科、航空電子科)と大卒程度の航空管制官基礎研修課程が置かれています。
本科の学生も航空管制官の研修生も国土交通省の職員として扱われ、一般行政職に準じた給与と諸手当が支給されます。研修期間は、本科は2年、航空管制官の研修生は4月採用者は1年(12月採用者は8ヶ月)です。
大卒程度の航空管制官は、航空管制官採用試験が実施されます(→航空管制官で説明します)。ここでは、高卒程度の本科の試験内容を取り上げます。
航空保安大学校・本科(航空情報科、航空電子科)の試験内容と全体を4とした各科目の配点比率は以下の通りです。*は合否の判定のみを行います。
- 1次試験:基礎能力試験(択一式)1/4、学科試験(択一式)2/4
- 2次試験:人物試験(個別面接、性格検査)1/4、身体検査*、身体測定
基礎能力試験(教養試験)は40題で、以下の出題分野と出題数が告知されています。
- 知能分野 20問:文章理解(7)、課題処理(判断推理のことです)(7)、数的処理(数的推理のことです)(4)、資料解釈(2)
- 知識分野 20問:自然科学(5)、人文科学(9)、社会科学(6)
実際の科目別出題数は、例年以下の傾向が見られます。
※国家一般職高卒/税務職員/国家専門職(高卒)は、日程が違えば問題自体は異なるものの、同日実施の試験では共通問題ですし、どの試験も科目別出題数は同じ傾向を示します。
- 知能分野(一般知能)20題:文章理解7(現代文4、英文2、古文1)、判断推理7、数的推理4、資料解釈2
- 知識分野(一般知識)20題:自然科学5(数学、物理、化学、生物、地学が各1)、人文科学9(日本史1、世界史2、地理2、思想・倫理1、国語2、英語1)、社会科学6(政治2、経済2、社会2)
航空保安大学校の教養試験(基礎能力試験)についても、高卒程度公務員の試験勉強で対応できます。一般的な高卒公務員の教材を使えば十分通用します。
高卒程度の公務員試験では、教養試験(基礎能力試験)は区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(高卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に高卒公務員・教養試験(基礎能力試験)の参考書をおすすめします。
航空情報科の学科試験は26題で、数学 13題、英語 13題だと告知されています。
航空電子科の学科試験は26題で、数学 13題、物理 13題だと告知されています。
【注意】学科試験では各科目ごとに出題範囲が指定されています。受験案内(募集要項)で必ず確認しましょう。
航空保安大学校・本科では、色覚に異常のある方(両学科とも)は不合格となり、聴力に関しても合否の基準が明示されています(航空情報科)。
航空保安大学校の受験案内(募集要項)では、採用試験の詳細な内容や合否基準が詳しく告知されます。必ずしっかりと確認しましょう。