地方初級

地方初級は都道府県、政令指定都市、東京都特別区の高卒程度の採用試験です。行政系・事務系、理系(技術系)の各区分(職種)ごとに採用試験が行われます。

このうち、教養試験(基礎能力試験)は、どの区分でも共通の試験内容が課されることが一般的な試験種目です。

地方初級で最も一般的かつ全国的に見られる出題パターン(全国パターン)の科目別出題数は以下の通りです。50問全問解答制で、知能分野(一般知能)と知識分野(一般知識)が25問づつ課されます。

  • 一般知能(知能分野)25題:文章理解9(現代文5、英文3、古文1)、判断推理(課題処理)9、数的推理5、資料解釈2、生活常識0(生活常識は東京都のみ課される)
  • 知識分野(一般知識)25題:社会科学7(政治3、経済2、社会2)、人文科学11(日本史2、世界史3、地理3、文学・芸術0、思想・倫理0、国語3)、自然科学7(物理1、化学2、生物2、地学1、数学1)

なお、以下の自治体では以下のとおり変更を加えています。これ以外の都道府県・政令指定都市・東京都特別区は概ね上記の全国パターン通りです。

  • 例年、都道府県では3程度、政令市・特別区では5~6程度の自治体で選択解答制を導入する。
  • 東京都、東京都特別区は独自の問題を作成し、独自の科目別出題数を示す。東京都では生活常識を3題、東京都特別区では文学・芸術、思想・倫理が1題づつ見られる。
  • 東京都・特別区以外の関東(甲信越を含む)の各県では、上記全国パターンと比べ、1問だけ異なる(知能分野が26問、知識分野が24問。関東パターンと呼ばれます)
  • 大阪府は伝統的に知識分野29問、知能分野21問だったが、近年は頻繁に傾向が異なる。
  • 政令指定都市は、知能・知識の割合を変える自治体が多い(札幌市、仙台市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市など。知能をやや多めにすることが多い)
  • かつては教養試験を2回に分けて課した自治体も存在した(仙台市)
  • このほか英語、人権(京都市)などを課す自治体もある。

ただし、地方初級の場合、東京都・東京都特別区以外のすべての自治体は、地方公共団体情報システム機構(旧・地方自治情報センター)に委託した共通問題を課しています。

出題比率や選択解答制など変更を加えた自治体の場合でも、共通問題をベースにしつつ数問の独自問題を加味しただけです。地方初級はどの自治体でも、一般的な高卒程度の公務員試験が試験範囲です。

地方初級の教養試験(基礎能力試験)の試験対策については、高卒程度公務員の試験勉強で対応できます。一般的な高卒公務員の教材を使えば十分通用します。

高卒程度の公務員試験では、教養試験(基礎能力試験)は区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(高卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に高卒公務員・教養試験(基礎能力試験)の参考書をおすすめします。

地方初級の作文試験対策のうち、東京都/特別区/道府県庁は東京都/特別区/道府県庁の作文試験(高卒程度)、政令指定都市は政令指定都市職員の作文試験(高卒程度)で、過去の試験問題を取り上げながら傾向を分析して試験対策を解説しています。

地方初級(道府県、政令指定都市)、東京都3類、東京都特別区3類、市役所高卒、国家一般職高卒を志望する方で、参考書を一通り知りたい方には、地方初級・市役所高卒・国家一般職高卒の参考書をおすすめします。