国家総合職の業務説明会

業務説明会は、国家総合職志望者を対象に、業務への理解を深めてもらうため実施される説明会です。参加者全員を一度に集めた集会形式、いくつかの集団に分けた懇談会や座談会、少人数のグループ面談、1対1の個別相談など、形式はさまざまです。

また、業務説明会の内容は、職員の方の業務説明の後、質疑応答を行う場合が多く見られます。なお、資料が配布される場合もあります。

業務説明会は、人事院主催のものと、各府省が行うものがあります。人事院主催の場合、一度に複数の府省を回ることができます。その一方、各府省主催の場合も、志望候補の官庁は必ず参加すべきです。

業務説明会は絶対に参加すべき

業務説明会は、参加・不参加は採用面接に影響を与えないと明記されます。しかし、これを真に受けてはいけません。業務説明会は、人事院であれ各府省の実施であれ、どちらも参加すべきですし、可能な限り何回でも参加するのが望ましいといえます。

業務説明会の参加・不参加は、見えない形で、内定への影響があります。特に、官庁訪問では、多くの受験者が、他者と差をつけられないときに、説明会の参加の有無が、影響が無いとは言い切れないと思います。

たとえ、内定への影響が無かったとしても、業務説明会への参加は、強くおすすめします。業務説明会は、人事の方と接触できる、志望動機を具体化できる、業務内容を明確に把握できる、志望動機と業務内容を結び付けられる、という利点があります。

業務説明会を官庁訪問に活かそう

国家総合職の場合も、採用競争は、業務説明会から始まっています。業務説明会では、聞いている話の中で突破口を見つけ、その後は積極的に質問して、職員の方々からより良い話を引き出す能力を鍛えましょう。その点は、必ず官庁訪問に活きてきます。

官庁訪問では、1日のうちに5回でも10回でも、さまざまな面接に遭遇します。そして、前の面接で聞いた内容や、それについてどう思ったかを問われることもあります。こうした面接を繰り返す中で反省して改善し、次の面接に活かす必要があります。

官庁訪問では、浅い質問や浅い話しか出来ない受験者は、評価されません。「こんな話を聞いた」で終わらず、どんな話を聞いたという上で、どんな課題があり、どんなアプローチがあると感じたか、まで話すことが必要です。

これとは逆に、官庁訪問では、職員の方から少しでも良い話を聞き出し、それ以降の面接で活用することも重要です。業務説明会は、このような、職員の方々からより良い話を聞き出し、それを自分の言動に活かす力をつけるための、絶好の機会です。

初めは、表面的な質問しか出来ないと思います。しかし、「質問の質」を高める意識を持って、気になったことをどんどん質問していきましょう。何回も説明会に参加するうちに、話を引き出す突破口を見つけたり、良い話を引き出す力がつくはずです。

業務説明会でも官庁訪問でも、面接や面談では、職員の方々の話を受けて、どんな論点があると感じたか、それについて自分はどう感じたかを話した上で、それに関してどう思われるか、職員の方からより良い話を引き出す練習をしましょう。

「より良い話を引き出す」とは、究極的には、その省庁が何を課題として考えていて、それにどんなアプローチで取り組んでいるかという点です。それを、職員の方を相手に、より個別に、明確なエピソードや、具体的な政策で引き出せたら理想的です。

何よりも、業務説明会で適切な言動を行ってきた受験者は、官庁訪問でも本領を発揮して、採用の可能性が高いと思います。業務説明会で聞き出した話や、自分の言動や振る舞いを見直して、官庁訪問にフィードバックしましょう。

業務説明会でもメモを取ろう

業務説明会でも官庁訪問でも、業務説明や質疑応答の間にしっかりメモを取ることは重要です。ただし、何でもかんでもメモを取り続けることは、ともすると、ずっと下を向いている(マトモに話を聞いてるのか?)という印象を与えかねません。

職員の話を聞くときは、時折きちんと相手に目線を送りつつ、メモを取る際も、こんな話だった、こんなやり取りをしたと、それが何の意味を持つのかを、後で見返した時に、パッと要点が浮かぶ程度に、最低限かつ要所は押さえたメモを心がけましょう。

