海上保安学校は、京都府舞鶴市に本校がある海上保安庁の文教研修施設です。学生は入校と同時に海上保安庁の職員として一般職の国家公務員の扱いを受け、学費などは必要なく給与が支給されます。
海上保安学校は、海上保安庁の初級職員の養成機関です。卒業後は特殊技能を活かしたさまざまな第一線での活躍が期待されています。
また、所定の実務経験のあと、海上保安大学校の特修科に進むことで将来の幹部職員として活躍する道も開かれています。
海上保安学校には、船舶運航システム(航海・機関・主計の3コース)、航空、情報システム、海洋科学の4つの課程があり、情報システム課程は2年ですが、それ以外は1年の教育機関となります。
海上保安学校の試験内容と配点比率は以下の通りです。*は合否の判定のみを行う試験種目です。
- 船舶運航システム課程(全体を4とした各科目の配点比率)
- 1次試験:基礎能力試験(択一式)3/4、作文試験*
- 2次試験:人物試験(個別面接、性格検査)1/4、身体検査*、身体測定*、体力検査*
- 航空課程(全体を8とした各科目の配点比率)
- 1次試験:基礎能力試験(択一式)3/8、学科試験(択一式)3/8
- 2次試験:身体検査*、身体測定*、体力検査*
- 3次試験:人物試験(個別面接、性格検査)2/8、適性検査*、身体検査*
- 情報システム課程/海洋科学課程 (全体を8とした各科目の配点比率)
- 1次試験:基礎能力試験(択一式)3/8、学科試験(択一式)3/8
- 2次試験:人物試験(個別面接、性格検査)2/8、身体検査*、身体測定*、体力検査*
基礎能力試験(教養試験)は40題で、以下の出題分野と出題数が告知されています。
- 知能分野 20問:文章理解(7)、課題処理(判断推理のことです)(7)、数的処理(数的推理のことです)(4)、資料解釈(2)
- 知識分野 20問:自然科学(5)、人文科学(9)、社会科学(6)
実際の科目別出題数は、例年以下の傾向が見られます。
※国家一般職高卒/税務職員/国家専門職(高卒)は、日程が違えば問題自体は異なるものの、同日実施の試験では共通問題ですし、どの試験も科目別出題数は同じ傾向を示します。
- 知能分野(一般知能)20題:文章理解7(現代文4、英文2、古文1)、判断推理7、数的推理4、資料解釈2
- 知識分野(一般知識)20題:自然科学5(数学、物理、化学、生物、地学が各1)、人文科学9(日本史1、世界史2、地理2、思想・倫理1、国語2、英語1)、社会科学6(政治2、経済2、社会2)
海上保安学校の教養試験(基礎能力試験)の試験対策についても、高卒程度公務員の試験勉強で対応できます。一般的な高卒公務員の教材を使えば十分通用します。
高卒程度の公務員試験では、教養試験(基礎能力試験)は区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(高卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に高卒公務員・教養試験(基礎能力試験)の参考書をおすすめします。
学科試験は、航空/情報システム課程と海洋科学課程では試験内容が異なります。船舶運航システム課程には課されません。
航空/情報システム課程では数学13題、英語13題の26題、海洋科学課程では数学13題、英語13題、物理13題の39題が課されます。
作文試験は船舶運航システム課程のみ課されます。1題50分です。船舶運航システム課程では1次試験の合否は、基礎能力試験で決定します。作文試験は1次試験合格者を対象として評定した上で、最終合格者の決定に反映されます。
高卒程度公務員で課される作文試験対策についても、高卒公務員の参考書 作文試験で具体的な参考書の使い方を通じて試験対策を取り上げています。傾向と対策については、海上保安大学校/海上保安学校/気象大学校の作文試験で触れています。
人物試験(面接試験)は個別面接であり、航空課程は3次試験で実施されます。
体力検査は、船舶運航システム/航空/情報システムと海洋科学で試験内容が異なります。船舶運航システム/航空/情報システムでは上体起こし、反復横跳び、鉄棒両手ぶら下がりによる身体の筋持久力等についての検査、海洋科学では鉄棒両手ぶら下がりによる検査です。
【注意】海上保安学校の受験案内(募集要項)では、試験内容や合否の基準が詳しく明示されています。学科試験では、各科目ごとに出題範囲が指定されています。これらは受験案内(募集要項)で必ずしっかりと確認しましょう。