国家一般職大卒の官庁訪問:厳しい面接はあるのか?

国家一般職大卒(国般)の官庁訪問は、国家総合職(国総)よりは厳しくないと言われます。実際に、選考が1日だけで、1回の面接だけで内々定が出たという方もいます。その一方で、何日も訪問し、何回も厳しい面接を受けたという方もいます。

国般の官庁訪問で、内々定を取るまでに受けた面接の内容や形式、回数も、官庁・機関や地域、区分によって違いが大きく、同じ官庁・機関でも、受験者によって違うことがあります。

今回の記事では、さまざまな国家一般職大卒の官庁訪問の中で、厳しい面接に遭遇した場合は、どんな場面がありえるのかを取り上げます。

国般・大卒の官庁訪問でも、深堀りされることがある

国家一般職大卒でも、コンピテンシー面接や圧迫面接は、少なからず見られます。特に、志望動機や自己PRに関しては、自分の回答に対して、故意に感情を煽るような対応をされたり、くり返し深堀りされることが見られます。

その一方、国般だと、採用を勝ち取った方の中には、自分の回答に対して深く掘り下げられることは無かったが、逆に、自分が答えたらまた別の質問という感じで、次々にさまざまな質問項目が飛んできたという方もおられます。

あるいは、「この志望動機は、他の官庁でも役立つのでは?」「自分の長所にこう書いてるけど、うちで働く際にどう役に立つの?」「さっき~と答えてたけど、もっと詳しく話してみて」などと、後追い的に突っ込まれることもあります。

ある質問に対して自分が回答した直後で、深堀りされるならまだしも、もう面接で一通り聞かれたかなと思ったところで、別の面接官が総括的に、このような後追いの質問を仕掛けてくることもあります。

官庁訪問は、どんな質問が、どんなパターンで問われるか分かりません。ここでは、回答の内容はもちろんですが、それぞれの受験者に異なる聞き方を試してみて、その者の言動や表情、振る舞いや態度を見ていると思います。

【参考】コンピテンシー面接、圧迫面接とは?

コンピテンシー面接とは、従来の面接が(全体的に)優秀かどうかを測るのに対して、(それぞれの職場で働いた時に)高い成果を出せるかどうかを測る面接です。極端に言えば、一般的な成績が良いかどうかではなく、「うちに合った人材かどうか」を評価します。

コンピテンシー面接は、ある質問に対して、受験者が回答すれば、それに対して何度も質問を重ね、どんどん深堀りします。より詳しい説明や根拠等を求め、受験者がどうさばくのかを見ています。

圧迫面接とは、採用側が故意に、威圧的、敵対的、好戦的、否定的な態度で質問や反論を行う面接のことです。意地悪な質問・反論、受験者の回答を否定する、受験者に無反応や関心の無い素振りを見せる、執拗な深堀りなどが挙げられます。

見方によっては、コンピテンシー面接は圧迫面接の1つとも言えます。どちらの場合も、回答の内容そのものも重要ですが、挑発に乗らず、焦ったり、黙り込んだりせず、感情的になることのない、冷静かつ論理的な処理能力を評価します。

国般の官庁訪問にも逆質問はある

国般の官庁訪問でも、逆質問は普通にあります。逆質問とは、「何か聞きたいこと(質問したいこと)はある?」と、受験者に質問を促すことです。職員の説明を受けた後とは限らず、突然質問を促したり、特定の受験者を指名して促すこともあります。

逆質問は、個別あるいはグループの面接(面談)のほか、職場訪問(職場見学)や業務説明などで、幅広く見られます。逆質問されて、「何もありません」など、何も聞かなかったら、確実に評価が下がります。

また、職員の方に質問をした時に、「それについて、まず君はどう思う?」など、先に受験者の考えを問われることもあります。このため、本当に何も分からないことを質問することは、それなりのリスクが伴います。

それよりも、業務内容だとか、職員に要求される能力や必要な適性について、現時点で自分はこう思うのですが、~に関してどう思われますか?などと、ある程度は自分の考えがまとまっていることを添えて質問するのも良いでしょう。

官庁訪問では、どんな場面でも油断しない

官庁訪問では、数分程度で終わるような、和やかな雰囲気の懇談を受けた方もいれば、何十分も続くような、厳しい面接を受けたという方もおられます。前者のような、時には笑いも起きるほどの面談であっても、決して油断してはいけません。

あるいは、穏やかな雰囲気だった面接の終わりに、ほんの少し受験者が油断した所に、不意に唐突な質問が来たり、採用とは全く無関係な話を向けてきます。官庁訪問は、受験者の素の姿を見抜こうとするテストであり、どんな場面でも、臨機応変に対応して、無難に乗り切りましょう。

官庁訪問では、面接にしろ面談にしろ、ほんの些細な会話でも、職員の方は、受験者のことをよく見ています。採用側も、受験者に関して気づいた点があれば、事細かにメモを取ったり、職員間で情報を共有しています。

特に国家一般職大卒では、その言動や振る舞いについて、採用側はちょっとした隙間も見逃さず、よく観察しています。作り笑顔だとか、気だるい感じは、すぐ見抜かれます。平常心で、普段通りで構いませんが、とにかく前向きな表情を見せましょう。

国般・大卒の官庁訪問で、厳しい面接に備える対策は?

国家一般職大卒の官庁訪問においても、コンピテンシー面接や圧迫面接のような、厳しい面接が来たと思ったら、「ああ、そう来たか」くらいの、気持ちの余裕を持ったほうが、乗り切れるかもしれません。本来そんな人では無いかもしれない面接官の意図的な態度に乗らず、普段と変わらぬフラットな気持ちで、論理的に回答すれば十分だと思います。

あとは、国家一般職大卒の官庁訪問:訪問カードで触れた通り、自己分析を通じて「自分の軸」を持つことに尽きると思います。これを十分に検討した上で、自分という柱をしっかり持てば、コンピテンシー面接でも圧迫面接でも、逆質問でも、そこからブレることの無い、一貫性を持った発言や回答を出せると思います。