また、官庁訪問対策で自作のノートを作っている方は、業務説明会から官庁訪問の終了まで一貫して情報を集約し、知り得たことや反省点、各省庁やそれぞれの政策について考えた事柄、想定問答なども、整理して形に残しておきましょう。

こうしたノートは、「作ることが目的」ではありません。あくまでも、その時、その都度、起こったことを残すだけでなく、良かった点、悪かった点を検証して整理し、改善点を次の機会に活かすためのものであると意識しましょう。

官庁訪問の現場で、資料やパンフを全部持ち歩いたり、いくら長い待ち時間でも、その都度見返すことは無理があります。こうした各種資料から得た要点も、自作ノートに簡潔に書き置くことで、情報を1箇所に集約して、効率よく見直すことが可能です。

業務説明会で自分を売り込もう

業務説明会では、職員が参加者の大学や名前を聞いて、メモに書き取ることも普通にあります。また、説明会の職員が、官庁訪問で人事面接や原課面接を担当する職員だったということも、よくあることです。

業務説明会にこまめに出席していた受験者は、担当職員に(ときには他の受験者からも)、顔を覚えられることもあります。官庁訪問になって、よく来られてましたよね、などと声を掛けられることも珍しくありません。

業務説明会に対して、「意味ないものだ」とか、「人事に自分を売り込んでるようで嫌だ」とかいう方は、採用は厳しいです。まず、その考えを一掃しましょう。「採用競争は、業務説明会から既に始まってる」という認識を持ちましょう。

むしろ、顔と名前が一致して覚えてもらえるくらい、どんどん質問していきましょう。単純に、業務説明会に何回参加したかは、最もわかりやすく、志望意欲の度合いに捉えられます。業務説明会では、積極的に質問をして、顔を売りましょう。

人事院主催:本府省合同業務説明会

ここで、国家総合職の人事院主催「本府省合同業務説明会」について、過去の実施例を参考例として説明します。変更点もあるかと思いますので、参加予定の方は、人事院の公式サイトで、参加年度の情報を、しっかり確認してください。

人事院主催の業務説明会は、国家総合職では1次試験の合格発表後から2次試験の間に、東京、関西(大阪または京都)、福岡、札幌で、1次試験合格者と過年度最終合格者を対象に、「本府省合同業務説明会」が行われます。

また、例年通りなら、東京で2回めの人事院による本府省合同業務説明会が、2次試験終了後と最終合格者の発表前の間に開催されます。

本府省合同業務説明会は、例年通りなら、参加する府省が午前と午後の2グループに分かれて、各府省が3回ずつ実施する場合と、午前・午後・夕方の3グループに分かれて、各府省が2回づつ実施する場合と、会場によって異なります。

つまり参加者は、前者なら2グループから3回づつ、後者なら3グループから2回づつ選べます。どちらにせよ、最大6回の業務説明に参加できます。なお、後述しますが、同一府省の業務説明に、引き続き複数回参加することも、普通に構いません。

本府省合同業務説明会では、各府省が個別ブースを設置しており、参加者は希望するブースを回って、業務内容の説明と質疑応答に臨みます。1回あたりの業務説明は、50~60分です。なお、事務系区分と技術系区分に分かれます。

本府省合同業務説明会の開催日時や会場、会場ごとのグループ分けや業務説明のスケジュールなどは、人事院の公式サイトで公開されます。志望する省庁の業務説明は、必ず最低1回は参加しましょう。

この説明会は、途中入場して、志望府省のみ参加するのも構いません。ただし、入場から受付を経て各ブースに着くまでの時間を考え、業務説明の開始時間に遅れる(遅刻)ことだけは、絶対避けましょう。もちろん、丸1日参加するのも普通にOKです。

この説明会を、実際にどのように進めるかは、各府省によって違います。あくまでも一般的な実施例ですが、今回の記事で説明した、業務説明会の内容と対策を、参考になさってください。

同じ府省のブースで、自分が知りたかった話を十分に聞き出せなかったり、別の業務分野の話を聞きたかったり、もっと参加したいグループがあったなど、明確な目的があれば、同じ府省に引き続き複数回参加することも、全然構いません。