今回は大卒公務員の参考書のうち、統計学を取り上げます。今回は、文系・理系問わず、統計学を学んだことが無い受験生を想定して説明します(以下のリンクは、それぞれの名称によるアマゾン(Amazon.co.jp)の検索結果ページを含みます)。
統計学は、国家総合職・経済区分で「統計学・計量経済学」5問(必須)、財務専門官で6問(選択)、地方上級の事務系区分の経済専門型や心理系区分で2~3問の出題が見られます。また、理系や福祉系・心理系の区分では、国家・地方公務員とも出題が見られます。これ以外の公務員試験で出ることはありません。
まず、統計学が択一式試験で出る方は、「完全独習 統計学入門 小島 寛之 ダイヤモンド社
地方上級では2~3問しか出ませんからこれだけで十分だと思います。過去問500を解きながら、必要な知識や解法を参考書で調べて確認しておくという程度でも良いと思います。
国総・経済区分や財務専門官では、これらに加えて人事院に5~10年分の過去問を請求しておき、本格的な問題演習に使うのも良いでしょう。
一方、より本格的な出題が予想される理系公務員では、以下の入門書や参考書をおすすめします。
この記事(ページ)の目次です。
統計学の参考書:入門書
統計学の参考書のうち、まず入門書としては以下のものが挙げられます。
「よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房 山田剛史著 / 村井潤一郎
「完全独習 統計学入門 ダイヤモンド社 小島寛之
上記の統計学の入門書のうち、国家総合職、他の国家公務員試験、地方公務員など幅広く使える最初の1冊として、どちらでも構いませんので、1冊にしっかり取り組みたいものです。
なお、国家総合職の心理統計には別途着手することをおすすめします。
ここまではあくまでも入門書です。初学者の導入本として最適ですし、既習者が基礎を学び直すのに最適です。ただし、これらだけでは本試験には対応できません。入門書のレベルを超えたら、以下の教材に着手しましょう。
統計学の参考書:メイン教材
一方、公務員試験の本試験レベルに対応する参考書としては、以下の1~4のなかから、各自の志望先に見合ったものを1冊こなせばよいでしょう。
1.東大出版会の「統計学入門 (基礎統計学) 東京大学教養学部統計学教室 東京大学出版会
「統計学入門 (基礎統計学) 東京大学教養学部統計学教室 東京大学出版会
2.「試験にでる心理学 心理測定・統計編 北大路書房
こちらは公務員試験に必要な内容を漏らさず収録しており、とても分かりやすい本です。ただし説明自体は簡潔にまとめているため、入門書と併用して試験勉強のメインにすると、十分な試験勉強として通用します。
3.「基本統計学 有斐閣 宮川公男
「基本統計学 有斐閣 宮川公男
4.「例題で学ぶ 初歩からの統計学 日本評論社 白砂堤津耶
本書も、国家総合職からあらゆる事務系・福祉系・心理系公務員試験に対応でき、とても丁寧で読みやすい参考書です。ただし、「例題で学ぶ 初歩からの統計学 日本評論社 白砂堤津耶
公務員試験の統計学は、鉛筆片手に計算を実践しながら、入門書や参考書を一気に進めたあと、過去問演習を徹底して繰り返し、本試験に備えるのがオーソドックスな攻略法といえます。