公務員試験ガイド

精神保健福祉相談員とは

精神保健福祉相談員とは、都道府県および市町村において、精神保健福祉センター、保健所、その他これらに準じる施設に配置され、精神保健福祉および精神障害者の福祉に関して、相談に応じたり、必要な助言、援助、情報提供を行う職員のことです。

精神保健福祉相談員は、任用資格です。任用資格とは、一定の要件を満たした者が、その職種に就いて、初めて効力を有する資格のことです。精神保健福祉相談員の場合も、その職務に任用されている間は、精神保健福祉相談員の業務を行うことができます。

精神保健福祉相談員の任用要件を満たす、最も確実な方法は、精神保健福祉士の取得です。精神保健福祉士の有資格者は、精神保健福祉相談員の任用資格を有しています。

実際に、多くの自治体では、精神保健福祉相談員の受験資格に、精神保健福祉士の取得を求めています。その一方、自治体の中には、社会福祉士、臨床心理士など、その他の資格による受験資格を認めるところもあります。

自治体の中には、精神保健福祉法に定める任用基準を満たしていれば、精神保健福祉相談員として採用するというところもあります。

精神保健福祉相談員と精神保健福祉士の違い

精神保健福祉相談員と精神保健福祉士の違いは、主に勤務先や雇用形態だといえます。

精神保健福祉相談員は任用資格です。地方自治体で任用されて初めて、従事できる職員です。各自治体の地方公務員であり、保健所、精神保健福祉センター、児童相談所、公立の病院、本庁勤務など、それぞれの自治体が受け持つ公立の機関・施設で働きます。

精神保健福祉士は、国家資格です。精神保健福祉士の方は、各自治体に任用されて、精神保健福祉相談員となる場合が、幅広く見られます。

その一方、精神保健福祉士は、公立以外の、病院・診療所(精神科など)、相談支援事業所、グループホーム、教育機関、一般企業など、さまざまな企業・団体・事業所で働くケースが見られます。

精神保健福祉相談員と精神保健福祉士は、精神保健福祉や精神障害者福祉のソーシャルワーカーという、基本的な業務内容は、同じといえます。ただし、公務員である精神保健福祉相談員は、各自治体のさまざまな業務に、従事することがあります。

その一方、精神保健福祉士の場合、精神保健福祉相談員に任用される場合を除けば、どのような勤務形態・業務内容に従事するかは、勤務先次第といえます。本来の相談・支援業務に専念できるとは限らず、やはり、さまざまな業務を行うこともあります。

精神保健福祉相談員になるには

精神保健福祉相談員になるには、公務員になることが前提ですから、各自治体が行う採用試験に合格して採用される必要があります。採用後は、各自治体の職員(地方公務員)であり、さまざまな機関・施設への配属や転勤があります。

受験資格は、精神保健福祉相談員の任用要件に準じることが一般的であり、精神保健福祉士を求めることが多いです。その一方で、社会福祉士、保健師、臨床心理士、公認心理師、臨床発達心理士などを求める自治体もあります。

精神保健福祉相談員の採用試験

精神保健福祉相談員の採用試験は、教養試験(基礎能力試験)、専門試験、論文(作文)試験、面接試験を、1次試験と2次試験に分けて課し、1次試験の合格者のみが2次試験に進み、2次試験の合格者(最終合格者)が採用という自治体が一般的です。

教養試験(基礎能力試験)は、択一式が一般的で、区分・職種を問わず、共通の試験内容を課す試験種目といえます。
このため、当サイト「公務員試験ガイド」では、大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)が参考になります。

一方、専門試験は、職種や区分ごとに異なる内容を課す試験種目です。精神保健福祉相談員の場合は、択一式または記述式を課す自治体があります。試験範囲や試験内容は、社会福祉士や精神保健福祉士の国家試験に準じています。

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