今回は外務省専門職員の英語試験(外国語試験)対策を取り上げます。ここでは、1次試験の記述式試験(英文和訳、和文英訳)、および2次試験の英語面接試験(外国語会話)を取り上げます。
まず、外務省専門職員の採用試験で求められる語学力は、英検準1級、国連英検B級以上、TOEIC750点以上が目安といえます。もちろん、これは標準的な合格ラインの目安であり、これとは別に、外交官や公務員として必要な国際英語・ビジネス英語の能力が求められます。
1次試験の記述式試験は、英文和訳と和文英訳が2題づつ、合計2時間で行われます。問題文は、普通に高度な国際関係や外交関係の文書です。英語の能力そのものも重要ですが、国際政治や外交に関する知識と併せて、それらを英語で表現する力を勉強しておきましょう。
英語の記述式対策は、まずは過去問にとりかかって出題内容やレベルをつかむこと、そしてThe Economist、Financial Times、Foreign Affairsといった英字メディアに、国際面や政治・経済面を中心に日常的に読む習慣をつけることに尽きます。
2次試験の外国語会話は、面接試験です。平成24年度の国家公務員試験の制度改革以降、面接官がネイティブの方とは限らず、日本人の方による英語面接だったり、1人あたりの面接時間が短縮されたり、無駄の無い質問で終わったケースも見られます。
とはいえ、従来通りの外国語会話のように、一般的な面接試験と同じく20分程度かかる場合にも備え、志望動機や学生時代に打ち込んだこと、将来どんな公務員になりたいかといったことを英語でスムーズに応答出来るよう、会話力と想定問答を備えましょう。
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外務省専門職員の英語試験:過去問
外専の外国語試験(1次試験)の過去問については、外務省は公式サイトで、人事課あての郵送での請求方法を告知しています。外務省では、余りがあるものに限り希望者に提供するとしています。
一方、市販されているものでは、「公務員試験 外交官(外務省専門職員)問題と対策 法学書院」が挙げられます。本書は、専門記述(憲法、国際法、経済学)、時事論文、外国語試験(記述式:英語)の過去問と解答例を収録しています。
この本は、外専の過去問をすべて復元して収録しているわけではなく、改訂も不定期です。非常に古い過去問も多く、模範解答も誤りが見られることから、おすすめしにくい本ではあります。しかし、市販の教材で外専の過去問を掲載した参考書は他に無く、収録問題のチェックだけでも行って傾向を知る用途ならありかと思います。
外務省専門職員の英語試験:予備校
なお、外務省専門職員に特化した講座を開講している大手予備校には、LECとWセミナー(TACグループ)があります。このうち、LECは外専の包括的なコースのみですが、Wセミナーは、英語対策に特化した英語試験対策講義(5回)と英語面接対策講義(1回)という「英語試験対策パック」も提供しています。
外専の英語試験は独学だけではなかなか難しいものがあり、こうした予備校の活用も検討する余地はあるといえます。
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