「逆質問」は、国家総合職の官庁訪問でも、結構な割合で普通に飛んできます。逆質問とは、採用側から受験者に、「何か質問がありますか?」「聞きたいことはありますか?」と、「質問の有無を問われる」ことです。
逆質問は、受験者の誰かが名指しで問われることもありますし、いきなり不意打ちで聞かれることも多いです。ここで、「何もありません」と答えるのは、その省庁への関心が低いとみなされ、落選(不採用)の可能性が高まります。
逆質問をされた時が、職員の方の話を聞いた後なら、その話を即座に吸収して質問に活かす、即応かつ理論的な学習能力が問われています。他方で、前置きなしでいきなり逆質問が来た場合、たいていは業務内容について聞くのが、最も無難だと思います。
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積極的に質問しよう
逆質問に遠慮は不要です。もちろん、その質問をする意味が無い(有益でない)、評価につながらない、場違いなこと、空気の読めない質問、無礼な質問などは論外ですが、それ以外の事柄であれば、なんでもどんどん聞いてみて、自分に活かしましょう。
特に原課面接では、職員が業務内容を話す間は、突破口を探しながら聞く。その後、質疑応答では、質問を通じて、より良い話を引き出そうとする姿勢が重要です。
逆質問に対して、具体的には、「何々についてどう思いますか?」ではなく、「何々について、こういう見方がありますが、私はこう思います。この点について、どのようにお考えですか?」と、自分の意見を添えるのが良いかと思います。
官庁訪問でも、質問だけなら誰でも出来ます。そこで、質問に至る前に、「ある点についてこうなっていることに、私はこう感じました(考えました)が、どう思いますか?」というように、自分の問題意識や関心をアピールすることが大切です。
問題意識や自分の考えを添えよう
官庁訪問で逆質問を受けた時、当該省庁や当該部署に関する、業務分野や政策課題に関して質問するのが、最も無難だとは思います。ただし、単に質問するだけでなく、自分の現時点での考えも添えることが大切です。
官庁訪問の受験者の中には、自分が聞かれた時にどうしようかと悩んでいる事柄を、逆質問のときに質問しておいて職員の方から話を聞き出し、これは使えると思った答えを、後々の面接で自ら利用する方もおられます。
これはこれで、1つの手法だとは思います。ただし、職員から聞き出した回答を、自分の回答に使うという発想は、リスクもあると思います。なぜならば、「じゃあ、まず、君はどう思う?」と、更に聞き返してくる職員もいるためです。
一般的に、逆質問を活用して、職員の方から話を引き出すことは、良いことだと思います。ただし、「こういう問題について、自分はこう考えたのですが、この点に関して、どうお考えになりますか?」と、必ず自分の考えを添えるようにしましょう。
自分の考えが無いまま、疑問をぶつけることだけなら、誰でも出来ます。それだけでは、「まず、君の考えはどうなの?」と問われかねません。自分自身の問題意識や、それなりのまとまった考えが出来ることも、率直に伝える必要があります。
どの省庁でも使える質問でもいい
官庁訪問の逆質問では、省庁ごとに問題意識を持って質問するのが好ましいと思いますが、その一方で、「入省1年目で最も大事だと感じたことは何でしょうか?」「(この省庁)で働く上で、最も必要なことは何でしょうか?」など、「どこの省庁でも使える質問」を5~6個用意するのも有益だと思います。
もちろん、人事どうし、どこで繋がっているか分かりませんので、同じ質問を異なる省庁で使い回すのは避けるべきです。また、当然ながら、自分がこの省庁で働きたいという強い意欲があることを示す質問であるべきです。
こうした質問の場合、いろんな省庁で同じ質問を繰り返すのは、避けたほうが良いと思います。どこの省庁でも「使える」質問は、どこの省庁でも「使いまわしをして良い」という意味ではありません。いくつかの質問を、「省庁ごとに」用意しましょう。