官庁訪問(国家総合職)の自作ノート/想定問答集/メモの活用法

国家総合職において、自作ノートを作って想定問答を整理し、実際の質疑応答でもメモを取る必要性と注意点については、官庁訪問(国家総合職)の面接カード(訪問カード、ES)でも触れています。

それに加えて今回の記事では、国家総合職の官庁訪問を対象に、自作ノート、想定問答集、メモの活用法と、それを本番の面接に活かす考え方を説明します。

官庁訪問対策の自作ノートを作ろう

官庁訪問には官庁訪問に特化した、専用の自作ノートを作りましょう。手書きでもパソコンやスマホなどでも構いません。頭の中を整理するのにも有用ですし、自分なりに考えたポイントに絞って、効率的にまとめることを意識してください。

自作ノートには、予想できる質問事項とそれに対する回答をまとめた想定問答集や、面接カードに書く内容、実際に受けた面接内容やその反省点(改善点)など、官庁訪問のやり取りに関する情報を1冊に記録します。

また、官庁訪問の受験者の中には、各省庁の一次資料や、業務説明会の配布資料を、そのまま持ち歩く方もいます。しかし、実際の官庁訪問では、どこにどんな重要項目があったかと、その都度探して見返すほどは、気持ちの余裕は無いかと思います。

こうした、志望省庁の業務内容や政策課題の資料についても、いつでもサッと見返せるように、自作ノートに簡潔かつポイントは押さえた記述で、情報を集約して書き留めておきましょう。

想定問答集を作ろう

想定問答集は、余裕のあるうちに作成しておきましょう。信頼できる先生や先輩や友人に見てもらって、フィードバックするのもおすすめです。何問でも十分ということは無く、50問でも100問でも、考えられる限り、1問づつ徹底的に検証します。

想定問答では、それぞれの問いに対して、ある答えを用意します。その答えに対して、どう突っ込まれるかもいくつか想定します。最初の答えには、相手の方も思わずこう突っ込むだろうと、むしろ誘導させるくらいの気持ちで考えるのも良いでしょう。

最初の答えに対して、どう突っ込まれるか、どう突っ込まれてほしいのか、想定されるパターンをいくつか考え、それぞれに対する回答も用意します。

なお、想定問答集は、面接カード(訪問カード、エントリーシート)対策と連動させ、一貫性のあるものにしましょう。面接カード対策については官庁訪問(国家総合職)の面接カード(訪問カード、ES)にまとめています。

「自分の軸」を持とう

想定問答でも、面接カードでも、まずは「自分の軸」を持つことが重要です。自分の軸とは、自分にどういう特性や経験があるという所から、それがどういう形で志望先の仕事に繋がるのか(貢献できるのか)まで、一貫性のある考えを持つことです。

一貫性のある自分の軸をしっかりと持っている人は、どんな質問に対しても、ブレることはありません。これをしっかり持っていれば、辻褄の合わないことや、矛盾したことが生じないからです。

自分の軸を持つということは、それだけ自分と向き合うという作業でもあります。今までの自分の活動歴や性格、人生の歩みを振り返り、それと、志望動機や採用後の自分との接点を見出す作業です。

もちろん、自分の軸自体が、社会的に妥当なものであり(常識ハズレなものではなく)、論理的に矛盾や無理の無い、志望動機や適性につなげられる、一貫性のあるものでなければなりません。

例えば、志望動機やガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を問われて、最初の回答を考えたとして、それはなぜか、どのような内容か、そこで得たこと(考えたこと、感じたこと)は何か、それは入省後どんなことに活きてくるのかまでを、一貫した流れとして考えることが重要です。

この場合、全ての受験者が、特別な人間では無いですし、特別な経験や体験をしたとは限りません。どんな事柄でも良いので、自分なりに取り組んだ事柄や頑張った経験を、先に挙げた流れに沿って、採用後の自分がどう貢献できるかを考えましょう。

想定外の質問に遭ったら

どんな想定問答集を作成しても、どうしても想定外の質問に遭遇することは、普通によくあります。また、想定した質問が来て、うまく答えたとしても、面接官から想定外の再質問、反論、逆質問が飛んでくることも数多くあります。

こうした想定外の質問に対する最大の対策は、先ほど述べた「自分の軸」を持つことです。その基本的な考え方を貫くことができれば、どんな質問に対しても、矛盾が生じることは無く、適性と人間性を評価されるはずです。

それでも、そこで失敗したと感じたら、そう思うだけで終わらせず、そのやり取りの内容を振り返って、じっくりと吟味しましょう。答えられなかった質問や反論について、何をどう修正したら良かったのか、検討して整理しましょう。

