福祉系公務員:専門試験の参考書

今回は、福祉系公務員の専門試験の参考書を取り上げます。ここでは、全ての福祉系公務員の専門試験で使える参考書や問題集など、福祉系科目を中心にさまざまな教材を一括して取り上げます。

まず、福祉系公務員試験の専門試験(択一式)は、社会福祉士国試(社会福祉士を取得するための国家試験)の試験範囲を勉強すれば、試験範囲をほぼ網羅することができます。一般的な福祉系公務員を目指すなら、これが合格を目指すための、標準的な目安といえます。

特に、地方上級(都道府県、政令指定都市、東京都特別区)や一般の市役所・町村役場などの地方公務員福祉職、および、法務省専門職員・人間科学区分(法務教官、保護観察官、矯正心理専門職)における専門試験(択一式)は、社会福祉士国試の勉強で十分に対応できます。

ただし、国家総合職(人間科学)、家庭裁判所調査官補、東京都や東京都特別区など一部の地方公務員福祉職では、専門試験で記述式を課します。この場合は、過去問の徹底研究や、社会福祉士国試をベースにしつつ、より踏み込んだ勉強が必要です。

なお、社会福祉士国試と福祉系公務員では、頻出分野が重なる部分が多いものの、そうでは無い部分も少なくありません。このため、社会福祉士国試向けに頻出項目を絞った教材が、福祉系公務員にとっても良い教材だとは限りません。

また、社会福祉士国試には、五肢択一式と五肢複択式の問題がありますが、公務員試験の場合は、特に志望先で告知されない限り、択一式といえば、全ての問題が五肢択一式というのが一般的です。

特に福祉系公務員では、法改正、制度変更、統計データなど、最新動向を反映した出題が多く、社会福祉士国試向けの教材も毎年改訂版が出ています。このため、購入の際は、なるべく最新年度版の購入をおすすめします。

今回の記事は、こうした社会福祉士国試と福祉系公務員との違いなども踏まえて、全ての福祉系公務員の専門試験で、独学でも十分使える福祉系科目の参考書などを、取り上げています。かなり長文記事ですが、是非とも最後までお読みになってください。

なお、今回の記事は、大学・短大・専門学校などで、福祉系科目や社会福祉士などの福祉系資格の学習経験がある方はもちろん、こうした学習経験が無い方にも使える参考書や問題集なども、どんどん紹介していきます。

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公務員福祉職・心理職の合格知識

公務員福祉職・心理職の合格知識」(三修社)は、福祉系・心理系公務員試験に必要な知識を、A5判・約270ページというコンパクトサイズに、過不足無く凝縮した参考書です。福祉系・心理系公務員受験者にとっては、真っ先に取り組んでほしい、定番中の定番となっています。

本書は、社会福祉(福祉)、社会学、心理学、教育学の各領域ごとに、公務員試験で問われる一般科目(概論)と主要な各科目を、章立てて収録しています。本編は○×の一問一答集で、それに加えて少しながら、記述式対策も取り上げた参考書です。

公務員福祉職・心理職の合格知識」は、国総の人間科学区分、家裁補・総合職大卒、矯正心理専門職、法務教官、保護観察官、地方上級(都道府県、政令指定都市、東京都特別区)や市役所・町村役場の福祉職・心理職など、あらゆる福祉系・心理系公務員の方におすすめできる参考書といえます。

ただし本書は、長い間に渡って改訂されておらず、法改正、制度変更、各種統計など、内容がとても古い部分は、各自で書き込むなり、訂正・補完する必要があります。にも関わらず、受験生の間では、今でも非常に根強い人気を誇っています。

まず「公務員福祉職・心理職の合格知識」は、福祉系・心理系公務員に特化した、唯一の市販教材です。公務員試験の実際の過去問をベースにした、試験に出る範囲の精度が非常に高く、ほんの少しながら記述式対策も掲載している点は、特に独学者にとっては、貴重な教材といえます。

本書は、一問一答式の暗記ブックに、記述式対策が少し加味された要点整理型参考書です。本書だけでは公務員試験に全く足りませんが、入門書・導入本と割り切れば、公務員試験特有の勉強すべき範囲や、試験問題の癖を掴むのに、最も優れた参考書だと思います。

公務員福祉職・心理職の合格知識」は、福祉系・心理系公務員試験の傾向と相性が非常に良く、公務員試験では「どこからどこまで出るのか」「どんな問題でどういう感じで問われるか」を、十分に理解することが出来る参考書です。

本書は、コンパクトなサイズで300ページにも満たないボリュームです。随時携行して何度でも繰り返し、他書に取り組む際には、どの科目や項目を重点的に取り組むべきか、公務員試験に合わせるための羅針盤的な使い方も、十分におすすめできます。

公務員福祉職・心理職の合格知識」は、あらゆる福祉系・心理系公務員試験に対応していますし、手始めの導入本としても、直前期の最終チェックとしても、全ての受験者におすすめできる、強力な要点整理型参考書だといえます。

