公務員試験ガイド

国家一般職大卒

国家一般職は、大卒程度と高卒程度の採用試験があります。また、国家一般職には、経歴に関わらず40歳未満の方が受験できる「社会人試験(係員級)」もあります。今回の記事では、国家一般職の大卒程度(国家一般職大卒)の全ての区分の方を対象に説明します。

※当サイト「公務員試験ガイド」では、一般的な上級・大卒程度の公務員試験の参考書について、地方上級、市役所上級、特別区、国家一般職のおすすめの参考書でまとめています。是非参考になさってください。

国家一般職大卒とは

国家一般職とは、「定型的な事務をその職務とする係員」であると、人事院の受験案内に明記されています(これに対して、国家総合職は、政策の企画や立案などに関わる、中央省庁の幹部候補=いわゆるキャリア官僚の採用試験です)。

国家一般職大卒の方は、霞が関にある各府省に勤務する方もいれば(本庁採用)、地方の出先機関で働く方がたくさんおられます。実際の各省庁の仕事に関しては、各省庁の採用サイトに掲載されています。

国家一般職大卒の受験資格

国家一般職大卒の受験資格は、例年通りなら、1.受験年の翌年の4月2日時点で21以上30歳未満の人、および、2.20歳以下でも、大学・短大・高専を既に卒業した人および翌年3月までに卒業する見込みのある人、あるいは、それと同等だと人事院に認められた人です。

※ただし、国家一般職大卒の受験資格を満たす場合でも、日本国籍を有しない方や二重国籍の方など、受験できない場合があります。受験案内を必ず確認しましょう。

国家一般職大卒の試験区分

国家一般職大卒の採用試験は、行政区分のほか、デジタル・電気・電子、機械、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学の9つの技術系区分があります。

行政区分の方は、北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の9地域から、希望する勤務地(地域ブロック)を選びます。原則として、行政区分は選んだ地域が勤務地となり、技術系区分は全国勤務となります。

行政区分の本府省への採用については、他地域からの採用も可能ではありますが、関東甲信越地域からの採用が中心となります。業務内容や転勤などは、各省庁によって違いがあるため、志望先の公式サイトをよく確認しましょう。

国家一般職大卒の試験日程

国家一般職大卒の試験日程は、例年通りなら、おおむね以下の通りになります。

国家一般職大卒の試験内容

国家一般職大卒の試験内容は以下の通りです。

基礎能力試験(択一式、40問、2時間20分)
専門試験(択一式、40問、3時間) ※建築区分は33問、2時間
一般論文試験(1題、1時間) ※行政区分のみ
専門試験(記述式)(1題、1時間) ※建築以外の技術系区分
専門試験(建築設計製図)(1題、2時間) ※建築区分のみ
2次試験
人物試験(個別面接) ※参考として性格検査を実施

基礎能力試験は全区分共通の試験問題であり、どの区分の方も同じ試験勉強で対応できます。基礎能力試験の出題科目や科目別出題数に関しては、教養試験の科目別出題数(大卒)を参考になさってください。

大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)は、区分(職種)を問わず、共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(大卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)をおすすめします。

専門試験(択一式)も全区分に課されますが、試験内容は区分によって異なります(専門試験・択一式は、建築区分だけ出題数と試験時間が違います)。

一般論文試験は行政区分だけで、建築区分では専門試験(建築設計製図)、そのほかの技術系区分は専門試験(記述式)が課されます。2次試験の人物試験は、どの区分の方も同じ、個別面接です。

国家一般職大卒の科目別出題数(専門試験・行政区分)

国家一般職大卒の専門試験(択一式)のうち、行政区分の科目別出題数は以下の通りです。16科目から5問づつ(計80問)から、8科目40問を選択解答します。

政治学、行政学、憲法、行政法、民法(総則及び物権)、民法(債権、親族及び相続)、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学・経済事情、経営学、国際関係、社会学、心理学、教育学、英語(基礎)、英語(一般)から5問づつ、16科目(計80問)出題されます。

国家一般職大卒(行政)の専門試験(択一式)は、科目選択制です。「ある科目から3問、別の科目から2問、、、」などという選択はできません。5問づつの16科目から8科目を選んで、各科目5問づつ40問解答しなければなりません。

国家一般職大卒の技術系区分の専門試験

国家一般職大卒の技術系区分の専門試験は、受験案内で各区分の出題内容や科目別出題数が明記されます。例年通りなら毎年3月が出願時期であり、それよりも前に公開されるため、受験案内で必ず確認しましょう。

技術系区分(大卒)は、国家一般職大卒、地方上級(都道府県、政令指定都市、東京都特別区)、市役所(大卒)の間では、標準的な試験内容が一般的です。参考書を一通り知りたい方は、まずは理系公務員の参考書をおすすめします。

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