国家一般職大卒の業務説明会

業務説明会は、国家一般職大卒(国般)志望者を対象に、各官庁・機関が、その雰囲気や仕事を理解してもらうために開催するイベントです。ただし、国般の場合、実質的な選考を行う官庁・機関も多く、必ず参加すべきイベントだといえます。

業務説明会は、官庁訪問よりも前に始まります。また、業務説明会には、人事院主催で各省庁や機関が参加するもの(合同業務説明会=合同説明会)と、各省庁が主催するもの(個別業務説明会=個別説明会)があります。

国般でも、大半の官庁・機関は、業務説明会を積極的に行っており、何回も実施する官庁・機関を多く見られます。業務説明会が無い官庁・機関は、ごく稀だと思いますが、その場合は、採否をかけた真剣勝負の場として、官庁訪問に集中すべきです。

業務説明会までに、自己分析、官庁研究、想定問答、訪問カード対策(面接カード、ES、履歴書、面接調書など)といった官庁訪問対策は、重要な項目だけでも済ませておいて、先に整理した事柄は説明会でも使えるように、しっかりと備えましょう。

念の為言いますが、業務説明会でも、私服は言語道断です。基本はスーツ着用です。オンラインの業務説明会でも、官庁によっては、カメラをオンにするよう求められる場合を想定して、これも念の為ですが、スーツを着ておきましょう。

今回の記事は、国家一般職大卒の業務説明会について取り上げます。

業務説明会以前のイベントも参加しよう

国家一般職大卒の場合、官庁・機関の中には、業務説明会以外にも、セミナーなどさまざまな名称で、かなり早期から、独自のイベントを開催する所もあります。職場あるいは施設見学会や、河川や港湾施設などの現場見学会を行う官庁・機関もあります。

業務説明会以前の、各官庁・機関の各種イベントでは、参加者に対するチェックを行ってるとしても、業務説明会に比べると、官庁訪問や採用への影響はあまり無いと思います。それだけに、業務内容や仕事の流れなど、どんどん質問して良いと思います。

参加者が質問する機会があれば、採用後はどんな業務に従事するのか(どんな部署に配属されるのか)とか、1日の業務の流れとか、さまざまな官庁・機関が行うイベントで、自分が気になる疑問をどんどんぶつけて構わないと思います。

官庁・機関が行う各種イベントでも、たくさん回るうちに、職員の方々の話しぶりや、訪問見学した職場の雰囲気など、その違いや感触を感じ取ったり、自分との相性が見えてくるはずです。これらは、志望候補の検討に、かなり役立つと思います。

業務説明会は「絶対」ですが、それ以外の各種イベントもなるべく逃さず、出来る限り参加しましょう。業務説明会および各種イベントの注意事項や日程は、人事院や志望先の公式サイトを、こまめにチェックしましょう。

各官庁・機関が行う各種イベントや業務説明会では、参加者は必ず観察されており、チェックされていると考えて振る舞いましょう。質問は積極的に行うとともに、その場の空気や雰囲気を壊さないことに留意しましょう。

国総と国般の業務説明会の違い

業務説明会は、国家一般職大卒(国般)以外に、国家総合職(国総)でも実施されます。当たり前ですが、国般志望者は、国般向けの業務説明会に参加しましょう。

国総と国般のどちらも、業務説明会が採用に影響しています。ただし、業務説明会の位置づけには、微妙な違いが感じられます。また、国総は、官庁訪問の期間をクールという単位で区切り、クールごとに同じ官庁を訪問するクール制を導入しています。

国総では、官庁訪問で受験者の適性をガッツリ判断し、業務説明会では、適性うんぬん以前に、参加回数や発言内容をチェックして、その官庁への志望度や熱意を判断する「踏み絵」的な位置づけだと思います。

その一方、国般は、官庁訪問はクール制では無いため、各官庁・機関の実質的な選考期間が、国総より短くなる傾向があります。このため、国般では、業務説明会から実質的な選考を始める官庁・機関が、多く見られます。

業務説明会の時点で内々定が出ることも、国総ではそう多くはないケースですが、国般なら普通に起こりえます。業務説明会で選考を進める官庁・機関では、官庁訪問から参加したという方は、型通りの面接を受けるだけで、採用の可能性は薄くなります。

特に国般では、すべての官庁・機関とは言いませんが、「官庁訪問は業務説明会の答え合わせ」という所が多いです。業務説明会で実質的な選考を行い、官庁訪問は(目をつけた受験者に)採用面接や意向確認を行う官庁・機関も見られます。