福祉系公務員の参考書:過去問題集

福祉系公務員試験で社会福祉士国試の参考書を使う場合は、まずは過去問題集と呼ばれる、社会福祉士国試の過去問で構成された問題集に、必ず取り組むことをおすすめします。

特に、社会福祉士国試の過去問は、公務員試験の択一式の試験対策に使えます。一般的な福祉系公務員試験と社会福祉士国試は、試験内容や難易度が似通っており、社会福祉士国試の過去問題集は絶対に外すべきでは無い、必須の教材です。

ここでは、社会福祉士国試の過去問題集を3冊おすすめします。どれも福祉系公務員試験に使える良書ですが、それぞれに特徴があります。

どれにするか迷ったら、「社会福祉士国家試験過去問解説集」(中央法規)がおすすめですが、まずこれをやってみて、合わなかった場合は、他の問題集に変えても構いません。むしろ重要なのは、最終的にはどれか1冊に絞り込み、必ず徹底的にやりきることだと思います。

社会福祉士国家試験過去問解説集

社会福祉士国家試験過去問解説集」(中央法規)は、直近の社会福祉士国試5年分=750問を掲載し、一般的な大学ノートと同じB5サイズの大きさで、福祉系公務員試験にも使える、本格的な過去問題集です。

本書は、社会福祉士国試を実施された年度順に掲載しつつ、どの科目がどこからどの問題までかについては、目次で一覧表示されており、科目ごとの攻略も出来ます。

中央法規の問題集は、社会福祉士国試の受験生の間でも、ここで取り上げる過去問題集の「社会福祉士国家試験過去問解説集」は「過去問」、詳しくは後述する「社会福祉士国家試験模擬問題集」は「模擬問」という略称で知られており、幅広く使われている定番の過去問題集とオリジナル問題集です。

社会福祉士国家試験過去問解説集」は、社会福祉士国試5年分のうち、直近3年分の過去問450問を、原則1問1ページ掲載し、1つの1つの選択肢に対して、何がどう正しいか(間違っているのか)に関する、詳しく丁寧な解説をつけています。更に、その前の過去問2年分300問も、過去問と解答を掲載しています。

このため、基本的な知識のインプットは、社会福祉士国試19科目を1冊にまとめた参考書でスマートに済ませる一方、この「社会福祉士国家試験過去問解説集」にかなりの時間をかけて、分からなかった問題や選択肢1つ1つの知識を潰し、参考書の該当箇所も参照しながら、相当量の知識の補充を行うことができます。

また、「社会福祉士国家試験過去問解説集」は、社会福祉士国試19科目それぞれについて、どの項目から何回出ているか、出題実績がまとまっています。福祉系公務員試験と社会福祉士国試の出題科目や頻出項目は同じでは無いですが、どの科目ならどこが聞かれるかの参考になります。

本書は、文章主体の教材ですが、二色刷りで見やすく、赤シートとマークシートがついています。赤シートを使えば、答えを隠して解いたり、覚えた事柄の復唱に使えます。また、マークシートをコピーして何度も模擬演習を行うなど、記憶の確認と定着に活用できます。

社会福祉士国家試験過去問解説集」は、毎年4月下旬~5月上旬に最新年度版が出ており、試験後の法改正など、最新動向を反映して改訂されています。全ての問題が直近の動向に合わせた改訂版のため、最新年度版の購入をおすすめします。

本書に比べると、過去問は科目ごとに並んでほしいとか、図表やイラストが多いほうがいいという方は、後述する他の過去問題集も検討すべきですが、本書はテキスト中心で懇切丁寧な解説ですし、実に真面目に作られた過去問題集として、十分おすすめできます。

社会福祉士国家試験過去問解説集」は、社会福祉士国試の過去問題集で最も人気が高く、王道の定番だといえます。公務員試験福祉職で使う場合も、どれが良いか迷ったとか、分からないという方は、まずこれをおすすめします。

社会福祉士国家試験過去問解説集」は、公務員試験福祉職を目指す場合、社会福祉士国試の勉強を初めて行う方や、福祉系科目の学習経験が無い方でも、過去問を選択肢1つ1つまで徹底的に検証することで、知識ゼロの基礎から本試験レベルまで力を付けるのには、最も最適な過去問題集だと思います。

クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説

クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説」(メディックメディア)は、社会福祉士国試4年分の過去問(600問)と解説を掲載した過去問題集です。B5サイズの大きさで、過去問ごとの難易度が分かりますし、視覚的な暗記が可能です。

本書は、年度ごとではなく、科目ごとに過去問を掲載しています。テーマごとにまとめて解くことができるため、公務員試験においても、掲載順にこだわらず、頻出分野や苦手な分野から効率よく攻略することが可能です。

さらに「クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説」では、本書掲載の4年分とは別に、更に過去4年分の過去問を、章扉ごとのQRコードを読み取って、類似問題を演習する形式で、分野ごとに徹底攻略することができます。

本書は、全ての問題について、メディックメディアが自己採点サービスに基づいて独自に算出した、問題ごとの正答率がついています。これに基づき、正答率が高い順に優先度を3つ星で表した、全問題の優先度一覧が掲載されています。

もちろん、福祉系公務員試験と試験範囲が同一では無い点に留意すべきですが、「クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説」なら、絶対に落とすべきでない最優先の問題(=正答率が高い問題)はどこか、何から手を付けるべきかの手がかりになります。

