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保育士採用試験の試験内容
保育士採用試験の参考書
保育士採用試験とは
今回は、公務員試験としての保育士採用試験を取り上げます。
公立保育園は、地方自治体(都道府県、市町村)が運営するケースが一般的です。そこで働く保育士も、それぞれの自治体の職員である地方公務員です。正職員として公立の保育士になるには、それぞれの自治体が実施する採用試験に合格する必要があります。
公立保育園は市町村の運営が多いのです(市町村の保育士採用試験)が、都道府県が運営しているものもあります(都道府県の保育士採用試験)。当然、公立の保育士採用試験は、市町村が実施するものもあれば、都道府県が実施するものもあります。
なお、保育士採用試験の採用試験においても、政令指定都市は都道府県と同等の扱いを受けます(政令指定都市の保育士採用試験)。このほか、東京都特別区は、各区がそれぞれ採用試験を行います(東京都特別区の保育士採用試験)。
保育士採用試験は、中級(短大卒程度)または初級(高卒程度)で実施する自治体が多く見られます。その一方、上級(大卒程度)、中級、初級と区分を分けて実施する自治体もあります。
なお、公務員試験でいうところの「程度」とは、試験内容や難易度の目安であり、学歴要件とは別物です。例えば、初級程度の試験であっても、高卒(見込み)に限るという学歴要件が無ければ、大卒でも短大卒の方でも誰でも受験できます。
ただし、受験資格は学歴要件だけではなく、年齢制限など他の要件をすべて満たす必要があります。当然ながら、保育士の資格を取得(見込みも含む)することも、受験資格の1つです。
保育士採用試験の試験内容
保育士採用試験は、筆記試験(教養試験、専門試験)、論文(作文)試験、面接試験、実技試験、適性試験または適性検査を1次試験と2次試験に分けて課す自治体が一般的です。
筆記試験は、5つの選択肢から正答を選ばせる択一式(多肢選択式)が一般的です。保育士採用試験においても、教養・専門試験ともに択一式という自治体が大半を占めています。
ほとんどの保育士採用試験は、中級(短大卒程度)または初級(高卒程度)として実施します。一部の自治体では上級(大卒程度)の試験を行いますが、その場合は択一式ではなく記述式を課す自治体もあります。
筆記試験(教養試験、専門試験)
教養試験は、他の職種と共通の試験内容を課すことが一般的です。以下の出題分野・科目があります。
- 一般知識(知識分野)→社会科学(法律、政治、経済、社会)、人文科学(日本史、世界史、地理、思想・倫理、文学・芸術、国語)、自然科学(数学、物理、化学、生物、地学)、時事問題など
- 一般知能(知能分野)→数的処理(判断推理、数的推理、資料解釈)、文章理解(現代文、英文、古文)
専門試験の試験内容は、保育士資格の国家試験に準じていることが一般的です。出題科目は概ね以下の通りです。
- 社会福祉
- 児童家庭福祉(社会的養護を含む)
- 教育原理
- 保育の心理学
- 保育原理
- 子どもの保健(精神保健を含む)
教養試験・専門試験は別々の試験として実施する自治体が一般的です。その一方、一部の自治体では教養・専門を一括して実施するところもあります。
教養試験および専門試験の出題内容(科目別出題数など)は、自治体によって異なります。都道府県・政令指定都市・東京都特別区・市町村、それぞれの最も多く見られる出題パターンを参考になさってください。
保育士採用試験の筆記試験対策は、保育士採用試験の参考書 筆記試験(教養/専門試験)が参考になります。
論文(作文)/面接/実技/適性試験・適性検査
保育士採用試験で論文(作文)試験を課す自治体の場合、特定の課題に対して記述させる課題式論文(作文)が一般的です。公務員としての適性や人間性を問う課題が頻出といえます(保育士採用試験の参考書 論文(作文)対策)。
実技試験は全ての自治体が課すとは限りませんが、音楽実技、言語実技、造形実技など、さまざまな課題が自治体によって出題されます。出願先の自治体で実施される場合は、しっかりした対策が必要です(保育士採用試験の参考書 実技試験対策)。
適性試験は事務適性検査とも呼ばれ、マークシート形式で事務処理能力を問う試験です。適性検査は性格適性検査とも呼ばれ、性格や職業適性を測る検査です。
「適性検査」という場合でも、実際は「適性試験」を課す自治体もあります。両者の見分け方に関しては、保育士採用試験の参考書 適性試験/適性検査でも取り上げています。