官庁訪問(国家総合職):こんなときはどうするか?

国家総合職の官庁訪問では、さまざまな場面に直面します。今回の記事は、いろいろと考えられる場面について、1つ1つ考えていきます。

官庁訪問(国総)の待ち時間をどう過ごすか

国家総合職も官庁訪問では、受験者によって面接の内容や回数が違ってくることが普通です。ただし、どの方も一般的には、面接時間より待ち時間のほうが、明らかに長くなる傾向があります。

国総の官庁訪問では、面接を待つのが、廊下だったり、控室や待合室だったり、普段は使って無さそうな部屋とか、ちょっとしたスペースとか、実にさまざまです。

省庁によって異なりますが、控室や待合室には、ウォーターサーバーとか、お菓子や飲み物が置いてある場合もあります。省庁側が用意したものなら、節度のある、適度な範囲の軽食は構いません。

官庁訪問の待ち時間は、参考書や自作ノート、あるいは、好きな本(極端なバイアスの無い、真面目で無難な書籍が良いかと)を持参してもよし、その場の空気を読みつつ、周囲の迷惑にならない範囲なら、他の受験者と話し合うのも構いません。

これも省庁によりますが、控室に若手職員がいて、受験者の間に入って話をする省庁もあります。こういうときは、職員の方から、業務内容でも官庁訪問の経験でもなんでも良いので、自分の役に立ったり、使えそうなネタを聞き出す絶好の機会です。

控室(待合室)では、受験者どうしで情報交換したり、話し合うこともあるでしょう。受験者の評価や印象は人それぞれなので、他の方の話を全て真に受けるのもどうかと思いますが、参考になると思った点は活用して良いと思います。

国総の官庁訪問といっても、受験者は実にさまざまです。待ち時間には、他の受験者とやたら話したがるお喋りさんもいれば、他者との接触を一切受け付けないような、孤高を貫く方も、中にはおられます。

官庁訪問の控室の過ごし方も、気をつけるべき盲点です。控室の様子は、どこかで必ず観察されています。その上で、適度な軽食も、他者との会話も、参考書やノートの整理・見直しも、その他、周囲に迷惑がかからない範囲で、適度に過ごしましょう。

国総の官庁訪問で面接のタイミングは?

面接のタイミングは、受験生によって扱いが異なります。ついさっき面接を終えたばかりの人が、またいきなり呼ばれたり、前の面接から3時間でも5時間でも待たされるという人もいます。それが連日続くのが、官庁訪問です。

官庁訪問では、いつ、どんな面接が行われるか、事前に教えられることはありません。それでも、前の面接の内容を整理して、次の面接に活かすことが必要です。控室でも、若い職員の方が様子を見ていることが一般的ですし、気を抜く暇はありません。

知らない人と普通に話をするだけでも、大抵の方は気を使うものですが、これが官庁訪問ともなると、相当に心がこたえます。何度も面接の機会が来るほうが、自分に気があるからだ、くらいに思ったほうが、精神衛生上よいかと思います。

官庁訪問が何時間かかるかは、省庁によって異なりますが、中には終電の時間を書かせる省庁もありますし、夕暮れ時に終わるという省庁はほぼ皆無だと思います。当然ながら、官庁訪問の期間中は、早朝から夜まで、まるごと予定を空けるべきです。

こんなことしてはいけない(国総の官庁訪問編)

官庁訪問(国総)では、個別面接、集団面接、グループディスカッション(集団討論)のほか、原課面接だと業務説明と質疑応答が多いと思います。また、面談や懇談会・座談会に近いものだとか、中には職員との会食を行う省庁もあります。

この中で言うと、集団面接や集団討論で、他の受験者と差をつけるのは難しいと思います。司会進行役を買って出た所で、議論が盛り上がらなかったり、参加者を上手にさばけなかったり、議論をまとめきれなかったら、責任をかぶるリスクがあります。

集団面接や集団討論では、誰かが特に高い評価を得るというのは、とても難しいのでは無いでしょうか。むしろ逆に、大きな失態や、やらかす人をふるいに落とすためにやっているのかな、とすら思います。

集団面接や集団討論では、参加者や議論の流れに関して、雰囲気や空気をよく読み取って発言しましょう。議論を壊したり、独善的な言動や、感情的な振る舞いは、絶対に避けるべきです。

この他、官庁訪問では、職員や他の受験者の前なのに、空気の読めない人が存在します。職員がフレンドリーに接してきたからといって、軽々しく乗ってもダメです。圧迫面接でも、和やかな面談でも、ブレない言動と振る舞いが必要です。

どんな質問に対してもそうですが、無関係で的外れ、余計なことを話してはいけません。軽挙妄動は厳に慎むべきです。面接中でも控室でも、安直で軽率な言動や、あまりにも極端な振る舞いは避けるべきです。

ネガティブな発言や、嘘をつくこともいけませんが、それに加えて、言葉に詰まるとか、黙ってしまうことは最も避けるべきです。要求された事柄を、理解できている範囲で、冷静かつ論理的に話すこと、これに注意を傾けるべきです。

相手は現役のキャリア官僚であり、自分は学生です。自分を大きく見せようとか、エリート相手に論破しようなどと決して思わず、等身大の自分を率直にさらけ出し、自ら考えた意見を言えば良いのです。

どうしてもわからないことは、率直に謝った上で分からない旨を伝えるとともに、勉強する意欲をしっかりと示して、謙虚さと向上心をアピールしましょう。黙り込んでしまったり、焦って余計なことを言うよりは、よっぽどマシです。

官庁訪問の面接では、回答内容も大事ですが、それよりも、厳しい面接に直面したときにどう振る舞うのか、状況に応じた柔軟性や順応性を見ています。わからないことまで、無理に言う必要はありません。率直な態度こそ、好評価を得られます。