本書は、科目ごとに掲載され、正答率が明記されていることで、分野ごとにメリハリをつけて、問題集の順番通りでは無く、正答率も参考にしながら、頻出分野や苦手分野から重点的に取り組むのにも最適です。

クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説」は、二色刷りで読みやすく、選択肢ごとの簡潔な解説に加えて、必要な知識をイラストや図表で整理した「基本事項」や「補足事項」も掲載されています。もちろん、法改正や統計など最新の情報を踏まえて、問題文も解説も改訂されているため、最新年度版の購入をおすすめします。

総じて言えば本書は、福祉系公務員試験で使う場合、多くの問題量をこなし、徹底的に問題演習したい方に向いています。また、同種の過去問題集に比べて、イラストや図表が多めであり、ビジュアル的に覚えていきたい方にもおすすめです。

特に「クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説」は、福祉系公務員試験を目指す場合、既に福祉系科目や社会福祉士国試の学習経験がある方で、効率よく大量の問題演習を繰り返すのには、最も最適なおすすめの過去問題集だといえます。

その一方、本書の解説やイラスト、図表なら、福祉系科目の初学者の方でも、併用するテキストでインプットをしっかり行えば、十分に使える分量だと思います。その意味では、先ほど挙げた「社会福祉士国家試験過去問解説集」が合わなかった方が、本書に変えることも、おすすめできます。

また、「クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説」は、同社の「社会福祉士国家試験のためのレビューブック」の参照ページを掲載しています。メインテキストで「レビューブック」を使っている方にも、本書とコンビでの併用がおすすめです。

みんなが欲しかった! 社会福祉士の過去問題集

みんなが欲しかった! 社会福祉士の過去問題集」(TAC)は、大手資格受験予備校TACから、毎年4月下旬~5月初めに出ている、社会福祉士国試の過去問題集です。

本書は、直近1年分の過去問を別冊として添付する一方、それより前の過去問10年分から毎年だいたい500~600問を厳選し、科目別に掲載した過去問題集です。ページ数は相当ですが、B5判より小さいA5判ですし、重たいながらもコンパクトなサイズです。

みんなが欲しかった! 社会福祉士の過去問題集」は、全問題にA・B・Cで3段階の重要度がついており、頻出問題だけでなく、C問題も適宜載せることで、試験範囲をほぼ網羅しています。このため、全ての問題をこなせば、試験勉強の漏れが生じることは、ほとんどありません。

また本書は、全ての問題に、同社の「みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書 共通科目」「みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書 専門科目」への参照部分が明示されています。メインテキストに「社会福祉士の教科書」シリーズを使っている方は、併用しやすいと思います。

もちろん「みんなが欲しかった! 社会福祉士の過去問題集」でも、法改正や統計などの最新動向に伴い、問題文や解説が毎年改訂されています。購入の際は、最新年度版の購入をおすすめします。

本書は、見開きで左ページに問題、右ページに解説という構成で、選択肢ごとの解説も簡潔でスマートにまとまっており、ある程度知識のある方や、テキストでしっかりインプットした方なら、どんどんサクサクと、問題演習をスムーズに進めやすい構成です。

また、右側の解説・解答ページには、図表を交えて、重要事項をまとめたポイントチェックがあります。二色刷りで赤シートがついており、右側の解答・解説や、ポイントチェックを隠しながら、問題演習や記憶した事柄の確認・定着に活用できます。

みんなが欲しかった! 社会福祉士の過去問題集」は、解説こそシンプルですが、直近10年分の過去問から厳選した良問を科目別に揃えた、非常に優れた過去問題集です。関連事項のポイントチェックがついていますし、たくさんの演習量をこなしつつ、要点チェックを行うことが出来ます。

本書は、福祉系公務員試験に使うなら、やはり徹底して何度も問題演習する用途に向いています。その意味では、「クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説」に近い問題集ですが、「社会福祉士国家試験過去問解説集」や「クエスチョン・バンク」が合わなかった方にもおすすめできます。

また、メインのテキストにTACの「みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書 共通科目」「みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書 専門科目」を使っている方にも、効率よく勉強を進められるため、「みんなが欲しかった! 社会福祉士の過去問題集」との併用がおすすめできます。

福祉系公務員の参考書:メインテキスト

福祉系公務員の参考書のうち、問題を解くのに必要な知識や解き方(解法)をインプットするのが、メインテキストです。メインテキストでインプットを行いつつ、過去問題集を並行することで、全くの初学者でも、問題を解く力を付けることができます。

メインテキストは、学校などで福祉系科目や福祉系資格(社会福祉士など)の学習経験が無い方や、福祉系科目に関して全く初めて学ぶという方は、必ず用意して過去問題集と併用し、インプットと問題演習を連動させることで、効率よく勉強しましょう。

その一方で、福祉系科目・資格の学習経験がある方は、まず先に過去問題集から取り組んでも良いでしょう。その際も、忘れていた事柄や解けなかった問題など、該当箇所をその都度調べて、知識の補充(フィードバック)をその場で行う用途に、メインテキストの併用をおすすめします。

