公務員試験ガイド

理系公務員には資格が必要(有利)か?

今回は、理系公務員には資格が必要(有利)かどうかについて取り上げます。結論を先に言うと、一部の公務員試験を除けば、理系公務員(技術職)であっても、特に資格の有無は必要ありませんし、特定の資格が有利になることもありません。

とはいえ、理系公務員を目指す方には、資格が必要無いというわけではありません。「必要(必須)なのは一部の公務員試験」「無いよりはあったほうが良い」「多少は有利かもしれないが決定的では無い」という程度に考えて良いと思います。

理系公務員に資格は必要ないのが一般的

一般に、理系公務員で特定の資格を必要(必須)とする採用試験は、ほとんどありません。ここでいう「理系公務員」とは、理系出身の公務員の中でも、技術系公務員(技術職)と呼ばれる公務員です。

その一方、「理系出身の公務員」ということなら、医師、看護師、薬剤師、保健師、獣医師、管理栄養士、社会福祉士、理学療法士など、特定の資格が必要(必須)という公務員もあります。

これら、専門資格の取得者を採用する公務員試験は、一般には「資格免許職」と呼ばれます。ちなみに、幼稚園教諭や保育士も、資格免許職です。資格免許職は、今回の記事で対象とする、理系公務員(技術職、技術系公務員)とは区別されます。

ここでいう「理系公務員」(技術職。技術系公務員)とは、国家総合職、国家一般職(大卒、高卒)や、都道府県、政令指定都市、東京都特別区(東京23区)、市役所や町村役場などで、土木、建築、電気、電子、機械、情報(デジタル)、農業、化学など、職種や区分ごとに分けて採用する公務員を指します。

当サイトでは、国家一般職大卒の技術系区分、および、地方公務員の技術系区分(地方上級、市町村)で詳しく説明している公務員試験が該当します。

これらの職種や区分で採用される理系公務員は、大半の場合が、特に資格を必要としませんし、特定の資格の有無によって、採用試験で大きく有利になるということもありません。

もちろん、理系公務員の受験資格は、採用試験によって違います。中には、一定の資格を必要とする公務員試験もあります。それぞれの出願先の受験案内(募集要項)で、特定の資格が必要か、あるいは、評価に反映されるかどうか、必ず確認しましょう。

理系公務員で資格は有利か?

その一方、理系公務員であっても、資格を持っていると公務員試験で有利に働くということはあると思います。最も多く考えられるのは、受験する職種や区分に近い分野の資格を持っていることで、学習経験や志望動機のアピールにつながる点です。

公務員試験で、全ての受験生の全ての資格が考慮される保証はありません。その中でも、理系公務員なら、面接試験などで、その職種・区分に関心を持ったきっかけや、どれだけ詳しいかが問われた時に、資格を持っていることは、有利に働くと思います。

もちろん、公務員試験の面接で、専門分野が問われること自体が無いかもしれません。しかし、受験する職種・区分に近い資格を取ることは、それに費やす時間や費用などが、目指してる理系公務員に見合うものであれば、取り組む価値があるかもしれません。

当然ながら、資格を目指すことに傾注して、公務員試験の勉強がおろそかになるようでは、本末転倒です。理系公務員では、資格は絶対に必要では無いが、無いよりはあったほうが良いという理解で良いと思います。

無いよりはあったほうがいい

理系公務員は、行政系・事務系の公務員に比べて、専門性が高い職員です。採用試験に必要(有利)かどうかは抜きにして、志望する職種・区分の領域をよく知ることは、非常に有意義なことでもあります。

実際に、理系公務員で受かった方には、その分野に詳しく、特定の資格を持っている方も少なくありません。とりわけ理系の資格は、自分がその分野に関して、どれだけ詳しいかを示すサイン効果もあります。

先ほども述べた通り、資格うんぬんよりは、まずは公務員試験の勉強こそが基本です。その上で、さらに余力があるようなら、資格を取るということを視野に入れても良いと思います。

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