国般(大卒)の官庁訪問では、どんな選考を行うのか

今回は、国家一般職大卒(国般)の官庁訪問における、選考の内容や形式について取り上げます。国般の場合は、一般的な面接や面談がメインという官庁・機関が多いです。その一方、面接以外の選考を行う所も、少なくありません。

国家一般職大卒の官庁訪問:面接の内容や形式

まず、国家一般職大卒(国般)の官庁訪問における、面接の内容や形式を取り上げます。ここでは、国般の官庁訪問で、内々定を得るまでにかかる日数や面接の回数、1回あたりの面接時間、その面接の内容や形式について、平均的な目安を説明します。

国般の官庁訪問も、実際は、地域や区分、官庁・機関、受験者によって、受ける内容や形式、内々定までにかかる日数や回数が、違ってくることに留意してください。今回の記事は、おおよその一般的な参考にしてください。

内々定までの訪問日数と面接回数

国般における官庁訪問の日数ですが、最初に訪問した日に(つまり1日で)結果を出す官庁・機関もあれば、2~4日程度の訪問を求める所もあります。国般で5日以上の訪問を求める所は、ゼロでは無いですが、多くは無いと思います。

国般の官庁訪問で1日に受ける面接は、本府省で1回で済んだ方は稀な例であり、ほとんどいません。本府省だと、中には10回以上面接を行う官庁もあります。

逆に、出先機関だと、1日で10回行う所は、ごく稀です。出先機関では、1回で済んだ方は、本府省よりは多く見られます。5回でも多いほうで、6回以上受けた経験のある方は、そう多くは無いはずです。

総じて言えば、国般で1日あたりの面接回数は、2~5回が最も多く、本府省だともっと多く、出先機関だともっと少ない傾向があります。ただし、これに関しても、官庁・機関、地域や区分、受験者によって、全然違います。

なお、国般の官庁訪問で、面接を何回も行う官庁・機関の中には、面接官の職位がどんどん上がり、管理職面接(幹部面接)まで行う所も、普通にあります。

1回あたりの面接時間

国般の官庁訪問で、1回あたりの面接時間は、15~30分程度が平均的な所だとは思います。これもあくまでも一般的な目安であって、実際に受ける官庁や機関で、ご自身の場合がそうだとは限りません。

1回あたりの面接にかかった時間も、官庁・機関や受験者によって、大きく異なります。淡々と質問が続いただけで楽勝だったという方もいれば、1時間近く、いやもっとかかったとか、とても厳しい面接に直面したという方もおられます。

また、国般の官庁訪問では、前の面接が終わったかと思うと、またすぐ次の面接に呼ばれる方もいれば、前の面接から何時間も待たされたという方もおられます。

国般でも官庁訪問は、次の面接や選考までの待機時間が、面接時間より長くなりがちな方が多いです。国般の場合も、官庁訪問には、拘束が存在します(官庁訪問(国般大卒)の予約と「拘束」とは?)。

面接の内容や形式は

国家一般職大卒(国般)の官庁訪問における内容や形式は、官庁・機関ごとに違います。また、同じ官庁・機関でも、受験者によって違うこともあります。個別面接だけという官庁・機関もあれば、色々な形式で選考を行う所もあります。

国般の官庁訪問では、個別面接のほか、集団面接、集団討論(グループディスカッション)、グループワークを行う官庁・機関もあります。また、人事担当部署の方との面接あるいは面談(人事面接あるいは人事面談)を行う所もあります。

国般の官庁訪問における面接や面談の場所は、特に部屋を設ける以外にも、仕切りが設けられて、スペースごとに面接等を受ける場合もあれば、職員の方々が業務中の、職場の真っ只中で受ける場合もあります。

国家一般職大卒の官庁訪問:面接以外の選考を行う場合

国家一般職大卒(国般)の官庁訪問では、面接または面談だけの官庁・機関が多いと思います。その一方、面接や面談以外の選考を行う所も、少なくありません。

国般の官庁訪問で、一般的な面接や面談以外に選考を課す官庁・機関では、職場訪問(職場見学)、業務説明と質疑応答、人事面接(人事面談)などが見られます。

ここからは、国般の官庁訪問における、一般的な面接以外の選考を説明します。今回の記事は、あくまでも一般的な目安であり、実際には、官庁・機関によって大きく異なります。また、ここで取り上げた以外の選考を行う官庁・機関もあると思います。

職場訪問(職場見学)や業務説明

職場訪問(職場見学)や業務説明は、実際の業務を担っている職員の方から説明を受けたり、面談や質疑応答を課すものです。中には、職員の方々が業務中の、職場の真っ只中で行う場合も、少なくありません。座談会や懇談会形式の場合もあります。

特に、職場訪問(職場見学)や業務説明をメインにする官庁・機関は、国総ほどは多くありません。また、こうした選考は、技術系区分で多く見られますが、行政区分でも無いわけではありません。

職場訪問(職場見学)や業務説明でも、実際の業務担当部署の方との、個別あるいはグループによる、面接や面談を行う官庁・機関もあります。説明を受けるだけでなく、職員から質問を受けたり、受験者自身が聞きたいことを問われることもあります。

また、官庁・機関によっては、資料が配布されたり、業務に関する映像を視聴した後で、質疑応答=質問を受け付けることもあります。単に眺めるだけでなく、気づいた点や質問したい点をメモするなど、何があっても良いように備えましょう。

職場訪問や業務説明は、一見和やかな雰囲気でも、一定の緊張感があります。各受験者の言動、振る舞い、態度は確実にチェックされています。質問(発言)を求められて、意味のある質問(発言)を何もしなければ、確実に評価を落とします。

職場訪問(職場見学)や業務説明など、人事以外の部署で受ける選考は、採用に影響しないとも言われますが、決してそんなことはありません。その部署が受けた各受験者の印象は、人事に連絡や報告が送られているはずです。

職場や業務と、自分との相性を感じ取ろう

職場訪問(職場見学)や業務説明も選考過程の1つであり、そこは緊張感を持つべきですが、それと同時に、自分が思い描いた職場の雰囲気かどうか、自分が仕事をしてるイメージが浮かぶかどうか、よく考えることができる機会でもあります。

職場訪問(職場見学)や業務説明があれば、実務にあたる方々と話せる好機です。業務内容や職場の雰囲気、職員の方々の表情など、空気感を捉えて、自分をアピールするだけでなく、この志望先で本当に良いのか、自分との相性を感じてみてください。

国般でも、官庁訪問を通じて、自分は合ってないと思って、自ら辞退する方も、確実に存在します。職場訪問等も、自分がこの職場にフィットするかどうか、この職場の一員としてマッチするかどうか、自分自身を確かめる、良い機会だと思います。

人事面接・人事面談

人事面接(人事面談)とは、人事担当の方との面接(面談)です。ガチガチの人事面接の場合を除くと、次の面接の案内・誘導や、自分の評価を伝えられることがあります。あるいは、次回の訪問予約や、内々定または不採用を伝えられることもあります。

人事面接や人事面談を行う官庁・機関の場合、前の面接(または職場訪問などの選考)の内容や印象を問われたり、他の訪問予定官庁や公務員試験、民間企業の就活状況、官庁訪問期間中の予定などを聞かれることもあります。

人事面接(人事面談)は、真剣な選考の場という場合が多い一方で、軽い面談や、和やかな談笑という場合もあります。そんな中でも、受験者のちょっとした振る舞いや言動は、確実に観察しています。ここも絶対に、気を抜いてはいけません。