なお、福祉系公務員の参考書で社会福祉士国試のテキストを使う場合、共通科目(社会福祉士と精神保健福祉士の国試の共通科目)と専門科目(社会福祉士国試のみ課される科目)の2分冊に分かれた参考書と、社会福祉士国試19科目を1冊にまとめた参考書があります。

まず、2分冊に分かれた参考書は、試験勉強の漏れが少なく、網羅性で勝ります。また、初学者にも優しく、丁寧で詳しい記述ですから、理由や背景をよく理解した上で、重要事項が覚えられます。ただし、何度も繰り返して各科目の全体像を掴んだり、時間的な余裕が無い方が、短期間に効率よく勉強する使い方は不向きかもしれません。

社会福祉士国試を1冊にまとめた参考書は、時間的な余裕が無い場合でも、コンパクトかつスマートに勉強できる一方、網羅性では劣ります。また、説明が簡潔でわかりにくい箇所があったり、理解を深めて暗記する使い方は、不向きかもしれません。

今回紹介するメインテキストのうち、どれが良いか分からない、迷ったという方は、「社会福祉士国家試験受験ワークブック 中央法規」シリーズ(2分冊)が最も定番で、実に手堅い堅実派の参考書としておすすめです。

それよりも、もっと図表やイラストを多用した参考書が欲しい方は、「みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書」シリーズ(2分冊)がおすすめです。この2シリーズならどちらを選んでも、余裕のある方なら、一通りの試験範囲をまんべんなく勉強できます。

また、試験範囲をそれなりに押さえつつ、メインテキストを1冊で済ませたい場合は、「社会福祉士国家試験のためのレビューブック」をおすすめします。こちらも、三色刷りで図表やイラストを多用した、実に優れた参考書です。

その一方、時間的な余裕が無い方となると、網羅性は劣るものの、「見て覚える!社会福祉士国試ナビ」を「書いて覚える! 社会福祉士国試ナビ穴埋めチェック」と併用して、インプットを必要最小限にとどめる勉強もおすすめです。

さらに、本試験まで余裕の無い方でも、1冊で重要事項に絞ったインプットから確認・定着まで済ませるなら、今回紹介する唯一の穴埋め書き込み式参考書、「ユーキャンの社会福祉士 書いて覚える!ワークノート」をおすすめします。

どの参考書から手にした場合でも、自分に合わなかったと思ったら、躊躇なく他の参考書に替えましょう。ただし、メインテキストの場合も、最終的には、これと定めた1冊を何度でも徹底的に勉強し尽くすことが、最も重要です。

もちろん、購入の際は、最新年度版の購入をおすすめします。特に福祉系公務員試験では、法改正や統計、制度変更などの最新動向は、試験問題に反映されやすい傾向があります。

メインテキストは、あくまでも問題を解くのに必要な知識をインプットするものです。実際の本試験で解く力を身につけるためには、過去問題集などの問題集が絶対に必要だといえます。

社会福祉士・精神保健福祉士国家試験受験ワークブック

社会福祉士国家試験受験ワークブック 中央法規」シリーズは、福祉系公務員の方には「社会福祉士・精神保健福祉士国家試験受験ワークブック 共通科目編」「社会福祉士国家試験受験ワークブック 専門科目編」の2分冊が使える、メインテキスト用途の参考書です。大きさは、B5判です。

(この他にも、「精神保健福祉士国家試験受験ワークブック 専門科目編」がありますが、福祉系公務員で使うことは無いと思われるため、ここでは割愛します)

本シリーズは、福祉系公務員の方にとっても、社会福祉士国試で2分冊に分かれた参考書の中でも、必要な知識はほぼ完全に網羅したと言って良い、定番中の定番テキストです。

2分冊のどちらの参考書も、科目ごとに、出題基準ごとの出題実績を一覧にした「傾向と対策」、本書の本編にあたる「重要事項」、覚えた事柄をその場でチェックできる「一問一答」で構成されています。

社会福祉士・精神保健福祉士国家試験受験ワークブック 共通科目編」「社会福祉士国家試験受験ワークブック 専門科目編」どちらの参考書も、重要事項は、図表も交えつつ箇条書きで記述されており、どんどん暗記できる構成になっています。

本シリーズは二色刷りで見やすく、付属の赤シートで覚えた事柄を即座に確認できるところもメリットといえます。福祉系公務員の場合も、全くの基礎知識から合格に必要な知識まで、試験勉強漏れが無く、着実に身につけることができる良書といえます。

社会福祉士国家試験受験ワークブック 中央法規」シリーズは、同種の参考書の中でも、奇をてらうこと無く、福祉系科目を手堅く学ぶことが出来る、正統派のテキストだといえます。地道にコツコツ勉強を続ければ、必ず実力が身につく、典型的なメインテキストといえます。

もちろん、法改正、新制度、統計など、最新情報を踏まえて、毎年5月下旬~6月初めに新年度版が発売されます。購入の際は、最新年度版を購入しましょう。

社会福祉士・精神保健福祉士国家試験受験ワークブック 共通科目編」「社会福祉士国家試験受験ワークブック 専門科目編」は、知識ゼロでも着実に理解できる、非常に堅実なメインテキストとして、真っ先におすすめできる優れた良書といえます。

みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書

みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書」シリーズ(2分冊)(TAC)も、共通科目編と専門科目編の2分冊に分かれた、メインテキスト用途の参考書です。大きさはA5判で、B5判よりも小さいサイズとなっています。

本シリーズは、フルカラーレイアウトで、イラストや図表が満載です。これにより、試験勉強が単調にならず、飽きること無く、重要事項はメリハリを付けて理解することが可能です。

みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書 共通科目編」「みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書 専門科目編」ともに、科目をチャプター、科目内の項目をセクションという区切りで掲載し、試験範囲は漏れなく収録しています。

各セクションでは、重要度をA・B・Cの3段階で表示しています。また、要点整理に加えて、重要事項のまとめ、用語説明、補足事項で知識を補強できます。更に、過去問をベースにした「例題」も掲載されており、その場で理解度をチェックできます。

みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書」シリーズ(2分冊)は、巻末に索引がついています。このため、過去問題集を併用する場合、知らなかった点や分からなかった問題があったときに、その都度調べて知識の補充を行う用途にも使えます。本書も、毎年4月下旬に新年度版が発売されます。

また、過去問題集に同社の「みんなが欲しかった! 社会福祉士の過去問題集」を使っている方は、本書と併用することで、より効率よく、大きな学習効果を得られると思います。

この参考書は、いかにも教科書的な、文章主体の参考書とは異なり、図表やイラストを多用することで、無理なく視覚的に覚えることができる参考書です。付属のチェックシートで、重要語句を隠して記憶の確認を行うこともできます。

みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書 共通科目編」「みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書 専門科目編」は、福祉系公務員試験にも十分使えますし、文字を追うよりも、直感的にインプットしたい方におすすめできる、優れた参考書だといえます。

社会福祉士国家試験のためのレビューブック

社会福祉士国家試験のためのレビューブック」(メディックメディア)は、毎年4月下旬に発売され、社会福祉士国試の全ての試験範囲を、B5判の1冊にまとめた、非常に優れた人気の参考書です。

本書は、福祉系公務員試験で役立つほか、社会福祉士国試対策や、大学・短大などの講義でも幅広く使われています。もちろん本書は、法改正や統計数値など、毎年改訂されています。購入の際は、最新年度版をおすすめします。

社会福祉士国家試験のためのレビューブック」は、直近10年分の過去問に基づき、社会福祉士国試に出る所だけを抽出して、それを科目ごとに無理なく無駄なく、幹→枝葉の構成で、必要な知識だけを体系的に学び取ることができる構成となっています。

また、頻出項目は3段階の星印で表示しており、直近5年間で問われた内容は青字、重要なキーワードは赤字でマークしています。このため、どこを覚えるべきか、直感的にわかるデザインとなっています。

社会福祉士国家試験のためのレビューブック」は、本文は重要語句の赤字・青字を交えた3色刷りで読みやすく、イラストや図表を交えて飽きることが無く、視覚的に覚えていくことができる参考書です。

また、本書は、過去問題集として、同社の「クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説」を使っている方にもおすすめできます。2冊を併用することで、互いに連動した相乗効果は大きいと思います。

本書は、B5判で約1000ページですが、社会福祉士国試で2分冊という参考書は、2冊合わせて1500~2000ページ程度が普通です。それに比べれば「社会福祉士国家試験のためのレビューブック」は、忘れにくい学習が可能な記述量と、無駄な部分は削ぎ落としたコンパクトさを両立しています。

この参考書は、社会福祉士国試の合格のために必要不可欠な部分は外さないというテキストです。このため、本書が最も合うのは、メインテキストは1冊で済ませたいが、ある程度きちんとした網羅性の上で暗記したい方だと思います。

社会福祉士国家試験のためのレビューブック」は、福祉系公務員から見ても、各科目の重要事項は一通り、よく理解した上でクリアしたい、それでも2冊は要らないという方には、十分におすすめできる良書だといえます。

見て覚える!社会福祉士国試ナビ

見て覚える!社会福祉士国試ナビ」(中央法規)は、AB判サイズ(A4判より上下幅が低い)で、社会福祉士国試全ての試験範囲を1冊にまとめた参考書です。各科目の些末な細部に立ち入らず、試験範囲の全体像から重要事項を俯瞰できる参考書です。

本書はオールカラーで非常に見やすく、ほぼ図表とイラストで社会福祉士国試の全試験範囲をまとめた参考書です。とはいえ中央法規の参考書らしく、要点だけは間違えないよう、それなりの記述量で説明された、バランスの良い参考書です。

見て覚える!社会福祉士国試ナビ」は、毎年6月下旬~7月初めに、改訂版が出ています。福祉系公務員としては、時期的に最新年度版が合いにくいタイミングなのが難点ですが、同種の参考書の中では、網羅性とコンパクトな内容を最も効果的に両立させた良書といえます。

社会福祉士国試を1冊にまとめた参考書は、1000ページ程度行くことも普通ですが、この参考書は、AB判サイズという大きさを活かし、400ページ弱で紙面いっぱいに分かりやすく、実にコンパクトにまとめています。

