今回は、国家一般職大卒(国般)の官庁訪問における、訪問カード(エントリーシート、履歴書、面接調書など)を取り上げます。官庁・機関によって、用いるカードに違いがありますが、ここでは便宜上、「訪問カード」で統一して呼ぶことにします。
官庁訪問の訪問カードは、公式サイトでダウンロードするものや、JIS規格の履歴書など市販の指定されたもの、あるいは、訪問したその場で配布されて記入するか、事前に記入して持参するか、官庁・機関によって異なります。
訪問カードに関しても、官庁・機関によって、いろいろな違いがあります。志望先の公式サイトなどで、公式の告知を、こまめにチェックしましょう。なお、訪問カードが無い官庁・機関も、一部に見られます。
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国般・大卒の官庁訪問:訪問カード対策を
国家一般職大卒でも、実際の官庁訪問で、訪問カードを想定していなかった受験者が、指定時刻のギリギリに来て、その場で記入を要求されて、その場しのぎの思いつきで慌てて書いて、面接で失敗する方が、毎年おられます。
訪問カードがその場で配布されて記入する場合に、時間的に余裕が無い中で書くことは、ぜひとも避けたいものです。当然のことですが、指定された時間よりも、余裕を持って訪問することをおすすめします。
また、その場で記入する官庁・機関では、提出順に面接を行う場合も多く見られます。面接が提出順という所なら、グズグズ悩んで書くことは避けるべきです。ただし、記入してすぐ面接が回るとは限りませんし、提出後に何時間も待つこともあります。
官庁訪問の面接対策と一緒に整理しよう
官庁訪問の訪問カードは、国家一般職大卒の場合も、どんなタイミングで書くように言われても良いように、考えられる限り多くの項目を想定して、それぞれに記入する事柄を準備しておきましょう。
訪問カードの内容は、過去の見本を公式サイトなどで公開する官庁・機関もあります。そのような情報が無い場合でも、面接対策をしっかり行っていれば、想定される記入事項や、それに対する自分の記入事項について、用意できないことは無いはずです。
訪問カードに書く内容は、面接対策の想定問答と、一体的に考えて整理すべきです。官庁訪問でも、面接官は、受験者の回答に、辻褄が合わない点を突きます。思いつきで書いて、思いつきで話していては、必ずボロが出てしまいます。
訪問カードで記入事項と自分の記入内容を想定する際は、官庁訪問での想定問答、「聞きたいことは無いか?」と問われた時の質問事項、深堀りされた時の回答などと、一緒にまとめて整理することで、矛盾が無く、一貫性を持って官庁訪問に臨めます。
訪問カードだけが全てでは無い
国家一般職大卒でも、官庁訪問の受験者の多くは、訪問カードに書いたことから、どこを突っ込まれても良いように、頭を整理して臨んでいるはずです。その一方、採用側は、その「当然」を、ひっくり返したときの反応を試すときがあります。
例えば、自分の性格や、アピール事項について、君はこう書いているけど、具体的な体験談を「書いたこと以外で」話してみて、と聞いてくる面接官もいます。
採用側は、この人物は訪問カードに書いたことが全てなのか、その他にも、さまざまな経験や知識を持ち合わせてないのか、について試すことがあります。それと同時に、受験者が準備している事柄「以外」を問われた時の反応も試しています。
中には、淡々と訪問カードに沿って質問しているかと思えば、そのスキを見逃さず、カードへの記入事項以外から、(十分に準備をしていないと)その場で考えざるを得ないような、受験者の適性や人となりを試す質問が飛んできたりします。
「自分の軸」を作っておこう
国般の官庁訪問でも、想定外の質問は必ず飛んできます。そこで、あらゆる回答や価値観の根本となる、「自分の軸」を持っていれば、その軸からブレること無く、一貫性を持った、矛盾の無い発想が、どんな質問に対しても、浮かんで来るはずです。
官庁訪問に限らず、面接で一貫性を持たせるために、根本的な「自分の軸」を作ります。さまざまな質問に、自分ならどう考えるかについて、その発想の根拠となる、自分の性格や志望動機を、明確にまとめておきます。
「自分の軸」を持つ自己分析とは、自分はどういう性格や適性、価値観を持ち、どういう長所・短所があり、どんな学習経験や体験があるか、そして、それらと志望先がどう繋がるのか(志望動機)まで、徹底的に検証して整理しておくことです。
自己分析で得た「自分の軸」は、決して揺らぐことが無く、あらゆる問いに対する自分の答えの、根本的な根拠となるものでなければなりません。これを持つことで、どんな質問や記入事項にも、矛盾が生じない、一貫した答えができるはずです。
国般・大卒の訪問カードをどう書くか?
国家一般職大卒の官庁訪問でも、訪問カードは、曖昧で大雑把な記述ではなく、具体的で説得力のある記述を心がけましょう。見にくくなるほど小さな文字でビッシリ埋める必要はありませんが、用紙の大きさに比べて適度な大きさの文字で、読みやすい行間や余白を残しつつ、書いてある内容が充実したものにすることを心がけましょう。
訪問カードは、その記述を読むだけでも、具体的に完結した内容にすべきですが、その上で、自分が聞いてほしい事柄について、「この点、こう書いてるけど、もっと詳しく聞きたい」と思わせる記述にしておくのも、ありだと思います。
つまり、自分が評価されそうな内容を記述する一方、それについて面接官がいかにも突っ込みそうな余地を作っておきます。もちろん、「突っ込まれなかったこと」も想定して、訪問カードでも、それなりに具体的で充実した内容を書きます。
ここで難しいのは、アピールしたい事柄を、訪問カードに書かずに取っておくというのは、実際にそこを突っ込まれなかったときに、アピールする機会を損なうリスクもあります。このため、アピールポイントを一通りはある程度まで書いておきましょう。
例えば、単に「野球」「読書」ではなく、「野球(アピールしたい体験談)」「読書。特に(アピールしたい内容)」など、アピールしたい点をキーワードとして埋め込んでおき、このキーワードのどれを突っ込まれても詳しく話してアピールできるように、整理しておきます。