防衛省専門職員

防衛省専門職員は防衛省が独自に実施する採用試験です。防専は国家公務員法上は特別職の国家公務員です。ただし、国会職員(立法権に関わる)や裁判所職員(司法権に関わる)など他の特別職とは異なり、防専は防衛省という行政機関に勤務するため、専門性の高い国家公務員であり、行政系・事務系公務員の一種といえます。

防専の採用試験は、平成29年度までは語学(英語、中国語、朝鮮語)と国際関係(英語、中国語、朝鮮語)の区分でしたが、平成30年実施の採用試験から国際関係が廃止され、語学を「特定の語学」区分と名称変更して1つの区分だけで英語、ロシア語、中国語、朝鮮語で実施することになりました。

新たな採用試験の内容は以下のとおりです。

語学区分
1次試験:基礎能力試験(択一式)、専門試験(記述式)、論文試験
2次試験:口述試験(個別面接)、身体検査

【参考】平成29年度まで実施された従来の試験内容は以下のとおりです。

語学区分
1次試験:基礎能力試験(択一式)、専門試験(記述式)、論文試験
2次試験:口述試験(個別面接)、身体検査
国際関係区分
1次試験:基礎能力試験(択一式)、専門試験(記述式)、専門試験(択一式)、論文試験
2次試験:口述試験(個別面接)、身体検査(参考とするため、性格検査を実施)

新たな防専の採用試験

平成30年度から実施される防衛省専門職員の採用試験の内容は、従来の試験区分「国際関係」の試験種目から国際関係の択一式問題を課さない形式での試験と告知されており、この変更に伴う新たな試験対策等は必要ありません。

防専の基礎能力試験(合計40問)は、同日実施の国家専門職(大卒)(国税専門官、財務専門官、労働基準監督官など)の間では、全く同じ共通問題です。国家一般職大卒・地方上級レベルの標準的な大卒公務員の試験勉強で対応できます。

  • 知能分野 27題→文章理解 11題、判断推理 8題、数的推理(一部の国家専門職や防専では「数的処理」)5題、資料解釈 3題
  • 知識分野 13題→自然・人文・社会(時事を含む) 13題
  • 数的処理(判断推理、数的推理、図形、空間)→判断推理8、数的推理5出ます。この2科目だけで基礎能力試験の3割以上を占め、真っ先に取り組むべき最重要科目です。
  • なお、国家専門職の一部や防専では、数的推理を「数的処理」と呼びます。
  • 文章理解→現代文6、英文5で古文は出ません。やはり出題数が多く、必ず勉強すべき科目です。
  • 資料解釈→3問出ます。コツコツとしっかり取り組むことで学習効果の高い科目です。
  • 社会科学(時事対策を含む)→時事が3問、法律、政治、経済が各1問出ます。一般知識(知識分野)では最もウェイトの高い重要分野です。
  • 人文科学→日本史、世界史、地理、倫理思想が各1問出ます。ここを落とす受験生は少なく、やはり勉強すべき分野といえます。
  • 自然科学→生物(または地学)、物理、化学が各1問出ます。優先度は低いものの、典型問題・基礎問題だけでも勉強すると点が取りやすい分野です。

大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)は、区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(大卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)をおすすめします。

専門試験(記述式)は語学試験です。和文外国語訳、外国語和訳及び外国語文法等が課されます。例えば英語の場合、英文解釈2、語彙問題1、英文法1、英作文1の計5題課されます。このほか、ロシア語、中国語、朝鮮語の区分に分かれます(すべての語学区分が毎年実施されるわけではなく、採用予定がある語学区分のみ実施されます)。

なお、当サイトでは英語試験に関して、防衛省専門職員の参考書:英語試験で対応しています。

防衛省専門職員の論文試験については、実際に出題された試験問題から、防専志望の方の試験対策まで、防衛省専門職員の参考書:論文試験にまとめていますので、ぜひ参考になさってください。

防衛省専門職員では個別面接が課されます。また、官庁訪問はありませんが、試験後に採用面接が実施されます。これについては防衛省専門職員の面接試験・採用面接対策で説明しています。しっかりと準備しておきましょう。

防衛省専門職員は、基礎能力試験、専門試験、英語試験を並行して勉強するのはもちろんですが、論文試験も早い時期から専門試験と連動して頻出テーマを攻略しておくことをおすすめします。