見て覚える!社会福祉士国試ナビ」は、社会福祉士国試の19科目というくくりにこだわらず、約90の単元に整理して掲載しています。これは、福祉系公務員にとっても、公務員試験の必要な単元だけを重点的に勉強しやすく、大きなメリットだといえます。

本書は、図表やイラストを多用したスマートな内容で、文章は必須事項にとどめています。理由や背景を踏まえた、深い理解に基づく暗記には不向きですが、とにかく重要事項の結論をどんどん頭に入れていく用途には、十分おすすめできます。

見て覚える!社会福祉士国試ナビ」は、大きいサイズでページ数は最小限に押さえており、効率よく暗記できます。公務員試験まで時間的な余裕の無い方や、最低限の要所は漏れなくザックリと勉強したい方には、非常に優れた参考書としておすすめです。

なお、本書は非常にコンパクトな構成となっているため、余裕のある方は、覚えた知識のチェックとして、書き込み式で本書に準拠した、穴埋め問題集の「書いて覚える! 社会福祉士国試ナビ穴埋めチェック」の併用をおすすめします(この問題集について、詳しくは後日更新します)。

ユーキャンの社会福祉士 書いて覚える!ワークノート

ユーキャンの社会福祉士 書いて覚える!ワークノート」(U-CAN)は、毎年4月下旬に発売される、社会福祉士国試の書き込み式テキストです。今回メインテキストとして取り上げた参考書の中では、唯一の書き込み式参考書です。

本書は、社会福祉士国試の過去問の直近10年以上の分析に基づき、B5判で約630ページという比較的コンパクトな分量に、重要事項は漏らさず凝縮した、効率良い参考書といえます。二色刷りで見やすく、図表やイラストも交えています。

ユーキャンの社会福祉士 書いて覚える!ワークノート」は書き込み式といっても、原則として見開きの左ページが、一般的な参考書と同じテキスト部分となっており、右ページが、学習事項を確認するための書き込み式穴埋めページとなっています。

また、各テーマはレッスンというまとまりになっており、右ページには、過去問をベースにした一行問題や一問一答を交えています。見開きページが学習単位となっており、学習計画や進み具合の確認がしやすい構成といえます。

ユーキャンの社会福祉士 書いて覚える!ワークノート」は、時間的な余裕が無い方でも、重要事項の暗記から確認・定着まで、1冊で済ませたい方におすすめです。参考書を目で追うだけでは飽きてしまう方や、手で書いて覚える参考書が欲しい方にも十分おすすめできる、優れた良書といえます。

福祉系公務員の参考書:オリジナル問題集

福祉系公務員の参考書のうち、ここでは、「予想問題集」「模擬問題集」など、各社によって名称は異なりますが、それぞれ独自に作成した、社会福祉士国試向けのオリジナル問題で構成された問題集を取り上げます。

今回この記事でも、特に明記する場合を除き、実際の過去問に基づく問題集は「過去問題集」と呼び、オリジナル問題に基づく問題集は、単に「問題集」と呼ぶことにしています。

福祉系公務員の参考書に、社会福祉士国試の教材を使う場合、「メインテキストと過去問題集を併用して実力を付ける」のは、絶対必要な必要最低限の勉強です。これは、必要な知識のインプットと、知識を使って問題を解く力の確認となります。

その一方、ここで紹介する問題集は、テキストや過去問から離れて、さまざまな問題を解き進めることで、本試験レベルの問題を解きこなす実力を固めるものです。

このため、福祉系公務員でも、メインテキストや過去問題集(=必ず取り組むべき必須教材)を何度も繰り返して徹底理解した方は、演習量を上積みして、合格を確実にするために、時間的な余裕があれば、是非とも取り組んでほしい教材といえます。

なお、福祉系公務員まで時間的な余裕が無い方にも、実力測定のために、オリジナル問題集を解いてみるだけでも、十分におすすめですし、有益だと思います。

一般的に各社とも、オリジナル問題集は、本試験問題より難しめに作成しています。その一方、福祉系公務員の合格者は、行政系など他の区分に比べて、得点率が高い傾向があります。

このため、福祉系公務員の方は、試験勉強を一通りこなした時点で、問題集を解いてみて、自分の到達度を測ることがおすすめです。目安としては、何も見ずに解けた問題が、6~7割以上なら、今の試験勉強を続ければ十分良いと思いますし、5割未満なら、試験勉強をしっかりやり直す必要があるといえます。

福祉系公務員の方なら、問題集は、本来なら必須教材をクリアしたあとに、試験直前期に何度も繰り返して演習量を上積みし、本試験に向けた力をつけるものです。それ以外でも、こうした実力測定に使ってみることも、十分におすすめできます。

ここで、2冊の問題集を紹介します。まず、後述通り、問題集本来の使い方には、「社会福祉士国家試験模擬問題集」(中央法規)が適しており、社会福祉士国試の受験生の間では、「模擬問」と呼ばれる定番問題集です。

その一方、「みんなが欲しかった!社会福祉士の直前予想問題集」(TAC)は、予想問題集としてよりも、択一式試験をはじめ、論文(作文)試験や面接試験、記述式試験の対策など、最新動向を反映した総チェックに活用できます。