特に大事なことは、失敗した時に「どこが(何が)いけなかったのか」「(そこを)次ならどうするか(どう答えるか)」について、発言内容も当然ですが、振る舞いや心の持ちようも含めて、きちんと結論を出しておくことです。

官庁訪問では、面接時間よりも待ち時間のほうがたっぷりあります。自作のノートでもなんでも良いので、反省点や修正すべき事柄を次の面接に活かすためにも、携行しておいて、失敗したと思ったら、その場で覚えているうちに整理しましょう。

もしも、自分が述べた考えや主張を修正する必要が無いと感じた場合も、その考えをより納得してもらえるものにするために、言い回しや表現の工夫も含め、論証の展開や根拠を見直し、言葉に厚みを持たせましょう。

見直したことは、次の面接でも、機会さえあれば、すぐに活かします。こうしたフィードバック自体が自分の成長となりますし、超短期決戦でも、受験者の理解度や学習能力がどれだけあるのか試されているのが、「官庁訪問」だといえます。

官庁訪問では、何度も面接を受けることで、自分自身の考え方も、洗い出されます。ただ単に、繰り返される面接を受け流していくのではなく、もしも必要と思うのなら、自分自身の根本部分まで踏み込んで、軌道修正や改善を検討しましょう。

官庁訪問のメモについて

官庁訪問では、面接の最中にメモを取ることが、好ましい場合と控えるべき場合があると思います。これは面接ごとに雰囲気を読んで、ここはメモしないほうがいいとか、ここはメモしておいたほうが良いとか、適切に判断しましょう。

念の為言いますが、黙っておもむろにメモを取り出し、1人そそくさとメモを取るというのも、印象は良くないものです。ここは、他の受験者の様子を見たり、職員の方からメモを認める発言があるか待ったり、メモを取る前に、面接ごとの空気を読んで判断しましょう。

例えば、原課面接で、業務説明と質疑応答という流れの場合は、(あまりそういうことは無いと思いますが)職員の方からメモは認められないと言われない限り、たいていは、普通にメモを取るほうが望ましいと思います。

一般的に、この面接はメモを取っても良さそうだと思っても、他に誰もやってないなら、先に自ら「メモを取っても良いですか?」とひとこと伺ってみるのも、マナーとして妥当だと思います。

一般的には、メモを取りながら話を真剣に聞く姿勢を見せることは、好印象を与えます。ただし、メモを控えたほうが良い場合の面接では、かえって逆効果ですので、どちらが良いのかは、空気を読んで判断しましょう。

官庁訪問は、メモを取る者を常に高評価するとは限りません。メモばかり取って(下向いてばかりで)、人の話を聞いてないと思われないようにします。時々は、話をしている職員の方をきちんと見据えながら、簡潔で要点は押さえたメモを書きましょう。

官庁訪問は、面接時間より待ち時間のほうが長いので、どちらか迷う場合はメモすることに固執せず、対面する職員の方々との対話に集中します。その後、控室や待合室で時間が取れる限り、なるべく覚えているうちに書き出しておきましょう。

後で何を聞かれても良いようにしよう

官庁訪問でメモを取る重要な目的としてもう1つ、その面接内容や感想を、いつ問われても良いようにすることが挙げられます。

官庁訪問では、何度も面接を繰り返す間に、前の面接の内容を聞かれることも普通にあります。面接と面接の間の待ち時間を利用して、誰とどんな面接をしたか、面接の内容と反省点や改善点など、しっかり整理して次の面接につなげることが重要です。

例えば、常にそうだとは限りませんが、原課面接や集団面接・集団討論を終えたとき、その場でなくても、最終面接(出口面接)の後になって、その内容や感想をレポートとして書くよう指示される(あるいは、口頭で聞かれる)こともあります。

業務説明の職員は自己紹介すると思いますが、もしそれが無ければ、お名前を伺っておきましょう。そして、業務説明なら、何課の何という方が話をされたのか、集団討論なら、他に参加した人の名前や、誰がどういう発言をしたか、細かくメモします。

知り得た範囲・出来る範囲で構わないので、面接官のお名前や所属部署と肩書、印象に残った話、自分の発言内容、自分なりの面接内容の評価や改善点を、一括してまとめておきましょう。

もちろん、メモを取るのは、その事自体が目的になってはいけません。主たる目的は、その場で覚えているうちに、記録を残しておき、あとで自作ノートで整理して反映させたり、面接内容を反省して、改善点を次に活かすためにあります。