国家一般職高卒・事務区分は、国家公務員の行政事務系の初級職員採用試験です。事務区分は地域ごとに採用される地域試験として実施されます。
採用地域の区分は、北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄です。受験の申し込みは1つに限られます。どの地域で受験しても採用試験の内容は同じです。
国家一般職高卒・事務区分の試験内容、および、試験全体を9とした各試験の配点比率は以下の通りです。
- 1次試験
- 基礎能力試験(教養試験)(択一式)4/9
- 適性試験(択一式)2/9
- 作文試験1/9
- 2次試験
- 人物試験(個別面接)2/9※参考として性格検査を実施
1次試験の合格は基礎能力試験及び適性試験の結果によって決定します。作文試験は第1次試験合格者を対象として評定した上で、最終合格者の決定に反映されます。
基礎能力試験(教養試験)は40題で、以下の出題分野と出題数が告知されています。国家一般職高卒のすべての区分で共通問題となっています。
- 知能分野 20問:文章理解(7)、課題処理(判断推理のことです)(7)、数的処理(数的推理のことです)(4)、資料解釈(2)
- 知識分野 20問:自然科学(5)、人文科学(9)、社会科学(6)
実際の科目別出題数は、例年以下の傾向が見られます。
※国家一般職高卒/税務職員/国家専門職(高卒)は、日程が違えば問題自体は異なるものの、同日実施の試験では共通問題ですし、どの試験も科目別出題数は同じ傾向を示します。
- 知能分野(一般知能)20題:文章理解7(現代文4、英文2、古文1)、判断推理7、数的推理4、資料解釈2
- 知識分野(一般知識)20題:自然科学5(数学、物理、化学、生物、地学が各1)、人文科学9(日本史1、世界史2、地理2、思想・倫理1、国語2、英語1)、社会科学6(政治2、経済2、社会2)
なお、基礎能力試験で一定の点数に達しない受験者は、他の試験種目の成績にかかわらず不合格となります。これは基準点と呼ばれるもので、事実上の足切り点といえます。
教養試験(基礎能力試験)の試験対策については、高卒程度公務員の試験勉強で対応できます。一般的な高卒公務員の教材を使えば十分通用します。
高卒程度の公務員試験では、教養試験(基礎能力試験)は区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(高卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に高卒公務員・教養試験(基礎能力試験)の参考書をおすすめします。
適性試験は120題です。速く正確に事務処理を行う能力についての筆記試験であり、置換・照合・計算・分類などの比較的簡単な問題を限られた時間内に番号順にできるだけ多く解答するスピード検査だと告知されています。
作文試験は1題50分です。事務区分のみ課されます。人物試験は個別面接です。
国家一般職高卒の事務区分で課される作文試験対策については、高卒公務員の参考書 作文試験で具体的な教材の使い方を通じて試験対策を取り上げています。傾向と対策については、高卒公務員の作文試験:国家公務員(大学校除く)で触れています。
地方初級(道府県、政令指定都市)、東京都3類、東京都特別区3類、市役所高卒、国家一般職高卒を志望する方で、参考書を一通り知りたい方には、地方初級・市役所高卒・国家一般職高卒の参考書をおすすめします。