公務員試験ガイド

地方初級・市役所(高卒)

地方初級とは、都道府県、政令指定都市(政令市)、東京都特別区(特別区ともいいます。東京23区のこと)の高卒程度の採用試験の総称です。その一方、政令市以外の一般的な市役所(町村役場を含みます)でも、高卒程度の採用試験が実施されます。

(政令指定都市とは、札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、新潟市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市、熊本市の20市です)

今回は、地方初級と市役所(高卒)を合わせて、高卒程度の地方公務員の採用試験を一括して取り上げます。町村役場も、一般的な市役所に準じます。

※地方初級や市役所(高卒)など、一般的な高卒公務員試験の参考書については、高卒公務員試験のおすすめの参考書で取り上げています。参考になさってください。

地方初級と市役所(高卒)の受験資格

地方初級や市役所(高卒)の受験資格には、年齢や学歴による制限を設ける自治体があります。例えば、学歴による制限(学歴要件)の場合、高卒程度の採用試験は、大卒や大卒見込者の受験を認めない自治体も見られます。

また、自治体の中には、住所要件(居住地域による制限)を設けるところもあります。受験資格は自治体によって違います。志望先の自治体の公式サイトや受験案内(募集要項)で必ず確認しましょう。

地方初級と市役所(高卒)の試験日程

地方初級の採用試験(1次試験)の日程は、例年通りなら、以下の通りになります。

1次試験の日程は、政令市以外の市役所は、例年通りなら、全国的には9月第3日曜日、西日本の一部の自治体では、10月の第2または第3日曜日に集中実施日が見られます。このほか、一部の自治体では、独自に日程を設定する市役所もあります。

地方初級と市役所(高卒)の試験内容

地方初級や市役所(高卒)では、択一式(多肢選択式)の教養試験、作文試験、面接試験を課すことが一般的です。また、事務系の職種では適性試験、都道府県や規模の大きな市役所を中心に適性検査(性格検査)を実施する自治体も少なくありません。

高卒程度の採用試験では、これらの試験種目を1次試験と2次試験に分けて実施し、1次試験の合格者だけが2次試験に進み、2次試験の合格者(最終合格者)が採用されるという流れが一般的です。

地方初級や市役所(高卒)では、3次試験まで実施したり、記述式の試験を課すなど、独自の試験種目・試験内容を行う自治体は、ゼロではありませんが、全国的にはごく稀なケースだといえます。

もちろん、日程が違う自治体の間では、問題自体は違います。とはいえ、高卒程度の公務員試験どうしは、同じ高卒程度公務員試験の試験勉強で対応できますし、日程が重なってない採用試験なら、いくつでも併願することができます。

地方初級と市役所(高卒)の科目別出題数

ここからは、地方初級や市役所(高卒)の科目別出題数を取り上げます。ここでは、一般的な択一式の教養試験(基礎能力試験)が課される場合です。また、判断推理には、空間把握を含みます。

道府県・政令市の科目別出題数

地方初級のうち、東京都や特別区を除く道府県や政令市では、知識と知能の割合を変えたり、英語や人権問題を出したり、選択解答制にする自治体もあります。ただし、高卒程度の場合は、こうした変更を加える自治体は、そう多くはありません。

道府県や政令市で、集中実施日に1次試験を行う自治体では、一般的には50問・全問必須解答で、科目別出題数は、以下の通りです。大部分が共通問題で、独自科目や独自問題に差し替える自治体は多くありません。差し替えたとしても、数問程度という自治体が多いです。

知識分野(一般知識)は25問で、社会科学8(政治3、経済2、社会3)、人文科学10(日本史2、世界史2、地理3、国語3)、自然科学(7数学1、物理1、化学2、生物2、地学1)です。

知能分野(一般知能)は25問で、文章理解8(現代文5、英文3、古文0)、判断推理9、数的推理6、資料解釈2です。

東京都、特別区の科目別出題数

東京都や東京都特別区の高卒程度の採用試験(3類)は、例年通りなら、地方初級とは異なる日程を組んでおり、それぞれが独自の問題を作成しています。

※東京都3類は、45問で全問必須解答制です。

知識分野(一般知識)は14問で、社会科学4(政治2、経済2、社会0)、人文科学6(日本史2、世界史2、地理2)、自然科学4(物理1、化学1、生物1、地学1)です。

知能分野(一般知能)は31問で、文章理解8(現代文4、英文4、古文0)、判断推理7、数的推理8、資料解釈5、生活常識3です。

※東京都特別区3類は、50問中45問の選択解答制です。知能分野(一般知能)の28問は必須解答で、知識分野(一般知識)の22問中17問を選択します。

知識分野(一般知識)は問で、社会科学5(政治3、経済2、社会0)、人文科学10(日本史2、世界史2、地理1、文学・芸術1、倫理1、国語3)、自然科学7(物理2、化学2、生物2、地学1)です。

知能分野(一般知能)は28問で、文章理解9(現代文6、英文3、古文0)、判断推理10、数的推理5、資料解釈4です。

市役所(高卒)の科目別出題数

※政令市を除く一般的な市役所(高卒)は、40問・全問必須解答制です。町村役場も、これに準じます。

一般的な市役所でも、ごくわずかな自治体で独自の変更が若干みられる程度で、日程が同じ市役所どうしでは、大部分は共通問題です。9月と10月の集中実施日の間では、問題自体は違いますが、科目別出題数や難易度が大きく変わることはありません。

知識分野(一般知識)は19問で、社会科学8(政治3、経済2、時事3)、人文科学6(日本史2、世界史2、地理2)、自然科学5(数学1、物理1、化学1、生物1、地学1)です。

知能分野(一般知能)は21問で、文章理解6(現代文3、英文3、古文0)、判断推理9、数的推理4、資料解釈2です。

教養試験(基礎能力試験)対策へのリンク

高卒公務員の教養試験(基礎能力試験)も、区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(高卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に高卒公務員の教養試験(基礎能力試験)をおすすめします。

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