念の為言いますが、国般の官庁訪問が楽だという意味ではありません。業務説明会で選考を進める場合でも、官庁訪問は決して油断してはいけません。内々定を最終的に決めきるのは、あくまでも官庁訪問だということは忘れないでください。

業務説明会の内容や形式(国般の場合)

業務説明会は、個別あるいはグループの面接(あるいは面談)のほか、懇談会や座談会形式や、職員の方を囲んで参加者が話をしたり、セミナーや集会形式、集団面接、集団討論だったり、官庁・機関ごとに大きな違いがあります。

あまり多くはありませんが、業務説明会の時点で、ちょっとした作文を書かせたり、グループディスカッションやグループワークを課す官庁・機関もあります。こうした場合は、グループごとの議論や共同作業の過程も、しっかりと観察されています。

業務説明会の流れは、職員の方による業務説明の後、質問を受け付ける(質疑応答)という場合が多いです。ただし、国般では、面接試験や官庁訪問と同じような、(何の予告もなしに、)ガチガチの面接を行う官庁・機関も珍しくありません。

業務説明会は必ず参加しよう

業務説明会は採用に関係ないというのは、過去の話だと思います。業務説明会を、文字通り「話を聞くだけ」などと思ってはいけません。現在は、業務説明会の時点で、採用競争が始まってると考えるべきです。

合同であれ個別であれ、業務説明会は採否に関係無い、囲い込みなど無い、採用に影響しないと、現役職員でも元職員の方でも、そう言われる方もおられますし、ネット上でも、そういった情報を目にすることがあります。

官庁訪問を実際に経験して、採用を得た方の中には、業務説明会は重視されてないと感じた方もおられます。しかし、これが全ての官庁・機関に当てはまるとは限りませんし、同じ官庁・機関であっても、過年度の実施実績とは違うということもあります。

業務説明会に対しては、官庁・機関ごとに、あるいは、同一官庁・機関でも年度ごとに、その内容や位置づけ(重要度)が違ってくることがあります。先輩方がそうだったからといって、自分の時にそうだとは限りません。

少なくとも、現行ルール上の業務説明会は、多くの官庁・機関が、かなり重視していると言えます。現在は、第一志望の内々定を早い段階で得た方の多くは、全員がそうとは言いませんが、業務説明会の時点で、良い感触や手応えを感じています。

人気の官庁・機関は、業務説明会の時点から志望者の囲い込みが進み、早い時点で採用枠が埋まります。こうした官庁は、各省庁の申し合わせや人事院からの要請に基づき、一応は内々定解禁以降も官庁訪問を行うものの、形だけということもあります。

官庁訪問で致命的なミスが無く、平均的な言動や態度をキープできれば、業務説明会に出てただけで、相当の確率で内々定を得ていた官庁・機関もあります。どうしても行きたい官庁・機関には、説明会に参加するだけでも、十分なアピールになります。

国般では、業務説明会で勝敗がついてる官庁・機関が多いです。しかし、官庁訪問を通じて、採用側の印象が良かった(あるいは悪かった)ために、業務説明会の時とは逆の結果になる方もおられます。官庁訪問も、決して油断してはいけません。

業務説明会でチェックされる事柄

官庁訪問の予約は、「建前上は」誰でも出来ます。ただし、合同説明会で個別説明会、または、個別説明会で次回の説明会や官庁訪問について、事前予約を受け付けたり、参加を促す官庁・機関もあります。

人気官庁・機関だと、業務説明会の参加者だけで予約枠が埋まり、業務説明会を欠席した方は、予約自体が出来ない可能性もあります。もちろん、誰がどの時点で予約したかチェックされており、既に志望者の選別は始まっていると考えるべきです。

業務説明会では、参加者の名前を控える官庁や機関も珍しくありません。アンケートや参加カードなどを配布して、氏名だけでなく、志望動機、自己PR、性格などを書かせる官庁・機関もあります。

誰が何回、どの業務説明会に参加したか、どんな質問や発言をしたか、どんな態度や振る舞いだったかは、一見すると和やかな雰囲気で済んだ説明会であっても、採用側は確実にチェックしていると考えておきましょう。

どの業務説明会に何回参加したか、どんな質問をしたか、どんな内容だったか、どう思ったか(感想や印象)などは、人事院面接(採用試験の面接試験のこと)や官庁訪問で質問された、突っ込まれて困ったという方も、中にはおられます。

