公務員試験・行政学の参考書

今回は、公務員試験における行政学の参考書を取り上げます。行政学の参考書は、各自が志望する公務員試験や、記述式試験の有無によって違ってくると思います。

行政学:択一式試験の参考書

行政学においても、志望する公務員試験で択一式試験が課される場合は、「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ7 行政学」が必須のおすすめ教材といえます。

公務員試験に必要な知識のインプット部分と、難易度別・頻出度別に整理された過去問演習が一体となった、「過去問集」と言われるメイン教材の定番です。真っ先に取り組んで、本試験までに5回でも何回でも繰り返し回してほしい良書といえます。

なお、本書がどうしても合わなかった方には、「公務員試験 本気で合格! 過去問解きまくり! 行政学」に替えることをおすすめします。

こちらのほうも、メイン教材として使える過去問集の良書です。比較すると、問題の精度の高さや網羅性は「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ7 行政学」が勝っていますが、「公務員試験 本気で合格! 過去問解きまくり! 行政学」はより優しく、ビジュアル的に見やすく読みやすい工夫がされていると思います。

どちらの過去問集も、国家総合職、地方上級、市役所大卒、国家一般職大卒、国家専門職(労基、国税、財務など)など、大卒程度の公務員試験に幅広く対応できます。大事なことは、どっちつかずにならず、これと決めた一方をしっかりとクリアすることです。

公務員試験の行政学の参考書(基本書)

公務員試験の行政学の参考書のうち、特に記述式試験が課される方には、基本書が必須だと思います。まずは基本書を何度でも繰り返し読み込み、行政学の全体像を俯瞰的に理解することが必要です。

こうした用途に最適な行政学の参考書は、公務員試験では「行政学 西尾勝 有斐閣」が定番中の定番としておすすめです。

本書は、西尾勝・東大名誉教授(1938-2022)による行政学の基本書です。最新版が2001年なのですが、国家総合職・一般職・地上の試験問題の「タネ本」として知られ、受験生の間でも根強い人気を誇る参考書です。

内容がやや古いといえ、法改正や判例の影響を受けやすい法律科目に比べると、行政学の基本や本質を一通り学ぶには、今でも十分通用する内容です。

その一方、真渕勝・京都大学名誉教授による「行政学 真渕勝 有斐閣」を使う受験生もおられます。こちらは670ページという、基本書にしては大容量ですが、最新動向を踏まえた参考書として十分おすすめできます。

比較すると「行政学 西尾勝 有斐閣」は、内容は古いものの、標準的な内容ですし、基本は一通り押さえられます。「行政学 真渕勝 有斐閣」は、近年の制度改革や行政学の研究成果を反映していますが、著者の個性や関心がより強く出ているとは思います。

ボリュームを考えると、440ページ程度で基本はしっかり押さえられる「行政学 西尾勝 有斐閣」をメインに据えつつ、最新の制度改革など足りない部分を「行政学 真渕勝 有斐閣」を部分的に補充目的で併用するのが良いかと思います。