警視庁警察官3類

警視庁警察官3類は、警視庁に属する高卒程度の警察官の採用試験です。警視庁の採用試験は年3回実施されるのですが、このうち警視庁警察官3類は9月と1月の2回実施されます。

警視庁警察官3類の試験内容は以下の通りです。

  • 1次試験:教養試験(択一式)、作文試験、国語試験(記述式)、資格経歴等の評定、第1次身体検査(身長測定、体重測定)、第1次適性検査(マークシート方式)
  • 2次試験:面接試験、第2次身体検査、第2次適性検査(記述式等)、体力検査

教養試験は全問解答制・50題で、以下の出題分野が告知されています。

  • 〈知能分野〉 文章理解、判断推理、数的処理(=数的推理のこと)、資料解釈、図形判断
  • 〈知識分野〉 人文科学、社会科学、自然科学、一般科目(国語、英語、数学)

実際の科目別出題数は、概ね以下の傾向が見られます。一般知能(知能分野)24問、一般知識(知識分野)26問です。

  • 数的推理、判断推理15問:判断推理(図形判断を含む)8、数的推理7。
  • 文章理解7:現代文5、英文2、古文は出ません。
  • 資料解釈2
  • 人文科学13:日本史2、世界史2、地理2、文学・芸術1、思想・倫理1、国語2、英語3
  • 社会科学8:政治4、経済2、社会2
  • 自然科学5:数学1、物理1、化学1、生物1、地学1

図形判断は警視庁では独立した科目で扱っていますが、一般的な公務員試験では数的推理・判断推理に含まれている分野ですし、2科目の学習を進めれば対応できます。

警視庁警察官3類の教養試験は、現代文が多いこと、人文科学がどの科目も出題されウェイトが高い傾向があります。

警視庁警察官3類では、こうした科目別の配分さえ気をつければ、一般的な高卒公務員の試験勉強で対応できます。一般的な高卒公務員の教材を使えば十分通用します。

高卒程度の公務員試験では、教養試験(基礎能力試験)は区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(高卒)の参考書を一通り知りたい方には、まず先に高卒公務員・教養試験(基礎能力試験)の参考書をおすすめします。

作文試験は1題1時間20分、国語試験は20分です。国語試験は、漢字試験(読み・書き)です。読み・書きを30題ずつ60題20分で実施され、例年6割できれば概ね合格といえます。

高卒程度の警察官採用試験の作文対策は、警察官の作文試験(高卒程度)で実際の出題例を掲載しつつ、傾向と対策を解説しています。

漢字試験は警視庁では大卒程度の1類、高卒程度の3類とも課されており、どちらも漢検2級程度が目安とされています(1類のほうがより踏み込んだ難問が多めです)。

資格経歴等の評定は、様々な資格や経歴等を採用試験申込みの際に申請し、証明書類に基づいてその内容を評定し、第1次試験の成績の一部とするものです。

この例として「語学」「情報処理」関連の各種資格、スポーツ等の段位や大会出場経歴等が挙げられており、このほかにも「警察官の職務執行に有用な資格経歴等」という項目を設け、様々な資格経歴等について審査し、評定を行います。

第2次身体検査は、視力検査、色覚検査、聴力検査、運動機能の検査、医師の診察、レントゲン検査、血液検査(貧血検査、肝機能検査、血中脂質等検査、血糖検査)、尿検査です。

体力検査は腕立て伏せ、バーピーテスト、上体起こし、反復横跳びです。ただし、種目は変更する場合があります。

警察官・高卒の適性検査は、事務系の公務員試験(国家一般職高卒など)で行われる適性試験とは異なり、性格検査を課す場合がほとんどです。クレペリン検査やYG検査がほとんどですが、警視庁は少し変わっており、クレペリンとPPIを課しています。