業務説明会の内容を、完全に覚え続けられる方も、そう多く無いと思います。聞かれることがあっても無くても、念の為、業務説明会の内容や感想・印象、自分や他の参加者の言動などは、自作ノートにまとめましょう。

「面接試験や官庁訪問で聞かれるかもしれないから」ということだけではなくて、業務説明会を受けた感触や手応え、配布資料等は、ご自身の自己分析や志望動機、志望先の絞り込みや変更、官庁研究、想定問答などに反映させましょう。

業務説明会で配布資料がある場合は

業務説明会では、パンフレットなどが置いてあったり、配布される場合があります。その説明会でしか配布されない物もありますし、官庁訪問では、それを読んでないと分からない質問(その資料等にしか書いてない事柄に関する質問)を受けることもあります。

特に合同説明会では、志望候補のものを残らず持ち帰ろうと思うと、結構な量になると思います。意外と少なかったりして、使わないかもしれませんが、念の為、折り畳める大きめのカバンを持参しておくのも良いでしょう。

業務説明会でパンフなど配布資料があれば、志望先のものは確実に持ち帰ります。そして、どこを聞かれても良いように、十分読み込みます。また、質問されるかどうかに関係なく、これら公式刊行物は、志望動機、官庁研究、想定問答に活用しましょう。

職員の方々から、空気感や相性を読み取ろう

業務説明会では、職員の方から話される内容を、よく考慮することも重要です。職場の雰囲気や体験談、仕事のやりがいや業務の流れについて、率直に話される職員の方が多い一方で、話に色が付いてるのでは?と思う場合が、中にはあるかもしれません。

採用側としては、自分の所に入ろうと考えている人達相手に、後ろ向きな話をしようと思わないはずです。カッコつけるわけでは無いでしょうし、全ての職員の方々がそうだとは言いませんが、額面通り受け取らないほうがいい場合もあるかもしれません。

業務説明会を何度も参加する中で、現役職員の方々の成功談や失敗談、仕事に対する思い入れや職場環境、待遇など、参加者の質問を受けた時の反応や、話を受けた印象など、官庁・機関ごとのカラーと言うか、空気感の違い、感触を感じてみてください。

地味な話でも、率直な話だったり、魅力的な話でも、現実にその通りかどうかは分かりません。話されてる職員の方や、その間の他の職員の方々の印象を見極めて、官庁・機関ごとの空気感と、それが自分に合うかどうかの相性を、比較してみましょう。

業務説明会に限らず、官庁・機関ごとの各種イベントは、自分と各官庁・機関との相性という視点で、何度も何度も参加すると、職員の方々のちょっとした雰囲気や差異でも、その職場の雰囲気が合うかどうか、確認できると思います。

合同業務説明会

合同業務説明会(合同説明会)は、人事院が主催して、官庁や機関が一度に集まって行う業務説明会です。受験者の中にも、合同説明会を軽んじる方が多いのですが、それは相当な落とし穴というか、必ず参加すべきイベントだといえます。

合同業務説明会の形式は、区分や地域によって違います。よく見られるのは、官庁・機関ごとにブースが設置されていて、参加者は志望先のブースに行くことになり、設定された時間枠に応じて、1コマごとに特定のブースに参加する形式です。

合同説明会では、たくさんの人が集まる所と、そうでも無い所が分かるときもあります。特に、志望先を迷っている方は、どこの官庁・機関が多いか(少ないか)、見ておくのも良いと思います。

合同業務説明会だと、業務説明→質疑応答という流れを、個別あるいはグループ面談で行う官庁・機関が多いと思います。職員の方との懇談や、座談会形式で行ったり、参加者が想定以上に多い官庁・機関だと、集会形式に変えるところもあります。

合同業務説明会は、個別業務説明会に比べると、ここでガッツリ選考を行う官庁・機関は極めて稀ですし(ゼロでは無い)、それだけに、志望先のことをもっと知ることを通じて、自分自身の志望度や相性、適性を認識できる、重要な機会だといえます。

合同説明会は、面接や面談形式で行う場合も、個別説明会や官庁訪問に比べれば、穏やかな雰囲気だったという方が多いと思います。もちろん、合同説明会でも、参加の有無や発言内容、態度や振る舞いは、確実にチェックされていると思ってください。

合同説明会の内容や感想について、それ以降の説明会や官庁訪問で聞かれることは、そう多くは無いと思いますが、参加の有無や内容、感想や印象を突っ込まれても良いように、そうした事柄は、忘れないようにノートにまとめましょう。