問題集としてはどちらか1冊に絞り込むべきと思いますが、特に法改正や統計情報など、最新動向の確認を行う機会がなかった方は、「みんなが欲しかった!社会福祉士の直前予想問題集」の最新・頻出項目をまとめた部分だけでも取り組むことがおすすめです。

社会福祉士国家試験模擬問題集

社会福祉士国家試験模擬問題集」(中央法規)は、毎年6月下旬に発売される、社会福祉士国試の定番問題集です。本番の社会福祉士国試と同様に、1回150問ずつ3回分=450問を収録し、法改正や統計情報など、最新情報を盛り込んでいます。

本書はマークシートも付属しています。福祉系公務員で使う場合、模擬問題やマークシートを何回分かコピーしておき、試験勉強中、区切りの良いところで、学習済みの科目や単元の問題を、時間を測って何度も解いてみる使い方もおすすめです。

また、本書の解説・解答編は、取り外しが可能で、図表も交えながら、全ての選択肢に詳しい解説がついています。重要語句は色文字になっており、付属の赤シートを使えば、頻出キーワードの復唱にも役立ちます。

社会福祉士国家試験模擬問題集」は、直前期に演習量の上積みで実力を固めるという、本来の用途以外にも、試験勉強を通じた実力測定や、時間的な余裕が無い方が、過去問の演習不足を補う用途にも、十分におすすめできる、実に優れた問題集です。

みんなが欲しかった!社会福祉士の直前予想問題集

みんなが欲しかった!社会福祉士の直前予想問題集」(TAC)は、毎年8月下旬に最新年度版が発売され、社会福祉士国試と同じ1回150問を2回分=300問を収録し、各回が取り外し可能になっており、マークシートも付属した予想問題集です。

本書は、2回分の予想問題とは別に、目前に迫った社会福祉士国試を対象に、頻出項目の解説、最新の法改正や統計情報、科目別の頻出テーマミニ講義という、直近の動向を踏まえた最新情報も、例年40ページ程度にまとめて収録しています。

この部分は、本来の予想問題集とは違いますし、あくまでも社会福祉士国試が対象ですが、二色刷りで図表を交えて見やすく、福祉系公務員にとっても、最新のアップデートに基づく、試験勉強の総ざらいに大いに役立ちます。

このため、「みんなが欲しかった!社会福祉士の直前予想問題集」は、予想問題集としては分量が少なめですが、論文(作文)試験、面接試験、記述式試験などに、最新情報を反映した専門科目の総ざらいとしておすすめできる良書だと言えます。

福祉系公務員の参考書:要点整理型参考書

福祉系公務員の参考書として、社会福祉士国試の要点整理型参考書は、試験勉強を通じたスキマ時間や、試験勉強を一通りこなした直前期などに、○×や穴埋め形式などで、合格ラインを確実に超えたい方が、学習事項の確認と定着を行うものです。

福祉系公務員を目指す場合、メインのテキストや過去問題集の理解が不十分な方や、時間的な余裕が無い方は、要点整理型参考書は絶対に必要とは思いませんし、まずは必須教材であるメインのテキスト・過去問題集の攻略に時間を割くべきでしょう。

その一方、要点整理型参考書は、時間的な余裕の無い方でも、少しの空き時間を有効活用するのに適していますし、メインのテキストや過去問題集を徹底的にやり尽くした方が、直前期の理解度チェックをサクサクと全体的に行うのに向いています。

福祉系公務員なら、要点整理型参考書は必須教材とまでは言いませんが、少しの空き時間を試験勉強に埋めたい方や、試験勉強を通じて理解度チェックを随時行う用途なら、携行しやすいサイズが一般的ですし、是非とも投入を検討してほしいといえます。

社会福祉士国家試験過去問 一問一答+α

社会福祉士国家試験過去問 一問一答+α」シリーズ(中央法規)は、「社会福祉士・精神保健福祉士国家試験過去問 一問一答+α 共通科目編」と「社会福祉士国家試験過去問 一問一答+α 専門科目編」の2分冊がある、○×問題の一問一答集です。

本書は、過去問直近10年分の頻出問題に基づき、過去問を極力加工することなく、社会福祉士国試の科目別に、一問一答に編集したものです。もちろん、法改正・制度変更・統計など、最新動向を踏まえて、毎年7月下旬に最新年度版が出ます。

社会福祉士・精神保健福祉士国家試験過去問 一問一答+α 共通科目編」と「社会福祉士国家試験過去問 一問一答+α 専門科目編」は、2冊合計で約1000ページ、3200問以上も収録しています。二色刷りでテキスト中心の堅実な一問一答集として、解説は簡潔に徹しており、どんどん量をこなしていく用途に最適です。

社会福祉士国家試験過去問 一問一答+α」シリーズは、B5判(一般的な大学ノートのサイズ)より小さいA5判で、分厚いですが携行しやすく、試験勉強を通じたスキマ時間に、1問あたりの時間をかけること無く、サクサク理解度チェックを行う用途におすすめです。

