ここでは、地方上級の行政系・事務系区分の専門試験の科目別出題数を取り上げます。
(理系(技術系)区分の方は地方公務員の技術系区分(地方上級、市町村)、福祉系・心理系区分の方は地方公務員福祉職(地方上級、市役所)または地方公務員心理職(地方上級、市役所)を参考になさってください)
今回は、判明しているなかで最も直近の平成28年度の採用試験で実際に出題された科目別出題数です。古いデータでは、経済系科目の各科目で1~2問の違いが見られます。
分野 | 科目 | 全国型 | 関東型 | 中部・ 北陸型 |
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行政系 | 政治学 | 2 | 2 | 2 |
行政学 | 2 | 2 | 2 | |
社会政策 | 3 | 3 | 2 | |
社会学 | 0 | 0 | 2 | |
国際関係 | 2 | 3 | 2 | |
法律系 | 憲法 | 4 | 4 | 5 |
行政法 | 5 | 5 | 8 | |
民法 | 4 | 6 | 7 | |
刑法 | 2 | 2 | 2 | |
労働法 | 2 | 2 | 2 | |
経済系 | 経済原論 | 9 | 12 | 8 |
財政学 | 3 | 4 | 3 | |
経済史 | 0 | 1 | 0 | |
経済政策 | 0 | 2 | 2 | |
経済事情 | 0 | 0 | 3 | |
経営学 | 2 | 2 | 0 | |
解答数/出題数 | 40/40 | 40/50 | 40/50 |
地方上級の専門試験は、全国型が40問必須解答の全問解答制、関東型や中部北陸型は50問中40問の選択解答制となっています。
専門試験で最も重要な科目は、憲法、行政法、民法と経済原論(マクロ経済学、ミクロ経済学)といえます。憲法、行政法、民法の順に着手すると、他の法律科目の理解も進みやすく、他の公務員試験との併願もしやすくなります。
経済原論も出題数が非常に多く、単純な暗記だけでは通用しない科目ですから、憲法・行政法・民法と同じく、真っ先に取り組むべき重要科目です。
特に財政学は、先に経済原論を理解しておいたほうが、財政理論や財政政策の部分が理解しやすいといえます。刑法、労働法も他の法律科目の理解を前提にしたほうが良い科目です。
行政系科目は、他の分野に比べて暗記すべき事柄が多い分野です。暗記が苦手な方は、あまり後回しにするのも考えものです。政治学、行政学、社会政策は時事対策も含めてしっかり学習すべきです。
経済政策、経済事情、経済史も、経済原論の知識を土台にして時事対策を交えて取り組めば、点が取りやすい科目ではあります。経営学も学習対効果が高い科目ですが、他の経済系科目とは別物と考えて取り組むべきです。
国際関係は出題数もそこそこあるのですが、学習範囲も非常に広いため、あまり深入りするのも避けるべきかもしれません。とはいえ、国際情勢など時事対策で解ける問題も多いため、捨て科目にするべきではありません。
このように地方上級の専門試験は、まずは憲法、行政法、民法と経済原論に取り組み、これらの理解のめどが付いた段階で、出題数に応じて他の科目に順次取り組むことが、コストパフォーマンスの高い効率的な学習といえます。