合同説明会を個別説明会よりも軽視する方は、採用試験で高い席次では無かった場合、採用よりも落ちた方のほうが多いと思います。合同説明会は、和やかな雰囲気の官庁・機関が多いですが、油断せず、しっかり準備して臨みましょう。

合同業務説明会では、どんどん回ろう

合同業務説明会は、業務内容を深く詳しく知ることの出来る機会ですし、漠然としていた志望先が、明確にイメージできる良い機会だといえます。興味や関心のある業務の発見があったり、志望動機を固めるための大きな参考材料になると思います。

合同説明会では、なるべく多くの官庁・機関への参加をおすすめします。前もって参加先を決めておくのも良いですが、目についた官庁・機関があれば、許される限りどんどん他のブースも回ってみて、自分との相性や適性を考えるのも良いでしょう。

合同説明会の良いところは、一度にたくさんの官庁・機関を見聞きして、比較・検討が出来る点です。さほど関心が無かった官庁・機関でも、実際に話を聞くと、見方が変わってきたということも少なくありません。

合同業務説明会で、相手と自分の相性を試そう

合同業務説明会では、業務内容や仕事の流れ、職場の雰囲気、どんな職員が望ましいと思っているかなど、知りたいことをどんどんぶつけてみましょう。相手のことをよく知ることで、自分自身(の適性や相性、志望度など)も試されるはずです。

合同説明会では、官庁・機関ごとの空気感や雰囲気を感じて、常識の範囲内で自由に質問してみて、「自分が行きたい所は本当にここで良いのか」「自分が行きたいと思ってる所は、本当に自分のイメージ通りか」と、手応えや感触を確かめてみましょう。

合同説明会までの各種イベントなら、自分が社会人として働くつもりの職場選びでもあるのですから、入ったあとで「こんなんじゃなかった」と思うことのないように、業務内容や働き方に関して、どんどん質問して良いと思います。

もちろん、合同業務説明会でも、積極的に良い質問(有意義な質問)を行うことは、担当の職員の方に、良い印象で覚えてもらうことにつながります。合同説明会でも、その担当者が、官庁訪問の面接官だったということは、珍しくありません。

個別業務説明会

個別業務説明会(個別説明会)は、各官庁・機関が、それぞれ独自に実施する業務説明会です。国般では、「官庁訪問は業務説明会の答え合わせ」と言われるほど、業務説明会で実質的な選考を行う官庁・機関が多いです。

国家一般職大卒(国般)の場合は、多くの官庁・機関が、個別説明会を重要な選考過程と位置づけています。受験者への評価や選別は、この時点で始まっています。実質的な選考会であり、ガチガチの面接を行う所も多いため、必ず参加しましょう。

特に、ガッツリ選考を行う官庁・機関では、個別業務説明会の時点で、暗黙のうちに内々定を出す所もあります。逆に、「これはダメだ」と思われた方は、官庁訪問で一蹴されることもあります。

官庁・機関によって、個別業務説明会を行う回数は異なります。個別業務説明会の出欠は、確実にチェックされています。当然ながら、志望度の高い官庁・機関なら、対象となる全ての説明会に参加すべきだと思います。

個別説明会を複数回行う場合、回によって普通の業務説明会と事実上の選考を使い分ける官庁・機関もあります。その一方、選考を行う官庁・機関のほとんどは、1回目の個別説明会からしっかりと選考を行います。

一見粛々と業務説明会を進める官庁・機関でも、実際はしっかり選考を行っています。その一方で、事前の告知なしに、何の前触れもなく、ガチガチの面接を行う官庁・機関や、そういうことを知らずに来た人から落としていく官庁・機関もあります。

個別説明会でガチガチの面接を行う官庁・機関は、何の告知も無く、いきなり行うことが一般的です。その一方、合同説明会やそれ以前の各種イベント、あるいは個別説明会で、どの説明会で実質的な選考を行うか、暗示的な示唆を行う所もあります。

各種イベントや説明会に何度も参加していれば、決して多くは無いものの、官庁・機関の中には、明示的では無いかもしれませんが、どの説明会で面接なり選考を行うという、何らかのサインや示唆を示すところも、無いわけではありません。

さらに、官庁・機関の中には、個別説明会で特に高い評価を得た方にだけ、次の選考機会を案内する所も、稀な例ですが、無いことはありません。

選考の度合いが強い官庁・機関なら、個別業務説明会の時点で、参加カード(履歴書、エントリーシートなど)を記入または持参を求めたり、写真撮影を行う官庁・機関もあります。