この参考書は、網羅性では最も優っている要点整理型参考書といえます。過去問ベースとはいえ、社会福祉士国試の試験範囲を隅々までカバーしており、ここまでやりきれば、福祉系公務員においても、まず勉強漏れは無いと思います。

社会福祉士・精神保健福祉士国家試験過去問 一問一答+α 共通科目編」と「社会福祉士国家試験過去問 一問一答+α 専門科目編」は、試験勉強をしっかりやってきた方や、少しの時間も有効利用したい方の、膨大な理解度チェックにおすすめです。

書いて覚える! 社会福祉士国試ナビ穴埋めチェック

書いて覚える! 社会福祉士国試ナビ穴埋めチェック」(中央法規)は、毎年7月下旬に発売される、穴埋め式の問題集です。A5判で300ページ弱と、常に携行しやすく、スキマ時間に使えます。

本書は、社会福祉士国試を科目別では無く、約30の単元に整理しており、福祉系公務員でも、1から順では無く、重要な頻出箇所から勉強しやすいと思います。また、穴埋め問題がメインですが、五肢選択問題や、過去問ベースの問題も掲載しています。

書いて覚える! 社会福祉士国試ナビ穴埋めチェック」は、二色刷りで見やすく、赤シート付属で、同じページの左側に問題文、右側に解答という構成です。単元ごとの構成で、科目間の重複を除外しつつ、試験範囲の漏れが無い網羅性を確保しています。

中央法規では、この「書いて覚える! 社会福祉士国試ナビ穴埋めチェック」を、先に紹介した「見て覚える!社会福祉士国試ナビ」に準拠した問題集だと位置づけています。もちろん、「国試ナビ」との併用で効率アップだと思いますが、その他の参考書がメインテキストの方でも、本書は大いに役立つと思います。

書いて覚える! 社会福祉士国試ナビ穴埋めチェック」は、コンパクトさと網羅性を両立させた、実に優れた要点整理型参考書だと思います。きっちり理解度チェックをやりたい方も、時間的な余裕がない方でも、どなたにもおすすめできる良書です。

みんなが欲しかった! 社会福祉士の一問一答+穴埋めドリル

みんなが欲しかった! 社会福祉士の一問一答+穴埋めドリル」(TAC)は、科目別に構成され、科目ごとの要点整理部分と、見開きの左ページが穴埋め問題、右ページが解答・解説という、穴埋め問題の一問一答集です。

本書は、A5判で330ページ弱と非常に携行しやすく、スキマ時間の活用に最適な要点整理型参考書です。二色刷りで見やすく、赤シートもついており、穴埋め部分を書き込むのでは無く、暗唱して何度も繰り返し使うのも良いでしょう。

みんなが欲しかった! 社会福祉士の一問一答+穴埋めドリル」は、難問・奇問や、科目間で重複する問題を極力除外することで、10年を超える過去問から一問一答形式へ忠実に編集しつつ、社会福祉士国試の合格ラインと言われる6割前後を確実にすることを目的にした教材です。

本書は、社会福祉士国試にとっての頻出テーマを絞り込んだものであり、福祉系公務員の出題傾向と同一とは限らない点に留意すべきです。とはいえ、網羅性よりも効率性を優先したことで、時間的な余裕が無い方にもおすすめできる良書だと思います。

また、本書の最新年度版は、以前は6月下旬に出ていましたが、2023年版(2022年発売)以降は、4月下旬に発売されている点も、福祉系公務員にとっては、良いタイミングだと思います。

みんなが欲しかった! 社会福祉士の一問一答+穴埋めドリル」は、社会福祉士国試の効率性を重視した穴埋め問題集です。福祉系公務員でも、時間的な余裕が無い方や、試験勉強が不十分という方でも、一通りは理解度チェック出来る要点整理型参考書です。

福祉系公務員の参考書(国総、家裁の場合)

国家総合職(人間科学)では社会福祉総論、社会福祉各論、福祉計画論、地域福祉論、家庭裁判所調査官補・総合職大卒では1次試験で社会福祉学概論、社会福祉援助技術、地域福祉論、2次試験で社会福祉援助技術、児童福祉論、高齢者福祉論が出題科目にあります。

これら国総・家裁の福祉系科目には、まずは今まで述べてきた、福祉系公務員としての専門試験の試験勉強の上に、「社会福祉学 (New Liberal Arts Selection) 有斐閣」を追加して読み込むことをおすすめします。また本書は、他の公務員試験の方も、記述対策や参照用参考書として追加しても良いと思います。

また、中央法規の科目別テキストである「新・社会福祉士養成講座」シリーズから該当科目に取り組むことをおすすめします。どれに取り組めばよいかの目安は、以下のとおりです。

国総・家裁の方は、これら科目別テキストにも必ず取り組んで、専門試験にしっかりと備えることをおすすめします。

なお、国総・家裁以外の方でも、「社会福祉学 (New Liberal Arts Selection) 有斐閣」や「新・社会福祉士養成講座」シリーズは、学習経験が無い科目の攻略、苦手科目のやり直し学習、調べ物的な参照用参考書、記述対策の論点整理など、さまざまな用途を考慮した上であれば、追加しても良いと思います。