もちろん、個別業務説明会で厳しい面接を受けたから、官庁訪問は採用面接や意向確認程度で済むと思ったら、それは大きな間違いです。官庁・機関によりますが、業務説明会と官庁訪問のそれぞれで、厳しい選考プロセスを課す所も、中にはあります。

個別業務説明会の流れ

個別業務説明会では、ガッツリ面接を行う場合を除くと、1~3人の職員に対して、1人~少人数(多くても10人前後)による、個別面談あるいはグループ面談を行う官庁が多く見られます。稀に、懇談会や集会形式の官庁・機関もあります。

ガッツリ面接する以外の場合は、職員の方から自己紹介や業務に関する説明のあと、受験者からの質問を受け付ける(質疑応答)の流れが一般的です。受験者は事前に考えてきた質問や、職員の話の中で気になった点を質問することが多いと思います。

ガチガチの選考や面接の場合を除くと、合同説明会と個別説明会は、一見すると、似たような感じになりがちです。もちろん、官庁・機関によっては、参加者を多面的に評価するために、異なる内容や形式で開催し、各回で違いを出すところも珍しくありません。

同じ業務説明会でも、個別業務説明会だと、選考に反映される可能性があるため、なんでも聞けば良いというものではありません。その一方、業務内容への関心や興味を示すことで、その官庁・機関への意欲や熱意をアピールすることも肝要です。

官庁・機関によっては、若手~中堅職員の方と、管理職の方による業務説明や質疑応答を、それぞれ設けるところもあります。管理職の方が出てくる場合は、さすがに結構な割合でガチガチの選考が多いです。たとえ和やかな雰囲気でも、選考は必ず行われています。

個別業務説明会は、実際の業務にあたっている現役職員の方が話をされる一方で、後ろの方で、それぞれの面談を観察したり、メモを取る職員の方がおられる場合があります。この場合、観察している職員は、人事部署の採用担当の方です。こうした方がいる場合は、間違いなく、評価に響くと考えて間違いありません。

個別業務説明会で何をチェックされるか

和やかな雰囲気であっても、個別説明会で評価されているのは、究極的には、「うちに合いそうかどうか」という点に尽きると思います。ここは、「良い印象を与える」ということを、意識して行動するべきでしょう。

何を質問したか、何を感じたのか、その言動や振る舞いは、確実にチェックされています。その一方、何も話さない人は、まず振り落とされます。その人がどういう問題意識を持ち、どういう観点でうちを志望したのか、その人物像と適性を見ています。

基本的な振る舞いやマナー、言動や態度の適切さは当然ですが、初めから「ガチガチの選考がある」「しっかり見られている」と思って臨んだほうが、心に迷いを持つこと無く、前もって事前の対策も行えますし、本番でも、毅然と立ち向かえるのではないでしょうか。

個別業務説明会にどう向き合うか

個別業務説明会では、ガチガチの面接で無くても、質疑応答があれば、必ず質問を行って、顔を覚えてもらいましょう。顔を覚えてもらえば、官庁訪問でも、有利に立ち回れるはずです。

個別説明会の担当の方が、官庁訪問の面接官だったということも、普通にあります。むしろ、官庁・機関主催の各種イベントや、業務説明会の回を重ねるごとに、採用側と参加者の間で、互いに「見たことがある顔」と思うことも少なくありません。

業務説明会で質疑応答があれば、その場の空気を読むことも重要です。国家一般職大卒では、政策ヲタクは求めていませんし、職員の方と議論する場ではありません。また、グループとマンツーマンの面談では、適切な言動が違ってきます。

少人数やグループ面談で、質疑応答が盛り上がなければ、その場の全員に低評価が与えられる可能性があります。事前に質問事項をいくつでも用意しておくと同時に、職員の方の話があれば、突破口を意識して話を聞き、そこから質問を出してみましょう。

その一方、個別面談で質疑応答の機会があれば、オープンな場では聞きにくいことや、自分なりに詳しく知りたいと思ったことを、深く聞いてみるのが良いと思います。個別面談向けの質問というものを用意しておくのも、おすすめです。

せっかくの業務説明会です。選考の一環である点は念頭に置きつつ、当該官庁・機関や業務に関して、モヤモヤしたものがあれば、いくらでも質問して良いと思います。これは、志望度と意欲という面で、高い評価が採用担当の方にも届くはずです。

業務説明を受ける中でも、「これはどういうこと?」「ここを詳しく知りたい」という、アンテナを常に張り巡らせて、担当の方にどんどん当たっていきましょう。熱心に聞いている、意欲と熱意があるとみなされれば、必ず高い評価を受けられます。